スーパーファミコン用ソフト


『サンダースピリッツ』


販売:東芝EMI            プレイ時間 :「クリア5回ほど」

購入価格:2000円ほど?       執筆日:2003年 9月28日





■第一章 『横は珍しい』


『サンダースピリッツ』(東芝EMI)は、
横スクロールシューティングゲームです。

多分、『サンダーフォース3』(テクノソフト)の移植だと思います。



それにしても、珍しいですよねー「横スクロール」

このゲームが出た90年ごろになっても
キッチリと「横スクロール」を提供してくれていたメーカーって、
『テクノソフト』『アイレム』『コナミ』
ぐらいじゃないでしょうか?

「縦スクロール」よりもクセはあるけど、
まだまだ秘められたゲーム性
持ってると思うけどなー、「横スクロール」。




…や! 思い出に浸ってしまい、申し訳ない。

では早速、批評に入りましょう。






■第二章 『ショットを変えろ』


…当ゲームは、
『複数の性能のショットを、いつでも自由に変更できる』
という、変わったシステムを持っています。



…基本装備は、
オーソドックスな前方ショット『ツイン』と、
前後攻撃のできる『バック』2種類

これに加えて、ゲーム中のパワーアップアイテムによって、
「ツイン」の強化兵器『セイバー』
「バック」の強化兵器『ランサー』
前方への幅広ショット『ワイド』
上下の地形に沿って進むミサイル攻撃ができる『ファイア』
ホーミングショットの『ハンター』
の、計5種類を使用することができます。


攻撃範囲の限られている
『セイバー』『ファイア』の攻撃力が高かったり、
逆に、敵に当てやすい『ワイド』『ハンター』
パワーが弱かったりと、キッチリ一長一短がある点は、
さすが老舗シューティングメーカー「テクノソフト」です。




…この5種類のショットを状況に応じて使い分ける
という攻略の楽しみの上に、
当ゲームは成り立ってると言えるでしょう。






■第三章 『殺される』


…と、基本システムは良さそうなのに、
ゲーム内容がそれを完全に粉砕してしまっています。

なんというか、
『考えつくかぎりの、ありとあらゆる
イヤがらせでプレイヤーを殺す』

というコンセプトに基づいて
作られているようなゲームなのです。


以下に具体例を挙げてみましょう。




『すぐ処理落ち』

…ちょっとショットを撃つだけでも、ゆわ〜んと処理落ちします。

ひでぇ。




『背景が敵』

…ラスタースクロールなどによる
ハデな背景処理が当ゲームの「売り」だそうですが、
そのせいで画面が見にくいのなんの。


気が付いたらザコにぶつかって死んでいた、
なんてのは日常茶飯事

『自機を見失って死亡』といった、
冗談のような事態すら発生します。




『安いBGM』

…全曲とは言いませんが、半分以上の曲が、
落ち着きのない変にセカセカした作り
になっていて、安っぽいです。

なんというか、
『33回転のレコードを、わざと45回転で聞く』
ような感じです。

実は原曲はちゃんとした作りだったんだけど、
「シューティングにそぐわない」という理由で、
むりやり「曲テンポ」を上げさせられたのではないか?
と、憶測したりしました。


…いずれにしろ、こんな曲ではノってプレイできず、
なんともイライラさせられます。




『罠に次ぐ罠』

…全ステージを通して、
よくもまぁコレだけの『罠』(というか、『嫌がらせ』
用意できたものだと、ある意味感心させられる構成です。


『いきなり後方から出現した敵にぶつかった』
『出現と同時に高速レーザーを連発された』
『アイテムを取ろうと近づいたら、
そばの穴から急に敵が出てきた』

『壊せる壁を横に掘り進んでいたら、
急に縦にスクロールを始めて、壁に激突した』


などなど、挙げればキリがありません。






…まあ、いかにも「東芝EMI」らしい作り
と言えばそれまでですけどね。

駄作を出させれば
「翔泳社」と肩を並べる強豪メーカー
だからなぁ、東芝EMI

取りあえず、これをお読みの皆さんは、
こんなゴミにお小遣い使っちゃいけませんよ〜。





…ちなみに、もう10年近く前の話ですが、
僕が以前勤めていたゲームメーカーの
事務のお姉さん(ちょっと強気な感じがステキでしたね)が、
『あたし、このゲーム大好き』
と言っていたのを思い出します。

こういう 駄作 ゲームの良さを理解しないと、
女心は掴めないという事でしょうか?

女性は永遠の神秘ですね。



…好きですが。




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