スーパーファミコン用ソフト

『平成 新・鬼ヶ島(前後編)』


販売 任天堂 (開発:PAXソフトニカ)    プレイ時間 「クリア1回」

購入価格 1000円(前後とも)     執筆日:2003年 3月7日





■第一章 『立場を変えて』


『平成 新・鬼ヶ島』(任天堂)は、
昔懐かしのコマンド選択式アドベンチャーゲームです。


その場面で自分が取りたい行動を選択して入力しつつ
(「道端の石を調べる」「壁に書かれた文字を見る」など)
アイテムや情報を入手、それを駆使して先に進むというシステムです。
(昨今のヤングには馴染み薄いシステムだと思うので、一応、説明をはさみました。 親切ー。)



(で、最初に断っておきたいのですが、このゲームで遊んだのは『1年半』も前なんです。
うっかり、批評を書かないままこんなに月日が経ってしまって…
なので、忘れたり勘違いしていたりする部分も出てくるかも知れません。
この批評を読んで、そういった部分を見つけられた方はご指摘ヨロシク。)






…さて、このゲームで特筆すべき点ですが、
なんとあのファミコンディスクシステムの名作ソフト
『新・鬼ヶ島』がオマケで遊べてしまうというのです。

ガーーン!


(…て、すいません。 ディスクシステムは当時ほとんど
ノータッチだったため、知りませんでした、このソフト。)






で、『平成版』自体の内容は? と言うと…


旧作の主人公「桃太郎」と共に鬼を倒した
『犬・猿・キジ』の立場・視点から、旧作の冒険を再経験する
というシナリオになっています。

これはつまり、前作を解いているプレイヤーにとっては、
『前作のこの場面では、お供の「犬」は○○という行動を取っていた。
だから、今「犬」になっている自分も、○○を起こすためには
どうすればイイかを考慮して動けばイイ。』
というふうに、
前作それ自体が『ヒント集』になっているわけです。


前作ファンに向けた、実ににくい構成と言えるでしょう。






■第二章 『色々』


…ではでは、各種システムについての批評に入りましょう。
これ以降の評価は、『平成版』のみにしぼって行ないます。



『ファンファーレ』

…話を先に進めるのに必要な「謎やアイテム」
突破・入手したときに『ファンファーレ』が鳴るようになっています。

これは、達成感が増す良いアイデアだと思います。



『墨絵風の絵柄』

…昔話の雰囲気が出ていてイイ感じです。





『アクション部分』

…たまに入るアクション部分 (柱の影に隠れる、など)
タイミングが結構シビアで辛かったです。



『トライ&エラー』

…何度か失敗をくりかえして正しいルートを見つけていく所が
結構多く、その部分の流れの悪さが気になりました。



『やるべき事は分かってるのに…』

…選択式アドベンチャーゲームの弱点なのですが、
『やりたい事、やらなければいけない事は分かってるのに、
それを実行するための選択肢が無い (あるいは出てこない)』

のは、非常にイライラします。






■第三章 『まとめ』


…それ以外に気になった点としては、
『平成版の最後に出てくるクイズ(約40問)には、
制限時間はいらないのでは?』

『全体として感じるボリューム不足。
前後編に分ける必要はあったのか?』

などです。



…最も気になるのは、
『のんびりした穏やかなストーリーに反して存在する、
難解なナゾと、厳しいアクションモード』。


このゲームを製作された方は、
どういったユーザー層に向けて
このゲームを販売したかったのだろう?

と考えると、首をひねらざるを得ません。





…全体的には丁寧な作りのゲームですし、
これだけ多彩な昔話を『1つのストーリー』にまとめあげた手腕は、
素直にすごいと思いますが、
それ以外に特に飛び抜けた部分が無いのも事実です。

『ディスクシステム版』同梱を考慮して、
全体評価は『B』といった所でしょうか?


『ディスク版』に興味の無い人には
お薦め度は半々かなー?




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