セガサターン用ソフト

『おーちゃんのお絵かきロジック』


販売 サンソフト         プレイ時間 「クリア2回」

購入価格 3580円     執筆日:2003年 3月8日





■第一章 『この先注意』


『おーちゃんのお絵かきロジック』(サンソフト)は、
専門誌なども出ている、数字をヒントにマス目を
塗りつぶしていって絵を完成させる
「ロジックパズル」のコンシューマ機版です。


…この手のパズルで有名なソフトと言えば、他には
『マリオのピクロス』(任天堂)や、
『レインボータウン』(HUMAN)
あたりではないでしょうか?


ロジックパズルは最初の敷居が少々高いですが、
要領が分かると、ジワジワとマス目の正体がわれて
絵が完成していく過程の楽しさが病み付きになる秀逸パズルです。





…で、いきなりハッキリ言ってしまうと、
『おーちゃん〜』は、既存の同系列ソフトとすると、
あまり出来が良くないです。

なので、当コーナーとして異例ではありますが、
最初から『なぜダメなのか?』を分析する形
批評していこうと思います。



…もし、あなたが当ゲームの「盲目的なファン」であるなら、
これ以降の文章は読んでも意味が無いと思うので、
読まないほうが良いでしょう。

欠点の指摘から新たな発展を見出せる人だけ、
以下をお読み下さいましー。 では。






■第二章 『欠点色々』


…とりあえず、操作感などの手ざわりは、
さすがに老舗メーカーだけあって心地良く作ってあります。

画面も、パズル部分以外(←伏線)
スッキリと見やすくまとまっています。


…では、何がダメなのか?
そこを細かく見ていきましょう。





■『マス目の表現』■

…当ゲームでは、パズル部分(「マス目」の表示領域)は、
問題の難度に関わらず一切変化しません。

つまり、縦横5マスしかない初心者問題だろうが、
20マスにもおよぶ中級者向け問題だろうが、
画面内の問題用紙の大きさはいっしょ。

『マス目自体の大きさが変化』する事で対応させています。


…見た目のサイズとしては、
「テレビ画面の横幅の約半分」を一辺とした『正方形』です。


まあ、10〜15マスぐらいまでなら問題無いのですが…
これが20マスになってくると、ちょっと見辛いです。

25マスまでくると、何か
制作者の悪意のようなものすら感じられます。


…しかもこれが、次に説明する仕様と組み合わさると、
さらに遊び勝手が悪くなります。

その仕様とは…





■『ヒント数字のスクロール』■

マス目が細かくなれば、当然それにしたがって、
上と左に付いている『ヒント数字』も小さくなります。

が、『おーちゃん〜』では、
ヒント数字が「15列」の幅より
小さくならないようになっています。


考えてみれば当たり前なのですが、
数字を小さくしすぎると読めなくなってしまうからです。



…では、15マスより細かい問題はどうするのか?

答えは『スクロール』。


…例えば、マス目が「20」の問題の場合は、
画面外に20−15=『5列分』のヒント数字が隠れており、
カーソルを移動させることで自由にスクロールさせて
数字を見る事ができるのです。

『なるほど』と一瞬感心してしまいそうですが、
実際に遊んでみるとその感動は崩れ去ります。


…現在自分のいるマス目以外では、
マス目とヒント数字がズレてしまっているため、
(「マス目」と「ヒント数字」の大きさが違うからですね)
上下左右にカーソルを移動させたときに目測を誤りやすいのです。


虫メガネで少しだけ拡大した書物を読んでいるような、
近いと思っていたものが予想以上に遠くにあったりするような、
イライラする操作感がプレイの足を引っぱります。


そのせいで、考えていた場所とは別の部分をけずってしまい、
不本意なミスが増えてきます。


そのくせ… (以下に続く)





■『ミス制・制限時間』■

…当ゲームでは、ミスは3回まで。
制限時間30分を超えてもアウト
という、厳しい条件。

もう少しで解けそうな所で、上記の操作のしづらさのせいで、
3回目のミスを犯したり制限時間を超えたときなど、
パッドをブン投げて破壊しそうになるほど
腹が立ちます。




ある程度の遊びづらさは仕方無いとして、
それに関わる制限を厳しく設定してどうしますか?
サンソフト殿。





■『完成した絵が…』■

…やっと絵を完成させたものの、
何の絵か分からない事があります。


「正解は●●〜」と言われても、
●●に見えないことが多く、なんか悲しいです。


…中にはサンソフトの他のゲームの
キャラクター等が答えになっている場合もあり、
人間の顔らしきモノが出来て、
『ギャラクシーファイトの誰々』と言われたりしますが、
知らない者としては困ります。





■『ストーリー』■

…ファンには多分面白いのかも知れないけど、
そうじゃないプレイヤーにとっては
制作者の脳を心配せずにはいられないほどの、
登場キャラたちのサムい掛け合い漫才が苦痛です。


…エンディングに至っては『夢オチ』だし。(最悪)










■第三章 『まとめ』


…最初に言ったように、
キーレスポンスや画面は結構イイので、
ロジックパズル好きなら試してみてもいいのでは?
というレベルのゲームです。


…でも、それなら、わざわざこのソフトを買わなくても、
これより良いロジックパズルソフトは他にいくらでもあるわけで…

特に売りになるような部分も見当たらないし…



…なんとも中途半端な、
誰に向かって発信されたか理解に苦しむソフトです。




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