スーパーファミコン用ソフト

『スーパーアレスタ』

販売…東宝 (開発…コンパイル)        購入価格 2000円程度

執筆日:2002年 8月15日





■第一章 『シリーズ』


…ゲームには、ジャンルごと
「代名詞」とでも言うべき人気シリーズがあるものです。

たとえば、「RPG」なら『ドラクエ』(ENIX)
『ファイナルファンタジー』(スクウェア) といった風に…


もちろん「シューティングゲーム」にもそれはあり、
全盛だった1985年〜1990年ごろでは、
『グラディウス』(コナミ)、『ツインビー』(コナミ)、
『ダライアス』(タイトー)
などが有名所でした。




…で、そんな大手メーカーの華やかな商品展開の影で、
けっこう地味だけどシッカリしたシリーズを確立し、
ユーザーの支持を得ていた中規模メーカーの作品がありました。

『サンダーフォース』(テクノソフト) や、
『アレスタ』(コンパイル) などが、それです。




…今日、紹介する『スーパーアレスタ』は、言うまでもなく
『アレスタ』シリーズに属するシューティングゲームです。

他機種で培(つちか)ってきた『作りのうまさ』が実感できる秀作ですので、
運良くお店で見つけたら、ぜひ購入してあげて下さい。


どんなゲームかは、以下をお読みくだされー。






■第二章 『一覧』


『スーパーアレスタ』は、縦スクロールシューティングゲームです。


…で、批評に入る前に、今回はちょっと趣(おもむ)きを変えて、
当作品の『ステージ構成』『ショットの性能』について
最初に説明を入れておこうと思います。

と、言うのも、このゲームは
「全12ステージ」「8種類のショット」を使い分けて戦う、
たいへんボリュームのある作品だからです。


正直、批評する僕のほうがこんがらがりそうなほどなので、
「覚え書き」「紹介」の2つの意味で、一覧にしてみました。




◆ステージ表

ステージ 内      容
ステージ1

「空中要塞」
 敵・障害物とも、それほど多くは無い。
 パワーアップアイテムもたくさん出る。
ステージ2

「宇宙要塞」
 数ヶ所に「大量に弾をばらまく砲台」がかたまっている場所があり、これを効率良く叩けないと苦しい。 
ステージ3

「ボーナスステージ」
 特に無し。
ステージ4

「火炎エリア」
 いきなり炎を伸ばしてくる「噴射口」と、壁のように火炎バリア (撃って壊せる) を残していく「戦闘機」をうまくさばけるかどうかが勝負の分かれ目。 
ステージ5

「岩壁エリア」
 ステージのほとんどが「岩」で覆われており、そこを削岩している敵に道を作ってもらいながら進むステージ。
 自分のショットで壊せる岩もある。
岩をすり抜けてくる敵の動きを予測して避ける必要がある。 
ステージ6

「ボーナスステージ」
 特に無し。 
ステージ7

「宇宙基地」
 壊した壁から、四方八方に「破片」(壊せる) が飛び散るので、これに対処できるかどうかが生死を分ける。 
ステージ8

「アステロイド」
 所々に、「壁で囲まれた内側」から弾を撃ってくる敵がおり、すばやく壁を打ち崩して内部を攻撃しないと、苦戦する。 
ステージ9

「ボーナスステージ」
 特に無し。 
ステージ10

「空中要塞(2回目)」
 基本構成は「ステージ1」と同じだが、敵や壁が増えたりして強力になっている。 
ステージ11

「高速スクロール」
 壁が入り組んだ場所を、高速で駆け抜ける。
壁には、壊せるものと壊せないものがある。
 壊せない壁の袋小路に入ってしまうと確実に死ぬ。 
ステージ12

