セガサターン用ソフト

『Dの食卓』

販売…アクレイムジャパン(WARP)       購入価格 580円



■第一章『答えを求めて』

…色々な意味で有名な「飯野賢治」さん制作の
アドベンチャーゲーム、『Dの食卓』を紹介しようと思います。

主人公である女性「ローラ」が、大病院の院長を務めている父が病院内で
大量虐殺をした上、人質をとってたてこもっているとの信じがたい通報を受け、
急遽、病院にのりこむところからゲームはスタートします。


あの優しかった父がなぜ ?

その答えを求める冒険へと、ローラはその身を投じるのです。



■第二章『システム』

『Dの食卓』は、(乱暴な言い方かもしれませんが)
過去にあった「パズル的な謎解きを中心としたアドベンチャーゲーム」
ポリゴンによる立体的なリアクション・演出を施しただけの作品と言えます。

しかし、それは批判ではなく、昔ながらの純粋な「謎解きの喜び」
キッチリと継承しているという意味の誉め言葉とご理解下さい。


流れるようなストーリー展開を見せたいがために、
「ユーザーの思考にたよる部分」「自由度」大幅にカットした
昨今のアドベンチャーやロールプレイングに飽き飽きした身にとっては、
この歯応えある謎解きにこそ『ゲームならではの快感』を感じてやまないのです。



…もちろん、当ゲームのシステムが過去の作品そのままというわけではありません。

例えば「移動」において、当作品はとても面白いシステムを採用しています。

一見すると行動範囲に制限の無い『3D移動方式』
ようですが、実は移動できる場所(ポイント)が指定されている
『昔ながらの移動方式』になっているのです。

つまり、プレイヤーは行きたい方向を指示することで、
その先にある最も近い場所(ポイント)に移動していく形になります。

床に「目に見えない線路」が敷かれており、
プレイヤーはその線路上にある駅(ポイント)を行き来する

と言えばイメージが伝わるでしょうか?


最初はとまどいますが、『3D移動方式』のようにポイントに自分を移動させる際の
苦労 (視点の外にある障害物にひっかかって思い通り進めない等) が無いため、
移動ポイントを把握すればスイスイと気持ちよく移動することができます。


…また、これに限らず、当ゲームは全体としての
手ざわり (キーレスポンスなど) がたいへん良く、
制作サイドの手馴れた作りとこだわりが感じられて心地よいです。



■第三章『難点など…』

…もちろんと言うか何というか、この作品にも困った点があります。

当作品は特にシナリオの点で気になったところが幾つかあったので、
その点のみをダイジェストしてみようと思います。

ちなみに、ストーリーに関するネタバレがありますから、
結末を知りたくない方はこれ以降はお読みにならないほうが良いでしょう。



★ダイジェスト ストーリー★

…主人公「ローラ」は、人質をとって病院内にたてこもった
父の凶行を止めるために、単身で病院内にのりこみました。

こんな大事件なのに警察が全然包囲していないあたり、
さすがは自由の国アメリカですね。


…で、病院内にあった空間の変な「ゆがみ」に触れたら、
いきなり異空間に入ってしまい、気が付くと
不思議な洋館のような建物内に立っていました。


…手近のテーブルの周りをウロウロしていたら、何処からかローラを呼ぶ声が。

『ローラ〜… ローラ〜〜…』



…声のするほうを見上げたローラ。

そこに父の顔が浮かんでいるのを見てギョッとします。

『帰るのだ、ローラ… ここは私の深層心理が生み出した世界なのだ…』
みたいなことを言われてしまいます。

ものすごくビックリしたらしく、しばらく肩で息をつくローラ。


…とりあえず、お父さんがああ言ってるのだから帰りましょう。

すぐ後ろのドアを開けて帰ろうとしましたが、ドアが開きません。
したがって帰れません。


いきなりガセネタですか、お父さん。
仕方なく先に進むことにします。


…色々あって、地下に下りるための螺旋階段を見つけました。
階段を下りていくローラ。

と、なぜか後方から1メートルほどの鉄球
轟音を響かせつつ転がってくるではありませんか。


ゴロゴロゴロゴロゴロ…

ぎゃーーー。


命からがら地下に逃げのびるローラ。
命は助かりましたが、地下の入り口を鉄球に塞がれ、もう戻ることはできません。

ローラさん、お父さんに何か恨まれているとしか思えません。



…その後、中世の甲冑と戦って5メートルほど下の床に叩き落される
(戦いに勝つまで何度も) (←普通死ぬ)
など色々ありましたが、
『拳銃』の入手に成功しました。


…その間、3、4回にわたって
『ローラ〜… ローラ〜…』
とか言いながら奇抜な場所から顔を出してきては帰るように勧めるお父さん。

それはイイとして、
「その度にギョッとして肩で息をつく」ローラさんを見ていると、
「彼女には学習能力が無いのだろうか?」と失礼な疑問も頭をかすめます。


…そしてクライマックスも間近になった頃、
お父さんは自分が病院内の人々を殺しまくった訳をローラに語るのでした。


それは、お父さんが『D(ドラキュラ)の一族だから』だそうです。



うわぁ、なるほどー。 だから『Dの食卓』かー。


とほほほほほほほほー。



…脱力のあまりリセットボタンに手が伸びかけましたが、
このゲームはセーブできないので、我慢して最後まで遊ぶことにしました。


ドラキュラの正体を現したお父さんに、拳銃で一発ヤキを入れて、
ミッションコンプリートです。


もっと、まともな話だと思ってたのにー(泣き)




…最後に一言。

ストーリーを気にしなければ案外イケるゲームだと思います。
少々のボリューム不足は否めませんが。



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