スーパーファミコン
『ダライアス ツイン』
|
|
販売: タイトー
|
プレイ時間 : オールクリア2回
| |
|
購入価格: 300円
|
執筆日: 2005年 11月07日
| |
■第一章 『頂上決戦』
『ダライアス ツイン』(タイトー)は、
横スクロールシューティングゲームです。
任天堂スーパーファミコン黎明期の商品で、
シューティング界の
「西の雄コナミ」が看板シリーズ
『グラディウス3』を、
「東の雄タイトー」が
『ダライアス』をそれぞれ発表し、
奇しくも
横スクロールシューティング頂上決戦の様相を呈してまいりました!
(14年前だが)
その勝敗の行方は?
そして『ダライアス ツイン』の出来はいかほどの物なのでしょう?
戦いは第二章に続く。
■第二章 『秒殺』
勝者『グラディウス』。(早っ
いや、これはちょっと勝負にならんでしょう。
元々アーケードでは
2画面構成だった「ダライアス」を
家庭用にした時点でムリがあるのに、
今までの
家庭版「ダライアス」(メガドラとかエンジンとか)がやってきた
『ハードに合わせた工夫』が
皆目見当たらない。
強いて、強いて言えば「背景」が、
スーファミのなめらかノッペリ発色のおかげで美しくなっているぐらいで、それ以外は
『ダライアスの悪い伝統をこれでもかと詰め込んだ上に、プラスアルファまでしてる』
という燦々(さんさん)たる有様。
当時のコナミスタッフの、タイトースタッフに対する
「おやおや…」という
憐憫のまなざしと苦笑が見える思いです。
何がどうヒドイかは、第三章で具体的に…
■第三章 『では良し悪しを』
では、恒例の良し悪し列挙を。
従来のシューティングゲームの常識を
根底からくつがえす驚愕の仕様。
それが、
『死んでも無くならないパワーアップ』です。
たしかに、「ダライアス」のように最強パワーアップまでの道のりが
異様に長いゲームにおいては、当シリーズの伝統である
『死んでも、現在のショット段階(大きく分けて3つ)の初期レベルに戻るだけ』
という仕様でもややツラめなのは事実ですが、
思い切った事をしたものです。
しかも、ミスした場合は
『その場復活』のダライアスなので、
もう完全に
『残機=残り体力』状態。
(かつノンペナルティ)
イイか悪いかは別にして、
豪快です。
その代わりかどうか分かりませんが、
当ゲームには
『コンティニュー機能』が存在しません。
「ダライアス」の伝統に、
『プレイヤーの位置をまったく無視して我が道を行く、敵の動き』
というものがありますが、ここまで顕著だと
むしろ清々しい
(←きよきよしい) (←違います) ですね。
ほぼ
(つか、もしや完全に?)100%の敵が、
自機「シルバーホーク」がどこにいようがお構いなしに、
画面内の見えないレールに沿ってスルスルーと流れていく様は、正に
回転寿司。
しかもほとんど、上下・あるいは左右対称に編隊が出現するので、
「画面中央やや左」に自機を置いてショットを連射しつつ
チョコチョコ動いているだけで
ほとんどの場面に対応できてしまいます。
単調きわまりありません。
後半になると、
『キャラは違うのに、動きが前半のやつと全くいっしょ』
という手抜きが随所で発生。
当ゲームの製作者の
正気を疑います。
自機の「当り判定」が大きいです。
特に中ボスのショットは、
『当たってないやん』みたいな距離で自機が炎上する事もしばしば。
バリヤである『アーム』も、
敵や壁に触れると信じられないスピードで耐久力が下がり、
アッという間に消滅 ⇒ 自機爆発
というケースが非常に多く、不愉快な緊張感が常に漂います。
当ゲームのような、
「ショットボタンを押さない行為に、何のメリットも無いゲーム」
の場合、必然、ボタンは「押しっぱなし」になります。
で、「ショット」と「ミサイル」が別ボタンなので、
『1つにまとめたいな〜』と思うのが当然の流れですが、
できません。
キーコンフィグが無いから。
親指の第一第二関節で、あるいは人差し指と中指で、
それぞれ2つのボタンを押しっぱなしにするのは疲れます。
1ステージに1回はスタートボタンを押して休憩しないと
耐えられません。
最終ステージでは20体前後(でも種類は5種類程度)の中ボスが、
画面内に平均3体の割合でボロボロ出現してきます。
1体1体が不愉快に硬い上に、ショットの撃ち方が突発的、
しかもショットの当たり判定が前述の通り馬鹿デカいので、
自機がボカボカ撃墜されます。
なんというか、製作者の
『ここまで来れておめでとう。 ところで君、隠しコマンドで
残機を50機に増やしてからゲーム始めた?
え?増やしてないの? ふーん… じゃあ、悪いけど コ・コ・マ・デ。
詳しくは攻略本やゲーム雑誌買って自分で調べな。』
という声が聞こえそうな
ヤケクソ気味の大猛攻。
残機増量コマンドを使わずに生真面目に戦ってきたプレイヤーを足蹴にする、
製作者の姿勢が如実に現れた、
歴史に残る(残すかよ)最終ステージです。
(ちなみに、自機のショットはゲーム中に2回チェンジされる場面があるのですが、
『ウェーブ』に切り替わったらそれを死守したほうが後々有利だと思います。
順当に行けば最終面では『ナパーム』になっているはずですが、
貫通力の無い「ナパーム」は耐久力の高い敵に対して圧倒的に不利なのです。)
■第四章 『まとめ』
スーパーファミコン参入直後のソフトという事もあり、
開発が実力を出し切れなかった部分もあるでしょうが…
とりあえず製作者には、
『シューティングゲームを学びなおせ』
と言いたい気分です。
そういえば後年、
『ダライアスフォース』とかいうソフトがリリースされていたはず。
スタッフの成長を見る意味で買ってみようかな?と考え中の、今の僕です。
(製作チーム自体が換わっている可能性もあるが…)
[戻る]