スーパーファミコン用ソフト
『ソウルブレイダー』
販売 ENIX (開発 クインテット)
プレイ時間 「クリア5回ほど」
購入価格 2000円ぐらい?
執筆日:2003年 4月20日
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■第一章 『クインテット』
…
『ソウルブレイダー』(ENIX)は、
アクションRPGです。
一人の王様の欲望から、
ほとんどの動植物が姿を消してしまった地上。
そこに再び生命の息吹で満たすために派遣された
『神の弟子』、それが主人公です。
…当ゲームは、
『アクトレイザー』なども手がけた
クインテット社の作品で、
その
『丁寧なゲーム作り』と、
『人間の本質に迫る難題を気取らない平易なセリフで表現する
クリエイターの鑑(かがみ)ともいえる姿勢』、
そして
『なぜか主人公は神様関係』という一貫した製作スタイルで、
一部に根強いファンを持つメーカーです。
(かくいう私も…)
■第二章 『システム』
…当作品のシステムは、
『任意スクロールアクションRPG』。
主人公を動かして、モンスターを
『剣』で切り殺してレベルアップ。
補助攻撃として
『魔法』があり、
これは要所々々で特定人物から伝授されていきます。
…敵は無尽蔵にわいてくるわけではなく、
フィールドに点在する『巣』から一定数のモンスターが出る
ようになっています。
出てきたモンスターを全て倒した時点で、その巣は『封印』され、
以降モンスターが出てくることはありません。
弱いザコとダラダラ戦うわずらわしさや、
過剰なレベルアップを防ぐ、という意味では
なかなかに
上手いシステムだと思います。
(このシステムを見て、『日本ファルコムの「ドラゴンスレイヤー」や
「ザナドゥ」みたいだなー』と思ったあなたは大正解。
クインテットの社長さんは、日本ファルコムから独立された企画者さんだそうです。)
…また、
『巣を封印する』ことで、
そこに囚われていた
『生き物の魂』が解放され、
戦闘を終えて村に戻ったと主人公に、
新たな情報や、先に進むためのアイテムを提供してくれたりします。
…つまり当ゲームは、
『村で、情報やアイテムをそろえる』 ⇒
『モンスターたちと戦う』 ⇒
『巣を封印して、生き物の魂を解放する』 ⇒
『新たな情報やアイテムをそろえる』 …
の、繰り返しによって進んでいくゲームなのです。
…各フィールドの最深部では
『巨大ボス』が待ち構えており、
これを撃退すれば、物語は次のフィールドへと進行します。
■第三章 『色々』
…ではでは、各々のシステムについての批評を列挙していきましょう。
…当作品はとても
キーレスポンスが良く、
難易度も抑えめなのでスピーディにゲームが進み、
それでいてボリュームも結構あって、
たっぷりと戦闘を楽しむことができます。
基盤となるゲーム部分がシッカリ作ってあるので
遊んでいて充実感があります。
ただ、敵の思考がそれほど複雑でないため、
慣れてくると
戦闘が作業的になってくるのが残念ではありますが…
…
モンスターの巣を封印することで魂が解放され、
新たな情報やアイテムが手に入るというシステムは、
敵を倒せば倒すほど生物がよみがえり、
村が見た目にもにぎやかになっていくので
心地良い達成感があります。
ゲーム進行には必須ではないオマケの敵であっても、
1匹たりとも逃したくない気分になります。
…長ーいダンジョンなどの中盤で、
『そろそろ村に戻らないと体力がヤバいなぁ』と心細くなる丁度そのあたりで、
村にUターンしたり、次回以降はその場所から
再スタートできるような
通路(ショートカットルート)が用意されているのは実に親切です。
『もう少しだけ頑張って先に進んでみよう!』
という気分にさせてくれます。
…封印したときの達成感が心地良い
『巣』のシステムですが、反面、
得られる経験値がプレイヤーによってほとんど変化しないので
個性が反映されず、ちょっと悲しいです。
一気に先に進むのが好きな人もいれば、弱い敵を大量に倒して
しっかりレベルアップしてから進むみたい人もいるわけですから。
…1つの解決策として、
『テクニカルな戦闘によって巣を封印するほど、
高い経験値が得られるようにする』ことで、
各々の遊び手のプレイ結果を変化させるという方法があります。
これを、どうゲームシステムに取り込むかは、また別問題ですが。
…巣の封印でよみがえった魂は、
村のどこかに
『動植物として復活』しているはずなのですが、
その場所がどこなのかが分かりづらいことが結構ありました。
特に、似たような景色の続く村では、どの生物が
今回の戦闘後によみがえった(出現した)のかが分かりづらく、
重要な情報が得られる相手にウッカリ会いそびれて、
話が進まずにウロウロしたりもしました。
■第四章 『オマケと総括』
…最後に、このゲームを遊んでいて気付いたことをチラホラ。
ご存知の方も多いと思いますが、
当作品を世に放ったクインテットは、この何年か後に
『天地創造』という大作RPGを開発していますが、
その際、僕が第三章で指摘したような
難点について、
何らかの改良が施こされたておりました。
開発者の方も気付いてらっしゃったんですね。
遊びづらさを感じさせる点は続編で改良する、という
当たり前のことをキッチリこなしているクインテット。
作り手として、
もっと多くのメーカーに見習ってもらいたいものです。
…また、当ゲームを遊びこんでみると、色んなところに
『天地創造』の元アイディアとなった要素が見られるので、
両者を遊んで比較してみるのも面白いですね。
…あと、所々に、
『ナムコ社』へのオマージュぽい要素が見られる気がします。
赤い魔法使いの撃つ
「炎の魔法」のアニメーションは、
『ドルアーガの塔』(ナムコ)の
ソーサラーの呪文そっくりだし、
「炎の神殿」のマップ構成に
『パックマン』(ナムコ)の迷路らしきものが見られたりします。
気のせいかもしれませんが。
違ってたらゴメンなさいね、開発者さん。
…で、総評としては、
当ゲームは
良質のアクションRPGであります。
中古ショップで運良く発見したら、ぜひ購入して
アクションの心地良さに酔ってください。
お奨め〜。
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