スーパーファミコン用ソフト


『ハロー! パックマン』


販売:ナムコ       プレイ時間 :「3つ目の目的。トロッコまで」

購入価格:1680円           執筆日:2003年 9月16日





■第一章 『パックマンの「今」』


『ハロー! パックマン』(ナムコ)は、
遠隔操作アクションゲームです。


主人公である、黄色くて丸い二足歩行生物『パックマン』を、
パチンコ(スリングショット)を目標物に当てて注意を引かることで
指示を出したり、目的達成に誘導したりします。

キャラのデザインや構成を見るかぎり、
日本よりも海外販売を主目的に
制作されたゲームかも知れません。



…ちょうどこの時期、不況にあえぐナムコは、
往年の人気キャラ『パックマン』を前面に押し出した
商品展開を行っておりました。

当時、『コズモギャング・ザ・パズル』まで
パックマンのキャラに置き換えていたのには、
感心しすぎて失笑したものです。

この商品展開は、1年ほどで終息しましたが。
まぁ、当然ですね。



『不景気は人を血迷わせるなー』
若い心にしみじみ感じたものです。






…で、今回は異例として、
ゲーム自体を途中で「投げた」(トロッコ難しすぎ)
にも関わらず、この文章を書いています。

つまり、これは「批評」ではありません。


『ハロー! パックマン』なる作品にこめられた哀愁
それのみを伝えるがために、私は筆をとりました。

今回に限り、
システムの良し悪しや評価は度外視!



『パックランド』から10年の時を経て、
結婚し、家庭すら持つようにまで成長した
パックマンの『今』を、あなたに伝えましょう。
(て、このゲームの発売がすでに10年前なんだけど…)






■第二章 『哀戦士パックマン』


…ゲームをスタートさせると、
画面内からパックマンが呼びかけてきます。

操作方法のチュートリアルに入るわけです。


が、その時のメッセージに疑問を抱きました。


『…そうだ! その前に、君がこの世界に慣れるために、
少し練習をしてみよう。 うん! 
それがイイ!

ねっ! 
そうしよう そうしよう!




なぜ、こんなにも
『プレイヤーをリードしたがる』
のでしょう、パックマン?

その疑問は、ゲーム本編に入ることで氷解します。





◆ミッション1 『ミルクを手に入れろ』

…泣き止まないパックベイビー(娘)のために
『ミルク』を取りに行くことになるパックマン。

しかも自発的にではなく、奥さんの命令で。


『お前が買ってこい!』
とは言えないパックマン、しぶしぶ外へ。




…ところが、我が家の敷地を1歩出れば、
そこは冷たい世間。

石につまずき、犬に吠えられ、カラスにつつかれて、
ストレスは溜まる一方。

じょじょに顔つきが険しくなり
行動が粗野になるパックマン。


なんとこのゲーム、
パックマンの機嫌が悪くなると
行動全般の成功率が激減してしまうのです。



…結果、イラついたプレイヤーからの
スリングショット攻撃
がパックマンを襲います。

怒りをあらわにするパックマンですが、
しょせんはテレビの中の住人。

逆らえば逆らうほど降り注ぐ、
プレイヤーによるショットの連打・連打・連打… 





意気消沈してダラダラ歩くパックマン。


そんな彼の眼前に、
突如としてモンスターが出現します。

旧作のように『触れて死亡』することは無いのですが、
逆転アイテムを持っていないときは一方的に脅されて、
パックマンのテンションは一気に激減します。

最後は真っ青になって失神する始末。
あざ笑いを残して去っていくモンスターたち。

このまま放っておくとゲームオーバーになるので、
プレイヤーはパックマンを起こします。



…スリングショットを当てて。
寝てんじゃねぇぞゴミ! 役立たず! ビシビシビシビシ…




愛を微塵も感じさせない、
砂漠のような、パックマンとプレイヤーの関係。

僕たち、どこで道を間違ってしまったんだろう?





牧場のダンナに怒られつつも、
ほうほうのていで、牛から『ミルク』を分けてもらい、
パックマンの散々な1日が終わりました。






…今なら、チュートリアルで
あれほどプレイヤーをリードしたがった
パックマンの心境が理解できます。

彼は怖かったのです。


底々の実力と、底々の社会的信頼
そんなものしか持たない彼にとって、
相手に自分の実力を看破される事が、いかに致命的か。

精一杯自分を立派に見せ、
見栄と勢いで固めることでしか、
彼は立場を維持できなかったのです。




…しかし今や、それすらプレイヤーに見破られました。


四面楚歌。

これ以上、パックマンに相応しい言葉はありますまい。






■第三章 『続・哀戦士パックマン』



◆ミッション2 『お花を手に入れろ』

お隣の娘さん「ルーシー」のために、
山奥から『花』を摘んでくることになったパックマン。

えぇ、もちろん、奥さんの命令で。


バカ笑いしつつテレビを見ていたパックマンが
奥さんに命令されたときに見せる『半泣き顔』
素晴らしいです。




…しかたなく山に行くために駅を目指すパックマンに、
再び世間が襲いかかります。

石につまずき、犬に吠えられ、
カラスにつつかれて、牧場のおじさんに怒られます。



公道すらまともに歩けないパックマンの姿に、
日本の有名な漫画のダメ少年がダブりますね。

でも、どんなに現状を嘆いても
ネコ型ロボットは助けに来てはくれません。


悲しい現実を恨みつつ、パックマンの冒険はつづきます。






…山に到着したパックマン、駅から出たところで、
いきなり落石にあって死亡です。


2度目は、なんとか落石を回避したものの、
その先に落ちていた木の実を食べてヘベレケになり、
近くの泉に落ちて溺死しました。


呪われているとしか思えません。




…なんとか峠の斜面を見つけて、
ハンググライダーで進むことにします。

何度かの墜落死の果てに、
ようやっと次の森への移動に成功するパックマン。


ここでも、蜂に襲われたり、
崖から転落死したり色々ありましたが、
なんとか『花』のゲットに成功しました。




…意気揚揚と帰宅すると、奥さんに花を引ったくられて、
まるで彼女が摘んできたような雰囲気で
ルーシーにプレゼントされてしまいました。


藤子Aの漫画だったら、この奥さん、今夜惨殺されるね。






■第四章 『最後に』


『批評はしない』と言いましたが、
どうしても気になったので付け加えておきます。
(このゲームで遊ぶ人の攻略の足しになるかもしれないし。)



…このゲームではですね、
『絶対に余計なことをしてはいけません』。


マニュアルには
『クリアに関係ないところでも色々試してみよう!』
みたいなこと書かれてますが、だまされちゃダメ。

全部とは言いませんが、7割以上が罠です。



ちょっと小枝をゆすったせいで毛虫に襲われたり、
バケツを叩いたらモンスターたちに襲われたり、
木の実に興味を示したせいで水死したり… 

とにかく正解を見つけたら、
余計な物には決して手を触れないこと。



ガラスのような『パックマンのテンション』を守るために、
それだけは憶えておきましょう。

以上!




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