スーパーファミコン用ソフト

『ポピュラス』

販売…イマジニア      購入価格 3500円ぐらい

執筆日:2002年 6月4日





■第一章『子らよ、地に満ちよ』


『ポピュラス』(イマジニア) は、いわゆる海外ゲームです。

アチラの人達は、時々とんでもなく奇抜なアイデア
ゲームを出してくるので油断ができないのですが、
このゲームではプレイヤーは『神様』を演じます。



そして、『我はキ●リストの生まれ変わり…』とか
口の中でモソモソつぶやきながら、新宿とか渋谷あたりの
公園に住みついて、どこへとなく座り込んでは焦点の定まらない
眠そうな目で一日を過ごし、ときどき異臭を放ちつつ
山手線に乗り込んで駅のホームのゴミ箱から雑誌をあさり、
それを無断で道端で売って細々と生き長らえ、
たまにお巡りさんに叱られつつ、
『いまに余の偉大さに人類がひれ伏すであろう…』
とかモソモソつぶやきながら、人々の賞賛と尊敬のまなざしを
浴びている自分を妄想して薄ら笑いを浮かべるゲームです…


て、ウソもここまでスラスラでれば立派なものですね。



ゴメンなさい。

本当のゲーム内容は以下のとおりです。




『神』となったプレイヤーの当初の目的は、そのステージの
地上で人間たちが繁栄しやすいように便宜を図ることです。

険しい山々を削り、海を埋め立て、荒地を整えて、
ドンドン平地を広げていけば人間は繁栄することができます。

これらの動作は、ただ地形を上げ下げ (隆起・沈下) させて
平坦に整えればイイだけなので簡単です。
(それでいて、結構クセになります。)



…平地が増えるにしたがって、
今までは狭い土地にムリに建っていた小屋が、
やがては大きな屋敷になっていきます。

住居が安定すると、人々は『家の中で繁殖』(←問題発言) し、
家からあふれ出た者別の土地に歩いていって、
平地を見つけて新たな小屋を建てます。




…このようにして、

平地を作ってやる

人々が増える

生活範囲が広がる

広がった所をまた平地にしてやる…


をくり返すことで、人々は繁栄していくのです。



人間が増えれば『神』の行なえる
「奇跡」(後述) の種類も増えてきます。





■第二章『2つの意思』


…さて、人類の数がある程度増えてきたら、
人々に『合体』を指示します。

これによって、2〜3人の人間が融合して、
新しい1人の人間として生まれ変わるのです。

複数の人間が融合すれば当然人の数は減りますが、
環境に強い人間になれるのでオススメです。



…と言うのも、最初のほうのステージではそうでも
ないのですが、場所によっては環境が苛酷で、
(山岳地帯だったり、北国だったりする)
家を建てられる平地を捜して歩いているうちに
人間が力尽きて死んでしまう事があるからです。





…いえ、実はそれだけではないのです。

人類が増え、ある程度準備が整ったら、
本来の目的を果たすために『神』人々に命じるのです。




『戦争』を。



…実は『神』は1人ではなく、
コンピュータが操作する『もう1人の神』が、
同じステージの別の場所で、
プレイヤーを倒すべく着々と手下の人類を増やしているのです。



ステージ全体を映し出す「縮小マップ」に目を移せば、
地表には「プレイヤー側の人類」を示す青い点と…

「敵対する人類」赤い点がひしめき合っている事でしょう。




「戦争」を始めるのに、決められた時期はありません。

『神』であるプレイヤーが望む望まないに関わらず、
ある程度まで両者の生活圏が接近すると、
相手側の人間を見つけて勝手に小ぜり合いを始めるからです。


戦闘が始まると、たとえ、画面外での小ぜり合いでも、
剣が交わる「チャリンチャリン」という効果音が鳴るので、
すぐ分かります。



…音を頼りに現場に駆けつけると、人々が争い、
せっかく建てた家は燃えています。



さあ、今こそ、人類の繁栄によって
溜まりに溜まったパワーを開放し、
『神』の奇跡を披露するときです。




…まずは近くの人間全員に『合体』を指示し、
強力な人間を1人作り上げます。

そして、彼に『戦士』の称号を与えるのです。



『ゥアン』という独特の効果音が響き、
「戦士」に生まれ変わった彼は、
猛然と敵の集団におどりかかり、
次々と彼らを血祭りにあげてくれます。



近くに敵がいなくなっても、戦士の殺戮は終わりません。


体力の続く限り、野を超え山を越えて敵の集落を探し出し、
家を焼き払い、住民を殺してまわるのです。



なんと頼もしいことでしょう。



『神』である私も、
彼のために手伝えることが他に無いでしょうか?




