セガサターン用ソフト

『花組対戦コラムス』

販売…セガ        購入価格 480円

執筆日:2002年 9月25日





■第一章『NOT ファンアイテム』


『花組対戦コラムス』は、広井王子氏がプロデュースし
セガ社から発売された『サクラ大戦』のサブストーリーを、
同社の誇る落ち物パズル『コラムス』と絡めて楽しむ
といったゲームです。


『サクラ大戦』のファン限定のマニアックな商品では…?
といった疑いを抱きがちですが、
その出来は既存の『コラムス』シリーズの中でも
間違いなくトップクラスです。

『サクラ大戦』に興味の無い方でも、
『コラムス』という作品をジックリと楽しみたいという人は、
買って損の無い内容です。






■第二章『コラムスとして』


…姉妹品の多い『コラムス』ですが、その遊び勝手
必ずしも年月にしたがって向上してきたわけではありません。



『コラムス97』を例にあげると、
例えば「キーレスポンスの心地良さ」という点においては
間違いなく1作目を超えていると言えるでしょう。

が、一方で、
「ギラギラと明暗する背景や宝石の見づらさ」特筆モノであり、
そのせいで宝石の色を見誤って置き違いをしたときの
アノ悔しさには忘れがたいものがあります。



『花組〜』は、
1作目の持つ「シンプルだからこそ見やすく、
高速になっても判別がつきやすい色の宝石」

最新ハードならではの「抜群のキーレスポンス」
あわせ持った作品です。


画面のハデさ声優による生セリフにばかり目が行きがちですが、
ゲーム自体にもキッチリとした『作りこみ』がなされた
真の意味での良作なのです。


宝石が着地したときの、
重厚感のある ドジャリ という効果音も、
このゲームの手ざわりに高級感を添えています。






■第三章『随所に見られるこだわり』


…当ゲームは、内容的にもなかなか充実しております。



延々と遊べる『エンドレスモード』は、まず当然として…


50ステージに及ぶ『パズルモード』には
姉妹作品『コラムス2』の要素が色濃く見られます。

そのため、『花組対戦コラムス』1本
「コラムス」の『1』と『2』が楽しめる
といっても言い過ぎではありません。


また、登場人物全員 (約10人) がそれぞれ主人公となって
目的達成のために「コラムス」で戦う『ストーリーモード』では、
選んだキャラクタごとに異なったストーリーが用意されており、
しかも、全てのセリフが声優による肉声という豪華ぶり。


「ファンアイテム」としても納得のボリュームなのはもちろん、
『既存の「コラムス」をトコトン遊びたおせる内容』
なっている大盤振舞いには感心するばかりです。



…さらに、オープニングやスタッフロールにおける
音楽と映像のシンクロ具合や、
「無声映画」を意識したエンディングなど、
随所に散りばめられた『制作者のこだわり』には、
学ぶべき点が実に多いです。




…正直、『サクラ大戦』のキャラクターを引っ付けただけの
関連商品ぐらいに考えて敬遠していた当作品ですが、
遊んでみて本当に良かったと思います。

高校時代の親友の奥さんが、大の『サクラ大戦』好きで、
彼らも『花組対戦コラムス』を遊んでおり、
その薦めで購入したのですが、
この場を借りてG君ご夫婦にお礼など申し上げる次第です。





…最後に、感想のまとめなどをば。

「年齢・性格の異なる女性たち」の全員が全員
主人公にベタ惚れ という、
『野郎の夢ここに極まれり』な雰囲気が
鼻につきすぎて気恥ずかしいですが…

その「溢れるサービス精神」「コラムスの出来」一流です。



パズル好きな方には胸を張ってお薦めします。



田中公平の音楽が楽しめるという点もポイント高すぎですね。

最終ボスの支配人「米田」戦では、ハンカチをご用意ください。

( ただ、もしかしたらこれらの曲は『サクラ大戦』本編で
使用されているものの流用かも知れませんが…)





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