セガサターン用ソフト

『シャイニング・ウィズダム』


販売:セガ            プレイ時間 :「18時間でクリア」

購入価格:釣人さんにもらう     執筆日:2003年 7月22日





■第一章 『プロローグ』


『シャイニング・ウィズダム』(セガ)は、
アクションRPGです。


自国の一兵卒であった青年『マルス』(主人公)は、
ふとしたはずみで王国を救う旅に出ることになります。

彼の父は、かつて王国を救った勇者でありました。


祖父から受けついだ『ダッシュアタック』を武器に、
『グドーの妖精』の導きのもと、
主人公の、世界を救う冒険の旅が始まったのです。






■第二章 『システム』


…当ゲームの目玉システムは
『連打ダッシュシステム』です。

ボタンを連打することでゲージが溜まっていき、
ゲージに比例して
『ダッシュの攻撃力が上がったり』
『魔法が使えたり』
します。

当然、コレ抜きではゲームは進行しません。




…また、主人公の基本能力
『一切レベルアップしません』

冒険の途中でゲットする武器・アイテムを
『装備することで強く』なり、
それらの特殊能力の助けを借りることで
『今まで行けなかった場所へ行ける』ようになったりします。

(例えば、「スライディングできる靴」と「雷のオーブ」を装備して
『雷マークの岩』に滑りこむと、もう一方の岩の前にワープしたり…)




つまり、『プレイヤー自身がアイテムを駆使する』ことで、
冒険の舞台が広がり、先に進めるわけです。




『任天堂のゼルダシリーズと似てるなー』
と思われた方も多いでしょう。

実際、ネット上の感想を見回してみても、
同様の意見に多数出会いますし、
僕もモチロンそう思いました。



ですが、本当は
『80年代中期のコナミ社の
珠玉のアクションゲーム群の中にこそ、
このタイプのゲームの持つ高い攻略性の
「源流」があると思うのです』
などと、
己の知識独断をひけらかしてみたかったりもする。

偉そう







■第三章 『ハマってハマって』


…ハッキリ言って、当ゲームの謎は難しいです。

現在いるダンジョンの構成を把握し、
『どの順番で謎を解くか?』
『そのために何をすべきか?』

をシッカリ考えて行動する必要があり、
さもないと、すぐにハマリます。


ヒントがほとんど皆無な上に
(かろうじて、本棚の本などから知識は得られるが…)
ずっと前に手に入れたアイテムをいきなりココで使う
といった突発的なトラップが多いからです。



…謎自体は、総合的に見れば
決して「超難解」というわけではありません。

内容も結構練られていると思います。


が、答えに辿り着くために
『4種類のオーブ』『対応アイテム5種類』
いちいち組み合わせなくてはならない『面倒くささ』や、
先述の『突発さ』が合わさって、
『作ったヤツは知りつくしているからイイかもしれんが、
俺たちゃビジターなんだよファック!』
とか
ブチ切れる場面が多々ありました。




…僕も、何度も何度もブツかって、
『鏡の迷宮』でハマったときは
さすがに古本屋に「攻略本」を探しに走りました。
(見つからなかったんですけど…)

その後、ネット上で見つけた「ヒント」と「偶然」が重なって
先に進めたから良かったものの、
もう30分もハマったままだったら
間違いなく投げ出していた事でしょう。


結局、曲がりなりとはいえ
最後まで自力でクリアしたけどさ、ヘヘン←偉そう






■第四章 『問題点』


…実は、このゲーム、
中古ショップで「180円」 「100円」 「50円」という
スナック菓子並みの値段
売られていることで有名だそうです。
(僕は貰った物だったので知りませんでしたが…)


「安かろう悪かろう」が必ずしも通用しないのが
中古市場ですが、このゲームに関しては結構
『適正価格かもなー』
思わせる部分がありますね。

ちょっと問題点を列挙してみましょう。




『謎なオープニング』

…2頭身ポリゴンの動きのみで語られるオープニングは、
それが誰なのか分かりづらく、
説明のセリフや文章も一切ありません。

『説明書に載っているプロローグを
そのままポリゴンアニメにしたのです。』

とか言われればウッカリ納得しそうになりますが、
それでイイのか?





『ダッシュアタックが無意味』

…特に、装備が貧弱な前半で顕著です。

祖父は
『武器が無いときは、先祖伝来の「ダッシュ」で攻撃できる!』
鼻息荒く主人公を送り出しますが、
自宅から城に通じる森の中で
モンスター相手に「ダッシュ攻撃」をくりかえして
何度死にかけたことか…


「ダッシュ」は敵にダメージも与えますが、
こちらもダメージを食らってしまうのです。

意味ねーじゃん。 すぐ使わなくなりましたね。





『キャラのアニメーション』

…ほとんど「立ちポーズ」のままのキャラを、
拡大縮小したり震わせたり横倒しにすることで、
ほとんどの感情を表現しています。

作り手の立場として『がんばってるなー』とも思えるし、
1プレイヤーの立場として『貧弱だなー』とも思います。





『迷いやすい自国の城』

…ある意味、当ゲーム最強のダンジョンは、
最初に訪れる『自国の城』かもしれませんね。

その「だだっ広さ」
「つながりの分かりにくさ」はかなりのもので、
最初からメゲそうになりました。

話の展開上、何度も訪れなきゃダメな場所だし。(泣き)





『アイテムの交換が面倒』

…色んなアイテムを組み合わせる必要があるゲームなので、
とにかくアイテム交換の回数が多く、面倒この上ないです。

しかも、組み合わせる「オーブ」と「武器」は、
『組み合わせた』ときと『単体』とでは、
それぞれ性能が異なるという念の入りよう。


それなら、例えば「L・Rボタン」を、それぞれ
『オーブ・武器を順送りに交換するボタン』
に割り当てるなどすれば、
少しはマシになったのではないでしょうか?





