スーパーファミコン用ソフト


『パネルでポン』


販売:任天堂          プレイ時間 :「クリア100回以上」

購入価格:1980円         執筆日:2003年 9月25日





■第一章 『名作中の名作』


『パネルでポン』(任天堂)は、
アクションパズルゲームです。(略称『パネポン』


最初に結論から言ってしまうと、このゲームの出来は
明らかに他のアクションパズルと
一線を画しています。


『テトリス』以降、
『何かをそろえて消すことで、画面が埋まって
しまわないように戦いつづけるアクションパズル』

という系統が確立しました。

そして、数多の同系列ゲームを生む事となったのですが…



…あ、ちょっとまとめてみましょうね。


分類 内   容 同系列ゲーム
『テトリス』型 『条件を満たしたものはフィールドから消える』『フィールドが埋まったらゲーム
オーバー』
という、今でこそ「当たり前」と呼ばれるシステムを、この世に生み出し定着させた神様級の作品。
『フラッシュポイント』
『ボンブリス』
『テトリスプラス』
『コラムス』型 「テトリス」の二番煎じと誤解されやすいゲームだが、「パーツが上から降りてくる」という部分以外は、全くのオリジナル作品ととらえて間違い無い。
 意図的に、あるいは偶発的に発生する
『連鎖消滅』が、新たな戦略性と逆転性を
生み出した。
『ドクターマリオ』
『ぷよぷよ』型 …一見、「コラムス」と似ているが、『隣接さえしていれば並んだとみなされるパーツの並びの自由度』や、偶発的な連鎖による
逆転性の高さは「コラムス」以上。
 また、プレイが長引きがちな同系列のゲームの持つ弱点を、『CPUとの対戦』という
アイデアで解決。
 以降のスタンダードとなったシステム。
『対戦ぱずるだま』
『めざせ!戦球王』
『スーパーパズル
ファイター2X』型
『起爆パーツ』というものがあり、これを使わなければパーツが消せない。
 それまでのプレイは、起爆パーツが出たときに効率良く消滅させるための「下準備」に使用する。
 「テトリス」における『狙って、一度に大量のラインを消す』という行為を特化させた
システム
とも言える。
『ヨッシーのたまご』
『ばくばくアニマル』
『くるりんPA!』
『コズモギャング』
…パーツの種類ごとに、「これはこのルールでないと消せない」といった『差別化』がなされているシステム。
 パーツはほぼ2種類に大分され、一方のパーツを処理しつつ、適度にもう一方のパーツを処理するテクニックが要求される。
『ピキ〜ニャ』
『Nu−cell』
『エメラルディア』
『落下中のパーツを、同じ色のパーツの上に置いてやることで起爆』という特異なシステムを持つ。
 この時点でシステムとしてほとんど完成してしまっているため、追随する作品が出なかった孤高のシステム。
該当無し
『マジカルドロップ』型 『上から1列ずつパーツが出現し、それを並べ替えていく』システム。
 用意されたものを自分なりに最大限に活かして、高得点を目指すというアクティブ性は、まさにゲームの醍醐味
『マネーアイドル
エクスチェンジャー』
『パズルボブル』型 …下から配置されているパーツ郡に、パーツを撃ちこんでそろえて消していくシステム。 『ぱすてるみゅ〜ず』
『パネルでポン』型 『下から1列ずつパーツが出現し、それを並べ替えていく』システム。
 用意されたものを自分なりに最大限に活かして、高得点を目指すというアクティブ性は、まさにゲームの醍醐味。
『くるくるトゥインクル』
『 It's a のに〜 』
『グンペイ』



はぁはぁ…

まだかなりありそうだけど、
ここらへんで勘弁してほしいし。

『パネポン』のシステム考察は、「第二章」に持ち越し〜。





■第二章 『システム考察』


…なんか、「アクションパズルの分類」だけで
一章使っちゃっいましたね。 ヤベヤベ。


早速、『パネポン』のシステム考察に入りましょう。

当作品のシステムが、いかに
従来の「落ち物系ゲーム」の弱点をうまく克服し、
確固たるオリジナリティを打ち立てているかが、
ご理解いただけるかと。




『アクティブ連鎖』

『連鎖は、キッチリと準備ができてから開始。
終わるまでは見守るだけ。』
という
「連鎖系落ちゲー」の常識的弱点を見事に粉砕したシステム。

それが『アクティブ連鎖』です。


…なんと『パネポン』では、パーツを破壊して、
その上のパーツたちが落下してくるまで
の間にも、
それ以外のパーツの位置換えが通常どおりにできてしまうのです!

