セガサターン
『ROX』
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販売: アルトロン
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プレイ時間 : Lv.11 まで
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購入価格: 480円
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執筆日: 2005年 11月20日
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■第一章 『奇妙な』
『ROX』(アルトロン)は、
落ち物パズルです。
縦長のフィールドの上空から「2個一組」で降ってくるサイコロを並べて、
ルールに従って消滅させ、最上段まで積み上がらないように頑張るという
これ以上は無いというほどオーソドックスな「落ち物」です。
こういったゲームの個性や遊びの肝は
「消滅のさせ方」で
ほとんど決まるものですが、当ゲームのそれは
独特です。
『同じ数字のサイコロ同士で、
その目の数と同じだけのサイコロを
間に挟むように並べる』ことで
消滅
(2パターン)が起こります。
つまり例えば、
「3の目」のサイコロから4マス離れた箇所に
もう1個「3の目」を置けば良い、という事ですね。
ところが、ここでさらにオリジナリティ。
実はサイコロには
『色』があり、
同じ色のサイコロで囲めば『間のサイコロが消えます』が、
異なる色で挟むと『挟むのに使ったサイコロ2個が消滅』するのです。
(サイコロの色は最高で4色あるようです)
ちょっと聞くとヘンテコなルールですが、
遊んでみれば取りあえず
「理解」はできます。
■第二章 『破綻な』
…が、実際に遊んでみると、
物凄まじいルールの破綻に愕然とさせられます。
具体的には以下の通り…
「サイコロ」という、ただでさえ瞬時の見分けが困難なキャラクタに加えて
「色の違い」まで考慮しなければならないシステム。
ユーザーへの負担はかなりのもの。
時間制限のキビしい「間違い探し」をやっているような辛さがあります。
キャラの見分けがついても、
『こいつの目は「4」だから、5マス離れた所に「4」はないか「4」は…』
などと、時間に追われつつ不必要に悲しい労力を要求される有様。
このシステムのどこが楽しいと思って製作したのでしょう、メーカーは?
『俺は簡単にこなすよ!』という人もいるかも知れませんが、
逆に
『そんなスゴイ能力をこのゲームで浪費してないで社会の役に立て!』
と苦言を呈したい心地です。
ちなみに自分は、
『フィールドの両端を空けておき、
「4」が降ってきたときだけそこに投下』(もちろん両端で色を合わせる)
という戦い方をしましたが、全然楽しくないので
ゲーム自体を投げました。
「サイコロ」というタダでさえ綿密な「並びの下準備」が必要なパーツに加え、
『挟んだサイコロの色が同じかどうかで消え方が変わる』ルールのせいで、
連鎖は時の運。 サイの目は本当に気まぐれですねコンチクショウ。
明晰な方なら、このゲームシステムを聞いた時点で
『このゲームのフィールドは何マス?』という疑問をもたれた事でしょう。
答えは
『横6・縦11』です。
これで、
『あちゃー』と開発者に対する
憐憫が芽生えたアナタ。
その明晰なる頭脳、これからも磨いてくださいね〜。
ではでは、上記の意味が分からない一般の方に説明しましょう。
先述のとおり当ゲームは
『サイコロの目と同じ数』のサイコロを
間に挟む必要があります。
つまり、
目が1なら、「両サイドの2個」+「1」の
『3個』のサイコロが並ぶわけです。
同様に、
目が3なら
『5個』ですね。
…では質問です。
サイコロの
目が5の場合、それは
『フィールド内に、横に並べることができますか?』
…そうです。 現状のフィールド構成では、
『サイコロの目の5・6を使って消滅をおこすには、
「縦」に並べるしか方法が無い』のです。
この制限でゲーム性が上がるのなら問題ないですが、
自分がプレイしたかぎりでは
『ただの足かせ』でしか無いようです。
思うに企画者は、
『従来の落ち物パズルの平均的フィールド構成を、
何の考えも無しに流用した』のでしょうね。
ゲーム史上に残る
素人仕事といえましょう。
他にも細々と不愉快な点がありますが、
『アルトロン』という会社の物作り自体が昔から
アレなので、
ツッコムのも面倒なので割愛します。
でもこういう、
『何がダメなのかが理論的にキッチリ求められて、
評価する身として心地良い駄作』
というのは本当に勉強になりますね。
僕は常々思うのですが、
『どんなものにも必ずイイ所がある』などと言って
必死になって駄作やダメ人間を擁護・美化する人種がいますが、
逆にそういった物や者について
『なぜダメか、なぜ失敗したかの理由』を
明確に分析して自分の糧にする姿勢のほうが、何倍も
建設的だと思うのです。
こういう考えって一般的には「過激」なのかな〜? でへ。
僕はそれが真実だと思うので、そういう生き方してますが。
皆さんもそんな生き方、試してみてはいかがー?
…『ROX』?
『ROX』は試さなくてイイよ。
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