23万ヒットをゲットされたフェンリルさんのリクエストは、
『大正女学生服ステアさん』でした。
清楚な服装が似合うステアにマッチしたお題だと思います。

さて、今回はちょっと趣向を変えて、
基本イラストが出来てからそれを背景と融合するまでの
僕の四苦八苦を見ていただきましょう(笑)



まずは、ステアさん本体

上着の模様を色々と考えたのですが、結局、シンプルな生地のほうが
ステアらしさを出せると思ったので、無地にしました。






これに背景をつけます。 選んだのは、ネットで大正時代の建物を
画像検索しているときに発見した、長野県松本市の『旧開智学校』
いや、実は建てられたのは明治時代なのですが、
洋風と和風が混在した雰囲気がすごく気に入って…






本当は上の絵の空の部分に「半透明でアップのステア」を配置して
完成にしたかったのですが、どうしても画面がゴチャゴチャしてしまう。

で、やめたのですが、全体としてスカスカになってしまった。
ステアさんも小さくて、絵としての迫力に乏しい。

そこで思い切って、建物の半分をバッサリ切り捨て、
「和洋折衷の入口」、「柔らかな樹木」といった、
ステアさんの性格とベクトルの近い要素だけが画面に残るように、
背景写真をトリミングしてみました。

あと「弐拾参萬」の文字も、黒から「暗い灰色」に変更し、
全体的な色のバランスを調節しました。






構図的に良い感じになったので、これで完成にしようかと思ったのですが、
画面がまだ少しカラフルで、大正っぽさ(笑)が足りない気がする…

そこで、さらにイラストの彩度を下げてカラフルさを落とし、
全体に半透明の茶色をかぶせて、
古い写真の黄バミのようなものを表現してみました。







これで本当に完成です。

1枚のイラストに関しても、色々考えてやってるんだよ〜
という辺りを知ってもらえればうれしいです。

もっとも、絵を描いている人は誰でも
こういう試行錯誤をやっているはずですが。

これがまた楽しいのよね。




2009年 06月