『ザコ敵多すぎ』

…倒した後、
その「出現位置」をちょっとでもスクロールアウトさせると、
またすぐ復活して襲いかかって来るザコ敵。

その鬱陶しさは、かなりのものです。


しかも主人公はレベルアップしないので、
ザコは単なる『足止め』にすぎません。

結局、前半は『走って逃げる』がメインになり、
プレイしていて惨めになります。





『つーか、バグ多すぎ』

…こんなに露骨にバグだらけのソフトに出会ったのは、
日本テレネット『天舞』以来ではないでしょうか?


プレイしていて気付きやすいものとしては、
『音関係のバグ』があります。

効果音やBGMのテンポが急に変化するのは日常茶飯事。


…ある時など、何処からか
「強風のうなり」が響いてきたりしまして、
『いよいよ王国が危うくなってきたことを表現する演出』
だと思い、「面白いことをするなぁ」と感心していたら、実は、
自分の『風のオーブ』の音が延々鳴り続けるバグでした。



…また、川に落ちたりジャンプするなど
「高さ判定」に関わる動きをすると、
高い確率で『数画面ワープ』するのには参りました。

ダンジョン内の落とし穴に落ちた時も、
落下地点が壁にめり込んでおり、そこからスンナリと
壁の内部に入って自由に動き回れたことがありました。


最初は嬉しかったです


でも、やがて、
『壁の中から出られない』
ことに気付いたときの絶望。


目先の楽しさにだまされた挙句、
ニッチもサッチも行かなくなった自分は、
『ヘンゼルとグレーテルの心境』
を理解したと思いました。

(まあ、この時はダンジョンの入口にワープする
アイテムを持っていたので助かりましたが…)







…上記以外の難点としては、

『メイン武器となるはずの「剣」が、
攻撃範囲が狭くて全然使えない』


『トライ&エラー系の謎が多すぎ』

『主人公のやられ声がふざけていて、
個人的にムカつく』


などありますが、それはまあイイでしょう。
(いや、良くはないんだけど、もうツッこむのに疲れました。)






■第五章 『エピローグ』


…そんな数々の理不尽な苦労も、
最終ボスを倒してしまえば良い思い出。

あとは国中の人々の喝采を浴びるばかり…



…というのが普通のRPGの流れでしょう。

しかし、意欲的な当ゲームは、
エンディングも一筋縄では行きませんでした。




とりあえずダイジェストで解説します。

当然ネタバレですので、
自力でエンディングに辿り着きたいという方は、
以下をお読みにならないように…





『最終ボスである
「ダークエルフの王」を倒す主人公』


…しかし、最後の呪いで、主人公を死の世界
引きずり込もうとするダークエルフ。



『傷付きながらも
主人公と共にここまでやってきた
エルフ「カズン」が目を覚ます』


…彼が見たものは、主人公たちが戦っていた部屋が
完全に崩壊した光景だった。

主人公は最終ボスと共に死んだものと思い、
ガックリと気落ちするカズン



『主人公の王国に結果を報告に行くカズン』

カズンが最終ボスを倒したと思い込んだ王城の人々は、
『主人公は新米のくせに出世して生意気だった』とか
『そういえば主人公もカズン様といっしょに
地下に行っていたんだっけ? 忘れてた』
とか
言いたい放題。

唯一、主人公を慕っていた『姫』だけが、
主人公の安否を心配している程度。


カズン激怒。 王城の人々、反省。



『主人公、復活』

…主人公の死の一歩手前で、
彼をこの冒険に導いた『グドーの妖精』登場。

自分の自由と引き換えに
(運命を曲げて生物の命を助けた妖精は、
罰として誰も知らない場所に一生幽閉されるらしい)

主人公を復活させる。

王城に舞い降りる主人公。
抱きつく姫。


<スタッフロール>








…と、まあ、ちょっとイヤな思いもさせられた終わり方だけど、
本当に好きな女性に心配され信頼されて
最終的にいっしょになれた
わけだから、
一男子としては十分「ハッピーエンド」だよな。





…と、思ってたんですよ。





そしたら、スタッフロール後
画面に姫さまが出てきて言うんですよ。

『しかし、主人公様は旅立ってしまいました。』


…な、なんで?



『自分の命を救ったために幽閉された
「グドーの妖精」を探し出すために、
あての無い旅に出てしまわれたのです。』





げええぇ!!




…スタッフによって、
あくまで「イバラの道」を歩まされる主人公『マルス』


彼の未来に幸あれ。




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