セガサターン用ソフト
『ハイパーデュエル』
販売…テクノソフト
友人から借りる
■第一章『顔見知りの近所の八百屋のダンナが
選挙に立候補したような心地』
…90年代中ごろ、『サンダーフォース』シリーズで有名な
九州のテクノソフトが「アーケード」にリリースしたのが
当作品です。 これには当時驚かされました。
老舗とは言え、地方の中堅メーカーが
「ゲームセンター」に進出してきたのですから。
例えるならば、三重県は四日市に社屋を構える、
『サーク』シリーズ等で名を馳せた『マイクロキャビン』が、
アーケード用としてアクションRPGをリリースしたようなものですね。
『は〜りぃふぉっくすの冒険』とか言って。
…すみません、いきなりウチの田舎限定の内輪ネタで。
他の地方にお住まいの方は、自分の町の
メーカーに当てはめて想像してみて下さい。
山陽の方は『ケムコ』、東北の方は『SPS』、
中部の人は『日本一ソフトウェア』などなど。
余計な前置きはここらへんにして、ゲームの説明にはいりましょうね。
■第二章『どんなゲームよ?』
…かつてシューティングゲームと言えば
「固定画面」か「横スクロール」が主流だったものです。
『グラディウス』も『ダライアス』も『R-TYPE』も、
80年代の一時代を築いた名作たちの多くは「横スクロール」でした。
その多くは「地形の起伏」を回避したり防壁としたりしつつ、
敵との攻防を展開するものでした。
当然、地形への激突の危険も常に付きまとうわけで、
かく言う私も『グラディウス』の2面でいつもバッチリ最強装備になって
いつもバッチリ
岩に激突死
していたものですわい。
…だからザブは自力避け(泣)。
ところが80年代も終わりを迎えつつあったある日、
「地形で死んだりとかってチョーダサ」
とかのたまうヤング達が、
「地形はただの背景なのが俺的に今風」
とかほざき、
東亜系ボンバーシューティングへと大量に流れ始めたのです。
その東亜の作品が、あろうことか「縦スクロール」ばかりだったから、さぁ大変。
ゲーセンのTVモニタは次々と縦置きにされ、
操作形態は「1レバー・2ボタン」にとって代わり、
若者たちは「敵を撃つ」ことは二の次に、
「弾除けの技量」のみを競い合うという
体たらく。
相手を自力でねじ伏せる「純粋なパワーへのあこがれ」の時代は去り、
のらりくらりと「時間を稼いでかわす」牛歩戦術が支持されている
現状から見て取れる若者達の消極的なフニャチ●ンぶりに、
小生
「亡国の憂い」
を感じつつある昨今、読者諸氏は如何なものか?
(豊島区 会社役員56歳)
…すみません、今回脱線ばかりですね。
で、つまり何が言いたいかというと『ハイパーデュエル』は
そんなふにゃけたヤングに一発
ヤキ
を入れるために西の果てから遣わされた
「バリバリ撃ちまくり横スクロール」
シューティングなのですよ。
うおおぉぉ。 凄ええぇぇ。
■第三章『SHOOT ! SHOOT !! SHOOT !!! 』
…主人公メカは「飛行形態(ファィター)」と「人型形態(アーマー)」
の2タイプにいつでも切り替えが可能で、
オールラウンドだけどショットの弱い「ファイター」、
一点集中砲火の「アーマー」との使い分けが勝利のカギであります。
また、メーターの残量(時間で自然回復)があれば、
いつでも「緊急回避用の特殊ショット(全方位に弾を
バラまいたりしてくれる)が撃てるのも心強いです。
これに、補助兵器としてオートで攻撃をしてくれる「ミニ自機」が
3機まで付けられ、最強装備で画面中に自機のショットが乱れ飛ぶさまは、
敵に同情の念をいだくほどです。
…で、敵もけっこうな量の弾をバラまいてくるのですが、
その6〜7割方が「撃ち消せる弾」になっています。
つまり、綿密な避けを画策するヒマがあったら、
とにかくショットボタンを連打して、
消えていく敵の弾幕の向こうに見える「活路」を
自力でもぎ取るという、
何かこうして文章書いてるだけで
呼吸が荒くなって、血がたぎり、
会社の机の上に飛び乗って、
四つんばいで雄叫びを上げたくなるような、
熱い
熱い
熱い「男」のゲームなんじゃ、
ワオーーン!!
さすがは西の蛮地「九州」。
熱き男の気骨ば感じますたいとか、思わず
片言の熊本弁が口をついてしまうほどに。
いやホントに、冗談抜きでこのゲームの持つ
「撃つことを戦略のメインにおいた構成」は
気持ち良かです。 ←方言はもう良か
「本当の意味でのシューティングゲーム」が少ない
今のような時期だからこそ遊んでほしい、
野性味あふれる魅力をアナタにもお奨めします。
■第四章『それはそうと…』
…このゲーム、実は1つだけ、どうにもよく分からない個所があるのです。
それはステージ4で、謎の白い人型メカが立ちはだかるシーンです。
こいつは倒すとどこかへ逃げていくのですが、
実は最終ステージで主人公といっしょに敵と戦ってくれるのです。
ところが、その戦いの最中に敵に拿捕されてしまい、
ヘンテコな洗脳メカのようなものを装備させられて
主人公に襲いかかってくるのです。
で、こいつを倒せばエンディングです。
えーと… これはどう解釈すれば良いのでしょう?
地球の味方なら、なぜステージ4で主人公の行く手を阻んだのでしょうか。
…今思うに、このゲームのストーリー監修は
「松本零士」か「サンライズ」だったのでしょう。
で、謎の白いメカに乗り込んでたのはズバリ主人公の
「兄貴」。
「この俺を超えずして地球は守れんっ」とか言って、弟を試したと。
…黒いフードとかかぶって。
あるいは「コナミ」がストーリー監修していて、
ステージ4で白メカを倒すと、なぜかそいつが
「お前達なら、この国を救えるかも知れん」とか言って、
最終ステージで
「幸せのハープは渡さんっ」
とかほざいて
脇役の分際であっけなく最終ボスを倒してしまうという、
ゴミ
ストーリーにでもするつもりだったのでしょうか?
(…古いネタふりで申し訳ないですけど。
ヒントは「合言葉は〜」とか言うヤツです。)
↑
バレバレ
…まぁ結局のところ、主人公はステージ4で力量を試された、
と考えるのが妥当なんでしょうかねぇ。
エンディングでは、文字表示がいっさい無くて、
絵が3つ4つほど出るだけなので、今イチ全貌が分からないのです。
むー、消化不良。
そうそう、このゲーム、「アーケード版」と「サターンオリジナル版」の
2つのモードで遊べるのですが、自機のショット方向を固定しつつ
移動もできる「サターン版」のほうが、はるかに遊びよいです。
ナイスアレンジー。
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