「生体エリア」
 巨大な細胞が連なって、壁のように立ちはだかるステージ。
 壁に無関係に近付いてくる敵がいるので、早めに進路を切り開く必要がある。 





◆ショット表

ショット 基本性能 「Rボタン」による性能切替
@「バルカン」  威力の弱いバルカンが連続して直線に飛ぶ。  発射方向を切り替える。
「前方集中」「全方位」「前方拡散」などが選べる。 
A「レーザー」  棒状のレーザーが、広がりつつ前方に飛ぶ。  レーザーにホーミング能力が付く。
 反面、レーザーが「1本だけ」になるので、撃ったレーザーが消えるまで自機が全く攻撃できなくなる。
B「サークル」  自機の周りを、巨大な「エネルギー弾」が周回する。
 エネルギー弾に触れた敵は大ダメージを受ける。 また、サブショットとして、前方に弱いショットも撃てる。
 弾の周回を一時的に固定できるので、敵に接近してエネルギー弾をぶつけて大ダメージを与えやすくなる。
C「マルチショット」  自機の「移動方向の反対側」に、中ぐらいのパワーのショットを撃つ。  「Rボタン」を押している間、現在のショット方向を固定できる。
D「ホーミングミサイル」  ホーミング能力を持ったミサイルを複数発射する。  ミサイルの発射方向が変わる。
E「極太レーザー」  ショットボタンを押さずにいるとエネルギーがチャージされ、押すと、溜めていた時間に比例した「大幅のレーザー」が前方に発射される。
 チャージには上限がある。
 また、サブショットとして「幅の広いバルカン」が前方に発射される。
 サブショットが撃てなくなる代わりに、「レーザーのチャージ」が早くなる。
F「オプション」  『グラディウス』(コナミ)の「オプション」のように、自機の動いた後を追いかけて(トレースして)動く「エネルギー球」が付く。
 これに触れた敵はダメージを受ける。 また、マルチプル自体からも弱いショットが撃ち出される。
 「マルチプル」のトレース機能をカットして、自機に対する位置を固定することができる。
G「クラッカー」  大きな球状のショットが前方に飛ぶ。 着弾後、破裂して全方向に弱いショットを撒き散らす。  撃ち出した球状ショットが、着弾するまで、自機の左右移動にあわせて横移動する。







■第三章 『総評』


…まず、各ステージが、
どのショットでもなんとか太刀打ちできる難易度に抑えてある事。

そして、ショットの一長一短を、
『Rボタンの性能切り替え』によって緩和している事。


この2点によって、
武器の選択による『ハマリ』を回避
している点に、まず感心しました。


『敵とアイテムが雨あられと降ってくる』アレスタシリーズでは、
欲しくないアイテムでも取らなければならない状況が頻繁に発生するため、
それが「ハマリ」に繋がらないようにしたことは賢明な判断です。





…また、自機がやられてパワーアップが無くなった後、しばらくは、
パワーアップの復活がやりやすくなっている点も親切です。
(例えば、本来なら「数10個」のオレンジボールを取らないと
パワーアップが回復しないところが、
「7〜8個」のボールで完全回復します。)




…各ステージ毎に用意されているBGM軽快で心地良く、
それぞれのステージの特徴によって異なる『攻略法』一ひねりあって、
効率良い戦法を考えつつ先に進む楽しみがあります。





…そして、ここが重要なのですが、
第二章の「ステージ表」を見ても分かるとおり、
当ゲームでは結構『壁に阻まれる場面』が多く、
既存のシューティングゲームのシステムに慣れている方にとっては、
『壁にぶつからないように避けているだけでも大変なのでは?』
と、読んでて腰が退(ひ)けたことと思います。


でも、ご安心下さい。


なんと当作品の自機は、
『壁にぶつかっても死にません』



敵要塞の壁面に、自機をゴシゴシこすり付けても無傷です。



『フロントライン』(タイトー) (古すぎですか) や、
『クラックダウン』(セガ) (知りませんか)
主人公の戦士を「戦闘機」に取り替えて、
縦スクロールにしたようなゲーム
だと思ってください。





…この、従来のシューティングゲームとは大きく異なるゲーム展開…

いつか、どこかで出会ったような、このゲーム展開は…




そう、『キングスナイト』。



『スーパーアレスタ』は、
『キングスナイト』(スクウェア) の主人公が「戦闘機」になったような、
障害物をガシガシ撃って『掘り進む』シューティングゲームなのです。



これは、他作品ではなかなか味わえない快感と言えましょう。




…もちろん、
敵をバッカンバッカン撃って粉砕する楽しさ
キッチリと入っています。

決して有名作品ではありませんが、当ゲームの出来一級です。

同社が培(つちか)ってきたシリーズのアイデアを惜しげもなく叩き込んだ
集大作とも言える大ボリュームに、
『築き上げた歴史』を痛感します。




これこそが「シューティング」です。


あなたも、ぜひ一度体験してみて下さい。




戻る