それでは、回答です。


ジャイアンの理論の、どこに矛盾点があったのか?




ポイントは、下のコマ。





この場面でジャイアンが…

『自分の払ったもの「だけ」を列挙している』
点に問題があったのです。




A: 『のび太に最初に払った』
B: 『今、さらにを返した』

これだけ見れば、たしかにジャイアンは、
100円分のものをのび太に渡しています


でも、これだけでは、
今回の取り引きの全てを語っていません。



そうです。

C: 『ジャイアンはのび太から、を受け取った』
という要素が抜け落ちているのです。





A・B・C、3つそろって初めて、
のび太とジャイアンの全取り引きになる
のに、
ジャイアンはわざと、A・Bだけしか話題に上げなかった。


これが、『50円の食い違い』の正体だったのです。






この、ものすごく良く出来たトリックは、
『壺算』という古典落語が元になっているとか。


分かっていても、相手にサラリと使われると、
なかなかうまく反論できませんね。




また見方を変えれば、
『全部の取り引きを一まとめにしてしまっている』ことが、
勘違いを生む原因にもなっています。

この話の場合、
1回1回の取り引きを分けて考えれば、
混乱もしなかった
はず。



つまり、「最初の50円アイスの取り引き」で、
両者の貸し借りは無い
を受け取り、を渡した)


だから、その次の「100円のアイスの取り引き」でも、
を返して、を受け取った』ジャイアンは、
あと50円分の価値ある何かをのび太にわたさなければ
取り引きが成立しない。



このように、1回1回を分けて考えれば、
皆さんにも(そして多分のび太にも)すぐに分かると思います。






また、ジャイアンの巧みさは、
その態度にもあります。




最初から最後まで落ち着いた態度をとりつづけるジャイアン

対して、気が動転してわめきちらすのび太



詐欺のテクニックの1つに、
『相手のペースを崩すために、常に冷静なフリをする』
というものがあります。

冷静に構えている人間は、たとえ間違ったことを言っていても、
周りからは不思議と「正しい人間」に見えてしまうもの。



「おかしい」と思っても、
逆上してわめきちらしては、こちらの負け。

『では、何がおかしいのか』
最初から丁寧に考え直すことが、
詐欺から自分を守るテクニック
なのです。


僕らも気をつけたいですね(笑)






…さて、ここまでなら、
単に古典落語を現代漫画にアレンジしただけですが、
そこで終わらないのが、天才『藤子F』。


この後、とんでもない返し技で、
詐欺師ジャイアンを恐怖のドン底に叩き落すことになります。


続けてご覧下さい。