スーパーファミコン用

『ミステリーサークル』


販売: ケイ・アミューズメントリース

プレイ時間 : 2時間

購入価格: 480円

執筆日: 2005年 10月15日





■第一章 『つぶれた砲台』


『ミステリーサークル』(ケイ・アミューズメント)は、
アクションパズルゲーム?です。


見た目が、まんま『テトリス様』、といった感じのフィールドに、
4〜10個程度のブロックの組み合わせでできた「パーツ」が
ボロボロ降ってくるので、上まで積みあがらないように消していく
ゲームです。

ここまで聞けば、ちょっとゲームを知ってる方なら、
『よくある落ちゲーかな?』と気をゆるめがちですが、
ダマされてはなりません。

落下してくるこれらのブロックを、
プレイヤーは一切コントロールできない
のです。



代わりに、フィールドの最下段には
『インベーダーゲームの砲台を踏んで平べったくしたような物体』が。
見失いがちですが、こいつが主人公の『POPO』

プレイヤーは、こいつで画面内を縦横無尽に動き回り、
フィールド下部に積みあがった、あるいは落下中のブロックの外周にそって動き、
『その軌跡でブロックを囲む』ことで消すことができるのです。

ブロックの外周に触れた部分が赤色になるので、要は、
赤色の部分でブロックをグルリと囲めば消せる、という事ですね。



自機の移動は『移動制限の無いヴォルフィード』と例えれば、
往年のゲームマニアは何となくピンと来るのではないでしょうか?







■第二章 『独自性』


「外周を囲んで消す」というルールは、
パーツが高く積みあがっても変わりません。

つまり、「正方形のパーツ」3つを1つ1つ消すよりも、
縦に3つ積みあがって長方形になってから消したほうが
『移動距離を減らせる』分、消滅にかける手間をショートカットできる
わけです。



また、パーツの中に「隙間」がある場合は、
そこの外周も赤にしないと消せません。


その場合は、パーツの中に潜っていく事ができますが、
移動速度は極端に遅くなります。



積み上がってから、少ない手間で囲むか?
空中で早めに手をうって、後々の布石とするか?

ここが、この作品のゲーム性の中核と言えるでしょう。







■第三章 『良いところ』


このゲームには、ハッキリ言って「良いところ」しか見当たりません。
以下に、その素晴らしさを列挙しようと思います。




『音楽』

「メロディ1ライン」+「ドラム」手抜き シンプルな構成には、
原始への憧憬がにじみます。

目を閉じ、深く息を吸い込めば、脳裏に広がるは、
DNAが記憶する時間の彼方の大地。

CD化、激希望です。




『背景』

背景は、基本的に黒一色。

ステージが始まると、画面のはるか奥に
平に置いてある星雲の写真が、拡大しつつ起き上がってきて背景に。

無限遠を表現しきったコンピュータグラフィクスに乾杯 (棒読み)




『空中のパーツ』

自機は「1ドット単位」で移動、
パーツは「キャラクタ単位」で落下するため、
落下中に横の外周を囲むのは至難の業

「生き方の異なる人間同士が相容れることの苦難」を思い、
ソッと涙をぬぐう僕がいます。




『バランス』

落下中のパーツがまだ画面内にあるのに、
容赦なく2個目3個目のパーツが降ってくるアイディア
は斬新で、
みるみる積み上がるパーツの脅威に己の無力さを再認識せずにはおられません。

焼け石に水の破壊力のボンバーにも、
昨今のシューティングゲームの在り方を問う
熱いメッセージ性が光ります。

我々はもっと謙虚であらねば! 襟を正す思いです (棒読み)






…まあ、要は、

『企画者が思いつきを形にしたら根本的にゲームになってなくて、
周りのスタッフからもカスゲー・ゴミゲーと罵られたが、
「面白さの感じ方は人それぞれだ」とか身もフタも無い理論を小脇に抱えて
開発期間を走りきったら、どうみてもベータ版にはほど遠い、
えもいわれぬ汚物がゴールテープの向こうで待っていました グヘッ』


…みたいな感じ?



僕も今まで色んな珍妙なゲームを批評してきましたが、
このゲームは歴史に残るね 残したくもないけど。

中古価格480円でこれを買った僕ですらこんなに不愉快なのだから、
定価8800円で買ってしまった御人の心中や、いかばかりか?




企画者もろともダイナマイト自殺していないか心配。(すこし楽しみ)





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