スーパーファミコン用ソフト
『Power(パワー)倉庫番』
販売…任天堂
購入価格 600円
■第一章『衝動買い』
…秋葉原のトキワ無線のワゴンセールで見つけた
『Power倉庫番』を衝動買いしてしまいました。
正直、
『倉庫番』というゲームは要領がいまいち飲み込めず、
学生の時分から何度も挑戦しては途中で挫折してきた
苦々しい思い出にまみれた作品でありました。
しかし、苦手だからといって敬遠していては
幅広いゲームシステムへの理解と習得はかないません。
これも
「前に進むべき試練」と考え、
勉強の意味も兼ねた衝動買いに至ったわけです。
決してパッケージの
猫又のイラスト(↓)欲しさからの
行動ではございません。
決して。
■第二章『システム』
…当作品は、基本的には古典的名作
『倉庫番』を
ベースとしたゲームシステムとなっております。
主人公の目的は、西洋のモンスターたちが
日本侵略のための通路として開けた地面の
『穴』を
『岩』によってふさいでいく、というものです。
具体的には、
画面内に開いたたくさんの『穴』に、
倉庫番の要領で『岩』(倉庫番の「荷物」に該当)を運んではめ込み、
全ての穴をふさげばクリアです。
さて、当ゲームが原作『倉庫番』と
異なる点は3つあります。
1つは、
『敵が存在するという事』。
一定時間ごとに、ふさいでいない穴から
モンスターが這い出してくるのです。
と言っても、主人公が押している「岩」で簡単に押しつぶせたり、
主人公が撃てる「通常ショット」(段数制限なし)で軽々と倒せるため、
ほとんど障害になりません。
むしろ、適度にジャマされる
「緊張感」と、
簡単に倒せる
「爽快感」の2つが付加されて
とてもイイ感じです。
2つ目は、
『ふさいだ穴の上を通過できる事』。
原作
『倉庫番』では、指定ポイントまで運んだ荷物でも、
後から移動しなおしたり、逆にいえば、
障害物であり続ける可能性もあるシステムになっておりました。
が、当作品では、
一度『穴』にはめこんだ『岩』は二度と動かせません。
そのかわり、埋められた穴は通常の床と同じあつかいになり、
上を通過したり、別の岩を運ぶ通路に使える
という自由度が備わったのです。
そして最も大きな3つ目の変更点は、
『パワーショットが撃てるようになった事』でしょう。
驚くなかれ、このパワーショット。
撃った後に弾道を自由にコントロールできる上に、
これを岩に当てると1マス分移動させることが可能なのです。
これによって当作品は、『倉庫番』という名を受け継ぎながらも、
よりアクション要素の強い「異なるシステムのゲーム」へと
変貌を遂げているのです。
なお、このパワーショットを誘導している間は
主人公は
移動することができないため、
使いどころに一工夫がいります。
…ちなみに、前述の「通常ショット」(段数制限なし)では
岩を動かすことはできません。
これは恐らく、
「敵を倒そうと思って撃ったショットで、
うっかり動かしたくない岩を動かしてしまう」
といった失敗を回避するための処置ではないでしょうか?
よく考えられたシステムだと思います。
…以上の変更点を見てみると、製作者はパズルマニアよりも、
むしろ
パズル初心者に向けて当作品を送り出したように思えます。
難度を下げ、アクションとしての快感を軽くブレンドした
『パワー倉庫番』。
前述の通り『倉庫番』を苦手としていた私ですが、
もう1面、もう1面… と憑かれたように遊びつづけて、
気が付けば
全ステージ(約100面)を一晩で解き終えておりました。
■第三章『少々難点など』
…ではここで、当ゲームについて感じた難点などを少々。
まず、
「全体的に画面に飾り気がなくさびしい事」。
デコレーションにまみれたゲームが
見づらく遊びにくくなることは承知していますが、
それにしてもちょっと寂しすぎるように思えます。
…また、「延々パズルを解いていくだけ」という展開に
変化を付けるために置かれていると思われる
『アイテム』ですが、
種類が少なすぎるように思えます。
例えば、直接ゲームクリアに関係しない「わき道」のステージに、
『宝物』やら何やらを配置してみるのも、
基本とは言えコレクション欲を刺激されるものです。
加えて、パズルにほとんど関係無い「ザコ敵」を
より簡単に倒せるよう、主人公の通常ショットが
『爆発範囲が広くなる』
『2〜3体貫通できる』
といったパワーアップのアイテムが欲しいところです。
手間をかけたプレイヤーほど後々報われるでしょうし、
実際のパズルの難度にはそれほど大きな
影響を与えない程度のパワーアップですので、
『倉庫番』としての魅力は損なわないと思います。
■第四章『さいごに』
…たまたま衝動買いした当ゲームですが、
思いのほか丁寧な作りの作品だったので驚いたり喜んだりしています。
これを機に、元祖
『倉庫番』にも改めて挑戦してみようかと考えたりも。
ただ、当作品の難度は低いので、
パズルゲームマニアには少々物足りないかも知れませんね。
『倉庫番』初心者には胸を張ってお薦めします。
あと
『猫耳』を愛するアナタにも。
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