スーパーファミコン用ソフト


『Pop'n ツインビー』


販売:コナミ                プレイ時間 :「クリア1回」

購入価格:980円           執筆日:2003年 9月14日





■第一章 『続編?』


『Pop'n ツインビー』(コナミ)は、
縦スクロールシューティングゲームです。


『コミカルなキャラクター』
『雲の中に隠れたベルを撃って好みのパワーアップ
アイテムに変化させるシステム』
など、
80年代中頃にして、その非常に高いオリジナリティを誇った
オリジナルであるアーケード版『ツインビー』

そのシリーズ中の1作です。




…オリジナルと目立って異なる点としては、
以下が挙げられます。


『家庭用ゲームなので、横画面構成になった。』

『近距離攻撃手段として「パンチ攻撃」が加わった。』

『地上へのボム投下は、自機のみからとなった。』

(オリジナルでは、分身からも投下された)

『体力メーター制になり、「残機」の概念が無くなった。』

『「分身」パワーアップは、1体ずつ増える。
ダメージを受けるたびに、1体ずつ消える。』

『ベルが「パワーアップアイテム」になった後、
2〜3発弾を当てないと色が変わらないようになった。』

(それにより、オリジナルにあった
『うっかり撃ちすぎて、なかなか好みのパワーアップが取れない』
という難点を克服している。)



ここまでシステムが変わっていると、
続編というよりも、むしろ『新作』と言えますね。






■第二章 『爽快感の欠落』


…新しい試みは評価したいです。

でも、シューティングゲームとして見たとき
爽快感が乏しいのです、このゲーム。


その原因を、以下に列挙します。
旧作から引きずっている難点もありますが、
一緒くたに並べてみますね。




『横画面の弊害』

…ゲーム画面を「横画面」にしたせいで、
せっかくのアイテムがすぐにスクロールアウトしたり、
離れたところのベルを取り損ねることが多い
です。

これは、「横画面」にしたのが悪いのではなく、
オリジナルの「縦画面」の感覚そのままに
ゲームを作ってしまっているのが原因ではないでしょうか?





『ベルが邪魔』

…画面内を飛び交っている「パワーアップベル」も、
敵同様『ショットに対する当り判定』を持っています。

そのため、画面内に大量のベルがでるシーンでは、
その後ろのザコまでショットが届かず、
思わぬダメージを食らってしまう
事があります。

ベルを避けるように撃つこともできますが、
当然まどろっこしい展開になってしまいます。




『敵配置』

自機は「前方への攻撃」がメインなのに、
敵が横や後ろからジワジワ〜と出現する場面が多すぎます。

彼らが前に回りこんでくるまでは、
必然『避け』中心のゲーム展開となり、イライラします。




『地上か? 空か?』

…両者にコレといった識別手段が無いため、
慣れていない頃は攻撃手段を間違えて
時間をロスしてしまう事がよくありました。

予備動作の大きい「ボム投下」のミスは、
投下が自機からしかできない事も相まって、
以降の展開を悪化させる事がたびたびあります。





…まとめてみると、爽快感の無さもモチロンですが、
『自機性能やシステムを考慮した敵配置になっていない』感じで、
製作者自身のシューティング企画力をちょっと疑ってしまいます。






■第三章 『夢の跡』


…ところで、このゲーム。 時期的に、
『ウインビーの国民的アイドル化計画』
の一端として販売されたと考えられます。


「そんな計画、知らん」というのが
大多数の方々の感想だと思うので、ちょっと説明を。




『ウインビー 〜 計画』とは、
バブルがはじけて世の中が傾きだした90年初めごろ、
取りあえず手っ取り早く収入に結びつくヲタクどもから
金を巻き上げるために、コナミがブチ上げた企画です。(多分)

『ツインビー』のゲーム中に出てくる「2号機」(ウインビー)
パイロットとして、萌え萌えアニメ顔少女を設定し、
『その子のイメージアルバムやドラマCDを売りまくったらんかい』
という、コンセプトによるものでありました。



それまでの硬派シューティングメーカーとしての
コナミの「ブランドイメージ」「ファン」(俺含む)
完膚なきまでに葬り去った
ある意味男気あふれまくる決断でありました。


その結末については私の口からは申し上げにくいのですが、
秋葉原の中古CDショップで最も目に付くゲーム音楽CDが
『ウインビーのドラマCD』という事実から
大方を察していただきたい。





…最後に、当ゲームのBGMは非常に秀逸であり、
『かくいう僕も、音楽CDだけは買いました』という告白を、
音楽製作者の名誉のために付け加えて
批評のシメとさせていただきます。




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