スーパーファミコン用ソフト


『アクスレイ』


販売:コナミ              プレイ時間 :「クリア3回ほど」

購入価格:3000円?         執筆日:2003年 10月3日





■第一章 『横と奥』


『アクスレイ』(コナミ)は、
ステージによってスクロール方向の変わる
シューティングゲーム
です。


全6ステージ中、
2・4・6面が従来の『横スクロール』で、
1・3・5面『画面の奥に向かって進む』という
特異なスクロール方向でゲームが進行します。



…自機には『性能の異なるショット兵器』3つ選択・装備でき、
ゲーム中、この3つのショットを
いつでも自由に切り替えて使うことができます。

また、「ショット兵器」自体も、
ステージを進めるにしたがって増えていき、
最終的には8種類になります。






■第二章『色々』


…ではでは、部分的な批評にはいりましょう。



『重厚な雰囲気』

『重く冷たいBGM』
『明度を抑えた背景』
『低音重視の爆発音』
など、
見事に統一されたゲーム内容にこだわりを感じます。

ただ、3Dステージの一部のキャラが不恰好なのが残念。




『マニュアル』

「黒」を基調とした紙面は、
当ゲームの重い雰囲気とマッチしていて、
購入した93年当時、非常にシビれたものです。
(いや、モチロン今でもですが)

ゲームに付いているマニュアル本で感動したのは、
そうそう無い事なので、今でもよく憶えています。




『多彩で心地良いショット』

…実は、このゲームを作った開発チームは、
通称「グラ2チーム」と呼ばれている、
アーケード版の『グラディウス2』『ゼクセクス』など
非常に練り込まれた「横スクロールシューティング」を
制作された方々です。


…で、その作品の特徴の1つに、
『ショット1発1発を撃ったときの手ざわりが心地良い』
というものがあります。(と、僕は個人的に思っています。)

単純に「キーレスポンスがいい」という意味ではなく、
ショット音に『個性と透明感』があったり、
メリハリのきいたアニメーションで『見ているだけで楽しめる』
といった、数々の工夫を感じさせるのです。

(…ちなみに『ゼクセクス』では、全てのショット音が
『何らかの虫の鳴き声』のように聞こえたのを憶えています。
透明感のあるショット音を作るコツは、実は『虫の鳴き声』にアリ?)





『個性的な敵』

…昨今のシューティングにおいて、
自機ショットの圧倒的な火力増大により、
ただの『柔らかい壁』に成り下がってしまっている「ザコ敵」ですが、
昔はそれぞれが個性的なアルゴリズムで自機を狙ってきたものです。

そんな、イイ意味での昔気質(むかしかたぎ)なザコが、
このゲームには大量に存在します。

キャラの姿を写真などで見ただけで、
そいつがどんな攻撃・移動を取ってくるか思い出せるほど、
個性派ぞろいです。




『敵の出現頻度が低い』

…特に「奇数ステージ」で顕著なのですが、
敵が出ない時間が多く、
全体的にダラダラしたプレイ感があります。

『戦闘よりも、まぁ、この美しい擬似3Dの風景を楽しんでよ』
という事なのでしょうか?

と、いうより、
スタッフが初めて(多分)3Dシューティング制作で、
今まで2Dで培った敵配置のノウハウが使えずに苦戦している
という印象を受けたのですが?



…逆に「横スクロール」ステージは、
実にメリハリの利いた構成で、正直
『なんで、全部2Dにしてくれなかったんだろう?』
と、首をひねります。

商品の『売り』として必要だったんでしょうが、
なんかズレてると思います。

『ゼクセクス』のビジュアルシーンと言い…




『レーザー兵器』

…ステージ3からは、
ホーミング能力の付いた『ニードルクラッカー』が。
ステージ6からは、
画面上下に広く展開する『ワインドレーザー』が、
それぞれ選択可能になります。

が、このレーザー兵器に関してだけは、
「選択可能」というより
『以降は、これを使っていかないと大苦戦するよ』
といったステージ構成になっているのが、ちょっと残念です。


初期装備でも工夫次第で十分対応できる敵配置になっていれば、
プレイヤー各々のプレイに個性や独自の楽しみ方が、
より多く生まれたと思うのです。




『難度の高いステージ6』

…比較的難度が低めの当ゲームにおいて、
最終ステージだけが突出して難しく、
そして長くなっている
のが辛いです。






■第三章『ふがふが』


…かつて、「横スクロールシューティング」に魂を揺さぶられた人で、
『奥へのスクロール』という例の少ない試みにも挑戦する
意欲のある方なら、遊んでみる価値はあるでしょう。

その重厚な雰囲気の中に、
若かりし頃、自分がゲーム世界に求めた『何か』
再会できるかもしれません。



…30代を迎えたシューターにお薦め!

歳をとった我らには、
このゲームぐらいの難度が心地良いとも思うし。

ふぉふぉふぉ。 …ふがふが。




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