セガサターン用ソフト

『マジカルドロップV とれたて増刊号』

販売…データイースト      購入価格 1980円




■第一章『システム』


…今日はデータイースト社の人気パズルゲーム、
『マジカルドロップV とれたて増刊号』
ご紹介しようと思います。

『V』と言うからには同シリーズの3作目であり、
1作目から徐々に遊びやすいシステムへと
改良を施されただけのことはある、
実に心地良い手ざわり
を持つゲームに仕上がっています。



…当シリーズのゲームルールは、
画面上部から1列づつ並んで出現する
色付きの「ドロップ」を手元に吸いよせ
(同じ色なら、何個でも吸いよせられる)
それを上に撃ち出したときに、
縦に同じ色のドロップが『3つ以上』並んでいれば
隣接する同じ色のドロップが全て消える

というものです。


消えた部分の隙間を埋めるように、
上に向かってドロップが落ちて(?)いき、そこで
縦3つ以上に並んだ同色のドロップがあれば、
さらに「連鎖破壊」が起こります。





…文章にすると難しそうですが、
手当たり次第に同じ色のドロップを
かき集めて撃ち出しているだけでも、
序盤は何とかなる低難度
に設定されているので
初心者でも安心です。


…慣れてきたら、ぜひ、
並びを見抜いて『連鎖』を狙いましょう。

当ゲームの「連鎖可能時間」かなり長目になって
(ここが、1作目と『U』以降が最も大きく異なる部分です)
いるので、ちょっと頑張れば「5連鎖」ほど、
慣れれば「10連鎖」を成功させるのも難しくなく、
巨大な連鎖による攻撃で相手と押し合う豪快なプレイは、
『ぱずるだま』(コナミ)に通じるものがあります。




…難を言えば、
相手に攻撃されたときに自分のフィールドに
送られてくる『おじゃまドロップ』の効果が多彩すぎて、
それらが発動したときに
自分のフィールドがどのように変化するかが
瞬間的に把握しづらく、運まかせになりがち

な点が気になります。


対戦の「実力差」を『運』で埋めようとしている
のは分かりますが、対処する気も失せるような
『おじゃまドロップ』の群れ
には閉口させられます。





■第二章『キャラクタ』


…当ゲームの登場キャラクタは
絵柄にちょっとクセがありますが、
それぞれ実に多彩な性格を持っております。


しかも対戦時に、
選んだキャラクタの組み合わせによって
様々な掛け合いが楽しめたりもします。

友好的であったり、因縁めいていたりと、
その種類は軽く100パターンほどにも及び、
キャラクタの性格的背景作りにも一役かっています。



…私事で恐縮とは存じますが、小生、
女神である『ワールド様』ベタ惚れであり、
春の木漏れ日の下で彼女にひざまくらなど
していただきつつ生きていけるのならば
死んでもいい(矛盾)
と考える日々ですが、
キャラの1人『フール』くんは頭の弱いのをいいことに
『ワールド様』の腰布に鼻水をつけるという
暴挙をしでかしましたので、
我ながら大人げ無い行為と知りつつも
彼と対戦するときは完膚なきまでに
ボコボコ
粉砕するよう心がけております次第です。



…ちなみに、これらのキャラクタのイラストは、
その根底にあるものは
シリーズを通して一貫しております。

が、第1作に使用されたイラストは、
その飛び抜けた個性から、多くのプレイヤーに
『キャラが怖いからゲームを遊ばなかった』
と言わしめた代物でありました。


一方で、『これがイイのだよ』と断言する
プレイヤーも一部に存在し (友人のPOP氏含む)
「慣れ」・「性格に対する愛着」による所の
人間の美意識への適応力の幅広さには
驚嘆するばかりです。



…私自身も、『V』を遊んで各キャラクタの
性格を熟知してから『T』のイラストを見直したとき、
最初に受けた「絵柄の恐怖」よりも、
『不思議な愛着』のほうを強く感じるように
なっている自分に気付いたりもしました。

やはり人間、
『容姿よりも、付き合いに費やした人生』
が大事なのだなぁと、
定年を間近に控えた夫が妻を見つめながら
しみじみとつぶやくような事
を口走る自分に
人生の年輪を感じたりも。


ふがふが…





■第三章『雰囲気』


…ゲームシステムに関して細かい点を挙げれば、
まだまだ改良の余地は見られますが、
あえてそれを割愛してでも
声を大にして言いたいことがあります。


それは、
『この作品の持つ細やかな心遣いの数々を、
多くのゲーム製作者は謙虚に受け止め見習うべきだ』

という事です。



「キーレスポンスの良さ」
「選択中の項目を目立たせる数々の工夫」
など、
挙げるべき点は多いです。

が、その最たるは
『スキップ(先送り)機能』の心地良さにあり、
ゲーム中・イベント中・ムービーはおろか
エンディングに至るまで、ボタンを押すことで
「高速化」したり「途中終了」させることが
できてしまうのです。



その心地良さたるや特筆もので、
普通のゲームを一般道路とするならば
『マジカル〜V』はまさに高速道路。

信号や混雑を気にせずに、思うさま自分のペースで
走っているような手触りの良さは、それだけで、
ゲームの評価を3割ほど上乗せするに十分な快感です。




…同じゲームの同じ場面を何度も通過しなければならないとき、
分かりきった部分を飛ばしてサッサと先に行きたくなるのは、
人間として当然の心理です。

にも関わらず、
『スキップ機能』が搭載されていないゲーム
目にする機会がまだまだ多いのは
どういうことでしょう ?



『スキップ機能』は「割り込みプログラム」なので、
経験の浅いプログラマーにはツライかもしれません。

プランナーが企画書に書いていないので
「付ける必要無し」と判断したのかも知れません。

と言うか、そこまで気を回す余裕が無い
ヤケクソ気味の開発ペース
会社もあることでしょう。




…でも、こうして列挙してみても分かるとおり、
これらの理由は全て
『作り手の都合』に他なりません。


『スキップ機能』は、ユーザーごとに異なる
「好みのプレイスピード」をプレイ中に対応できる、
言わば『リアルタイム・コンフィグ』です。

製作サイドの方々はその事を肝に銘じ、
ゆめゆめ手をお抜きになられませんよう。



…あと、『せっかく作ったのだから全部見てくれぇ』
というデザイナーの心の叫びは分かりますが、
何度も見る「ムービー」は飛ばせるようにしておいて下さい。




召還獣のムービーとかな (←おいおいおいおいおいおいおい)




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