そのため、本来なら小さい連鎖数で終わるところが、
後付けで 3、4、5連鎖… と、
とんでもない連鎖数に成長することすらあります。


キッチリ準備しなくても、
『とりあえずどこかを破壊させておいて、
その爆発中に次の連鎖を探す』
というシステムは、
ただ眺めるだけだった短い破壊時間にすら
プレイヤーの向上の場を見出しました。



真の『新システム』とは、
こういうシステムのためにある言葉なのでしょう。

プレイヤーが、そのシステムを十分に使いこなせるように、
『爆発時間』が長めに設定されている点も見逃せません。




『カーソルシステムの妙』

…当作品では、『カーソルが横に2つ』並んでおり、
ボタンを押すと、この左右のパーツを入れ替えます。

一見、当たり前のシステムですが、あなたは
『なんで縦じゃダメなの?』
と、考えたことは無いでしょうか?

結論から言うと、『ダメ』なのです。


…と言うのも、プレイヤーの感覚的
「縦カーソルなら横」に、「横カーソルなら縦」に、
『パーツをそろえようとしてしまう』からです。

そして、もし、当作品のカーソルが「縦並び」だったら、
部分的に高くなった個所を低く整えるのに
どれだけ大変な思いをするか、想像してみて下さい。

パーツを消すことでしか
積み上がりを低くできない
「縦カーソル」では、
ほんの一ヶ所の積み上がりが致命傷になりうるのです。


…こうやってゲームとして形になってしまうと、
なかなか疑問に思わないものですが、
この形に決定するまでに幾多の試行錯誤があった事を想像すると、
胸が熱くなります。




『2種類のおじゃまパネル』

…たとえ大量の「おじゃまパネル」を送られても、
それらが隣接していれば、
同時に処理(通常バネルに変換)することができます。

これにより、極端に押されても、
最後まであきらめずに戦おうという気持ちになれます。


…また、逆に、
隣接さえしていればイイというシステムだけだと、
上手い人間同士で、大きな連鎖の送り合いで
決着が付かなくなる恐れがあります。

そのため、『!パネル』を消した時だけ
種類の違う「おじゃまパネル」が送られます。

隣接によって同時処理されるのは
『同じ種類のおじゃまパネル』の時だけなので、
タイミング良く「おじゃまパネル」の種類を切り替えて
相手に送るという、さらなるテクニックが生まれるわけです。


初心者に優しく、上級者の向上心も満足させる。
すばらしいアイデアと言えるでしょう。




『統一された演出』

『パステル調の明るい色彩』
『穏やかなBGM・軽快な効果音』
『愛らしいセリフ』
『細部まで凝ったエフェクト』
など、
隅々にいたるまで心地良さで満たされた雰囲気には
本当に驚かされます。

作り手が、『心遣いを形にする技術』
キッチリと習得しているからこそできた仕事だと思います。


…もう私、頭が下がりっぱなしです。




『イラストがちょっと…』

…色々考えて、強いて、強いて当作品の弱点を挙げるとしたら、
『人によって好き嫌いの出るキャラクターイラスト』
ではないでしょうか?

正直、僕も、この独特なキャラには、
最初ちょっと引いてしまった記憶があります。


…今ですか?
今は、ファンです。 えぇ、の付く。






■第三章 『死んでも入手!』


…最後に、このゲームのお薦め度ですが、
『アクションパズルが好き』とか
『システムの出来でゲームを評価する』という方は、
死んでも入手してプレイなさりませ!

つか、義務。


…これを遊んでから他の二流ゲームで遊ぶと、
『それらがなぜ二流なのか?』が、
手に取るように理解できることでしょう。

それこそが、真の名作の持つパワーなのです。
ぜひ、実感して下さい。



…ちなみに今だと、ゲームキューブ
『NINTENDO パズルコレクション』
にも収録されています。

ヤングメンは、ぜひコチラを〜。




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