スーパーファミコン用


『超攻合神サーディオン』


販売: アスミック

プレイ時間 : クリア2回

購入価格: 300円

執筆日: 2006年 10月23日





■第1章 『豪華スタッフ』


『超攻合神サーディオン』は、アクションRPGです。

異なる能力を持った3機のメカを自由に乗り換え、様々な惑星で戦います。



製作に『ガイナックス』が加わり、メカデザインに『カトキハジメ』
音楽に『田中公平』と、各ジャンル屈指の実力スタッフを
結集して作られたことで一部で話題にもなったゲームなので、
「名前だけは知っている」という人もいるのではないでしょうか?



自機性能は以下のとおり。

『サラマンダ』
  人型ロボット。 ショット方向を自在に変更できるため、
  3機中唯一、上方向へのショットが可能。(伏線)

『アルセイデス』
  人型ロボット。
  サラマンダより、ややショットパワーが強いように思われる。

『レオパルド』
  4足歩行ロボット。
  その姿勢のおかげで、他の機体より当り判定が小さい。




また、惑星のどこかに隠された特殊パーツを拾うことで、
各機体独自の特殊技を使えるようになります。
RPGでいうところの 魔法 のような存在ですね。







■第2章 『良いところ』



『田中公平の音楽』

生楽器を得意とする田中公平氏の音楽性から心配したとおり、
スーパーファミコンのデジタル音声では
その魅力が完全に半減しています。

が、原曲のメロディラインのおかげか、くり返しくり返し聞いても飽きません。
ゲーム音楽の何たるかを知る、良質の作曲家の仕事といえましょう。




『ガスガス強くなる自機』

最初は泣くほどヘボいパワーですが、
サクサクとレベルが上がっていき(伏線)
比例して自機もどんどん強くなります。




『ステージのバリエーション』

様々な惑星の様々なフィールドで戦い、
それぞれに特色が持たせてあるため、
見た目にも飽きません。




『生命惑星のボス』

壁中に顔が張り付いていて、各々が個別にショットを撃ってくるので、
最初見たときは「本当に倒せるのか?」と背筋が凍りつく敵です。

が、付近の足場を利用して、ある決まった順番で顔を倒していくことで
無傷で対処できる、攻略の甲斐のあるボスです。

他のボスの単調さに比べて
このボスだけがやけに工夫が凝らされている気がします。
担当企画者が違うのかもしれませんね。







■第3章 『気になるところ』



『レベルアップのヒドさ』

先ほど「サクサクとレベルが上がる」と
書きましたが、それもそのはず。

このゲーム、
経験値80ごとにレベルアップする のです。

そのため、敵からもらえる経験値が上がる後半ほどズバズバレベルアップ!
最初のレベルアップが最もツライという、
前代未聞のバランスになっています。

もちろん、遊びにくい事この上ありません。




『サラマンダ以外はいらない』

3機中唯一「上」へのショットが撃てるサラマンダですが、
出てくる敵の半分以上が空中敵なので、
ほとんどサラマンダでしか対応できません。

他の機体でジャンプしつつ横ショットを撃っても、
ショット自体の上下の攻撃範囲が狭いので、
ほとんど敵に当らないのです。

サラマンダ以外の機体は、レベルを上げて耐久力を上げ、
無敵系の特殊技を使って敵陣を突破する以外、使い道はほぼ皆無です。
サブのエネルギータンクぐらいに考えておくと妥当かと。


そもそも、横ショットが主体の性能にしておきながら、
敵の攻撃が縦方向主体…
 というあたりに、
企画者の根本的な構成力の無さをヒシヒシと感じてしまいます。




『レオパルドは、特にいらない』

4足歩行ゆえ、やや高い位置に飛んでくる敵弾を
かいくぐれるレオパルドですが…

そのせいで、地面よりちょっと高い位置を飛んでいる敵には
ショットがかすりもせず、3機中もっとも
「敵に優しい仕様」になっています。


主人公たちが立ち寄る惑星の中にはそれぞれの機体の故郷があるのですが、
例えばあなたが企画者だったら、
『機体の故郷なら、その機体が最も活かせるステージ構成にする』
ぐらいの発想はしますよね?

ところがレオパルドは、どの惑星でも足手まとい。

上記の「サブのエネルギータンク」として使おうにも、
そもそもショットがほとんど敵に当らないので
レベルアップも困難極まるのです。

とどめにコイツ、生命惑星からの脱出シーンで
胃酸に飲まれて絶命というトホホな死に様をさらし、
しかも直後に最強機体「サーディオン」がチームに合流。


レオを失った悲しさよりも、
サーディオン参戦の嬉しさが100倍ぐらい上なので、
5分後にはレオとの思い出は消滅します。




『やけくそに強い最終ボス』

僕の場合、このゲームの「体力回復アイテム」「特殊攻撃アイテム」て、
必要無いので1つも使わずに残しておいたのですが…

最終ボスでは文字通り全てのアイテムを総動員して、
なんとかかんとか撃退しました。
2回クリアしているのですが、2回とも。

なんか、『全てのアイテムを使い切る』というのが、
最終ボスを倒すためのフラグに盛り込まれているのでは?

と、邪推してしまう…




『細かい難点ぞろぞろ』

「遅くてイライラする自機の動き」

「自機のショットの狙いにくいところをバッチリ突いてくる、
いやらしすぎるザコの動き」

「結局、一定時間無敵系しか使いものにならない特殊技」

「重厚感に欠けるヘボい効果音」

「誰がしゃべっているのか全く判別のきかないメッセージ」

「背景にまぎれて見づらすぎるメッセージ」

「強力なザコでも大して経験値が高くないので、最初のほうの惑星を
延々行き来してレベルアップするほうがはるかに楽で、空しい。」

「惑星に入るときの登場人物のメッセージが毎回いっしょ。
ボスを倒した後に再び訪れてもいっしょ。」


…など、全然こなれていない感じが随所から漂っている。


取りあえず企画書に載っているパーツを全部入れたところで
タイムアップになったので、最低限の体裁を整えて販売しちゃったのでは?

というヤな邪推が脳をかすめます。





結論、ゲームとしては手を出さないほうが無難でしょう。

ちなみに、このゲーム、「サントラ」が出ているという
ウワサを聞いたことがあります。

そっちのほうが100倍ぐらい興味があるよ。






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