あります。

ありがたい『神』の力を使って、
敵の街中『山脈』を作るのです。



平地が無くなると家が消え、その中に住んでいる人々は
強制的に追い出されてしまいます。


しかも、外は過酷な高山。


環境に耐えられず、
バタバタと倒れては消滅していく敵側の人間たち。




…それでも、残った平地を見つけて小さな家を建てる人々には
『毒の沼』で追い討ちです。

沼にはまりこんだ人間は、ゴボコボという音をたてて沈み、
2度と浮いてくることはありません。



そして、数々の災難からかろうじて生き延びた人々
小さな集落を、完膚なきまでに焼き払う
プレイヤー側の『戦士』。




正義のためなら大虐殺も辞さないゲーム内容は、
さすが 気狂いアメ帝 心が真っ直ぐなアメリカ人
作っただけの事はあります。



日本人にはマネできませんね。 えぇ。



いろんな意味で。




( …とか書いてたら、後日、たまたま当HPを訪れられた「Chika」様より、
『ポピュラスはイギリス製ですよ』 というご指摘をいただきましたー。

ひいいぃぃ、恥!

なので、この批評をごらんの皆さんは、
『アメ帝』⇒『大英帝国様』 と変換してお読みいただきたく。

…と言っても、ココと、閉めの部分にしか出てこないんですけどね。)







■第三章『1000回遊べるSLG』


…なんか筆者がヒートアップしてしまい、批評というより
実況中継のようになりましたね、第二章。


申し訳ない。



…話をシステムに戻しますが、
このゲーム、なんと全1000ステージもあります。

で、プレイしたステージでの成績がイイと、
それに応じて途中のステージが飛ばされ、
ドンドン先に進むことができるのです。



しかし、当然、先に行くほどステージの難度は上がります。




第二章のような破竹の快進撃が楽しめるのは、
せいぜい100ステージあたりまで。

それを超えると、プレイヤー側にとって
ドンドン不利な設定になっていきます。



自分は『毒の沼』が使えないのに、敵の神は使えたり。



…私が力尽きたステージ200あたりでは、
『戦士』すら作らせてもらえない (敵側は作れる)
という地獄の設定。


一体どうやって勝てと言うのでしょうか…





…自分側の、たった数10人の人間が、北国の吹雪の中で
小さな村を作って、なんとか細々と生きている
というのに、
遠くから『ゥアン』という音が響きます。


敵側で『戦士』が生まれた音です。


…でも、何もできない村人たち。




続いて響く『ゥアン』の音。


家の中で震えて待つしかない村人。




2、3度たて続けに鳴る『ゥアン』。



どうしろというのですか、神よ。


神はアンタだ
 





■第四章『まとめ』


…と、まあ、ヒドい事も書きましたが、
ゲームアイデアとしては実に秀逸です。


もう1ステージ、もう1ステージ…
と、やめ時を見失って熱中する面白さです。



…なにしろ私自身がプレイしていた当時 (90年ごろ)
途中でチラリと見た時計が「深夜0時」を指しており、
ちょっとプレイしてから改めて時計に目をやったら
「朝8時」になっていて
悲鳴をあげそうになったほどですから。




…改良の余地・不満があるとすれば、

『ゲームシステムは独特なのに、マニュアルでの説明が不十分』

『元々がマウスで遊ぶゲームなので、
十字ボタンでの操作に慣れがいる』

『ステージ情報が英語なので、慣れないとわけが分からない』


…という所でしょうか。



特に、最初は何をどうすればイイのかが全く分からず、
時間ばかりを浪費したものですが、そこら辺がいかにも
『プレイヤーに不親切な海外ゲーム』らしいですね。



システムは結構いいゲームなんですから、間口を広げて、
より多くの人に「良さ」を伝えてほしいものです。


分かったか、ア●メ公。




…言い過ぎですな。



頑張れよ、俺も負けねぇぞ。 米国人。




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