ドリームキャスト用ソフト
『ガンスパイク』
販売…カプコン(開発:彩京?)
友人からの借り物
■序章『はじめに』
…当作品は、「彩京」開発で「カプコン」販売のアクションゲームです。
最近、両者のタッグによる商品が増えておりますが、「彩京」も
経営状況が芳(かんば)しくないといった所でしょうか。
余計なお世話ですか?
元々「彩京」というメーカー自体、(失礼な言い方かもしれませんが…)
自社作品を焼きなおしたシリーズが商品レパートリーの主軸を占めており、
決して悪い出来ではなく手触りも良いゲームを作るのに、話題を集めること
なく、
細々と
生き長らえているといった印象の強いメーカーです。
とは言え、シューティングをメイン商品とした、時代に流されぬ
開発姿勢には素直に敬意を表したい私ではあります。
ではでは、そんな彩京の『ガンスパイク』の評価、
ゆっくりとお楽しみ下さりませ。
■第一章『システム考察』
…初めて、このゲームに触れたときの驚きは忘れられません。
一見、ポリゴン等による現代風の装飾はなされているものの、このゲームの
「テイスト」は我々古参ゲーマーが若き日に血ヘドを吐くほどやりこんだ
『固定画面型・敵全滅アクションゲーム』そのもの
ではありませんか。
自分の体力と相談しつつ、画面内の敵を
いかに効率よく殲滅するかを目的とした、懐かい味わい。
『モトス』(ナムコ)しかり『バラデューク』(ナムコ)しかり…
すみません、例がかたよっちゃって。
熱烈なナムコファンでした… 昔は。
それを現在のアーケード市場にぶつけてくるあたり、
「彩京」の正気を疑います 熱意を感じずにはいられません。
昨今の「物量垂れ流し・スクロールしっぱなしで、メリもハリも無い」
アクションに慣れた身には、倒せば倒しただけ敵の数が減るという
当たり前の結果が「たしかな達成感と前進感」という快感を
思い出させてくれました。 久しく忘れていたゲーム本来の楽しさ、
その一片を垣間見せてくれたと言う意味で、『ガンスパイク』に
素直な感謝の気持ちを捧げたいと思います。
…が、もちろんイイ所ばかりではありません。
ここまでの評価を読んでいる人たちの中にも
「そのゲーム知らない」「そんなにいいゲームだっけ?」
という感想を持つ方のほうが多いのではないでしょうか?
パーツは丁寧に作られていながらゲームとしての「うま味」に欠ける、
それが『ガンスパイク』なのです。
欠けている「うま味」とは何なのか?
それを以下で解き明かして行きましょう。
■第ニ章『キミに足りない物』
…実は当ゲーム、全10ステージを通じてある共通点があります。
それは「フィールド内にほとんど障害物が無い」
「自分より足の速い敵がほとんどいない」という2点です。
そのため、どのステージでも「単純に敵から逃げ回りつつ、あるいは
遠くから、ショットを撃ち続ける」という展開になりがちで、
時間をかけてダラダラ倒していけば、ほぼダメージを受けることなく
先のステージに進めてしまうのです。
当然、アクションとしての緊張感も間延びしてしまい、
何ともダルいプレイ印象になりがちです。
また、ダラダラプレイに対するペナルティも無いようで、
遠くから安全に倒そうが、危険を冒して接近戦を挑もうが、
入手する点数に大きな変化が見られません。
つまり、このゲームには
『地形効果などによるステージごとの攻略の違い』や
『戦闘方法の違いによって変化する評価』が存在しないのです。
以上から導かれる「当ゲームに足りなかった物」、
それは
『戦略性の幅』
であります。
昨今のコンシューマに溢れる「シナリオ重視型RPG」と同様に、
一番効率の良さそうな攻撃手段さえ見つけてしまえば、あとは
延々同じ動作を繰り返すだけで、苦も無く先へと進めてしまう
という単調さが、このゲームのプレイを底の浅いものにしていたのです。
奇しくも『ガンスパイク』は、その点において非常に
「今風」のゲーム
に仕上がってしまったと言えなくもないわけです。
いかに美しいポリゴンで彩られても、『戦略という名のうま味』に
欠けた作品を遊ぶほど、今のユーザーはゲームに飢えてはいません。
ゲーセンで当ゲームを長期間熱中して遊ぶプレイヤーに
ほとんどお目にかかったことが無いという現実からも、当作品は
「正当に評価された」
ゲームであったと言えるのではないでしょうか?
■第三章『ステキな仲間達』
…さて、あっけなく結論が出て時間が余って(?)しまったので、
当ゲームの魅力の1つである、個性豊かな「主人公」たちの
一部についても紹介しようと思います。
なお、アーケード版では「隠れキャラ」扱いのヤツもいます。
出し方については、自分でネットや雑誌などを調べて下さい。
『大技林』とかも良いでしょう。(←名前変わったんだっけ?)
★『シバ』
…『ルースターズ』から参戦! とか書かれてるけど、
『ワンダー3』自体、憶えているファンが少ないでしょう。
1台のゲーム筐体で、3つのゲームが選択できたんですよ。
店の狭い空間を有効活用できる点で非常に先進的なシステム
だったのですが、いかんせん、その3つのゲームの出来が
どれもイマイチだったために鳴かず飛ばず。
で、10年の時を経て『ガンスパイク』の主人公として蘇えるも、
またもや鳴かず飛ばず
という、たいへんに不遇なキャラであります。
アイテムを取ると「ゲェットだぜぇ!!」とか、たいへん元気よく
叫びますが、そのカラ元気ぶりに
悲壮感が漂います。
★『キャミィ』
…元々、このゲームのタイトルは「キャノンスパイク」だった
そうです。 キャミ子さんの技と同じ名前だったんですね。
じゃあ、事実上の主人公じゃん。
ショットパワーが弱くて使えないけど。
エンディングで、敵基地の中にまよいこんでいた仔猫を
かばいつつ、間一髪脱出するあたり可愛いところもありますね。
しかし、なぜ基地に仔猫が?
★『ナッシュ』
…米軍で習った光線技を武器に戦います。
「ソニブ !」
とか
「サマソ !」
とか
うるさいです。
『ストU』でガイルも使っていたことを考えると、
光線技は米軍の必修項目
のようです。
…アメ帝は油断なりませんね。
★『アーサー』
…え? 『魔界村』より参戦…??
げええぇっ!!!
この8頭身のゴールドアーマーが、あの「アーサー」!!??
パンツ一丁で中世の森を駆け巡っていた
「3頭身ヌーディストおやじ」
の変貌ぶりは、
当ゲーム最大の「衝撃」と申せましょう。
でもエンディングで、崩れ落ちる敵基地から
「脱出装置、ポチっとな」
などとぬかして
鎧を解除したその姿は、紛れもなく「3頭身」。
嗚呼、やはりあんたは「アーサー」だった。
しかし、どうやって動かしていたのか、その8頭身の鎧?
★『バレッタ』
…人間界きっての魔物ハンター「バレッタ」も参戦。
特筆すべきはアイテム入手時のセリフ。
切羽詰った声で
「もっとくれえぇ」
と叫びます。
このことから、彼女のアイテムの中身は
『クスリ』(←詳細は伏せる)
ではないかと、一部の人々の間で囁かれています。
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