ドリームキャスト用ソフト


『グランディア2』


販売:ゲームアーツ        プレイ時間 :「35時間ほどでクリア」

購入価格:あぢ君に借りる         執筆日:2003年 10月5日





■第一章 『第2作』


『グランディア2』(ゲームアーツ)は、
ロールプレイングゲームです。


セガサターンで、
CD2枚とは思えない超絶ボリューム
ユーザーのド肝を抜いた(筆者含む)『グランディア』の、
戦闘システムを継承する2作目です。

が、ストーリー的には全くつながりの無い別作品です。



…実は、これを貸してくれた友人の「あぢ君」が、事前に
『つまんないよー、激つまんないよー、
僕「コニヒロ」のためだけにガマンして遊んだもん』

と、分かるような、よく分からないような感想を述べていました。

多少不安でしたが、
「前作」の鬼のような作り込みに対する
『2作目』の変貌を見たかったのでプレイしてみました。




…で、次章で早速『ストーリー』の概要を紹介したいと思います。
当然、「ネタバレ」バリバリなので、
そういうのが困る方はご覧にならないように。 世露死苦。

★(「システム批評」などは、『第七章』以降にあるので、
読みたい人はスクロールしてほしいし。)







■第二章『首都へ』


…はじめに、導入部のストーリーを。



『遥かなる昔 グラナスは希望の光を人に与えたもうた
人は希望の光りによって大いなる繁栄を手にした

しかし 闇の悪魔ヴァルマーは人から光を奪おうとした
グラナスは人を守ろうとして戦い戦いは果てしなく続いた

ついにグラナスの剣がヴァルマーを貫いた

しかし グラナスの剣はヴァルマーを砕き貫いただけでなく
この星の地表にもいく筋もの醜い傷痕まで穿ってしまった

これが現代に残るグラナクリフ大地の傷痕である
我らがこの大地を [呪われた大地]と呼ぶ理由である』



(「グラナス」やら「ヴァルマー」やら
聞き覚えの無い単語が出てきて、ちょっとウンザリですね。
導入は簡潔に、印象的に構成しないと、プレイヤーの心に残りづらく、
後々の伏線として活きてきませんよ、うひょうひょうひょ老婆心。)



…要は、『グラナスは神』 『ヴァルマーは悪魔』
『グラナスの剣で、ヴァルマーは
バラバラの破片にされて、世界中に飛び散っちゃった』

と、大ざっぱに解釈して下さい。






…さて。 それでは、ゲームスタートです。

用心棒稼業で身を立てる、放浪の青年剣士。
それが、主人公の『リュード』です。

彼は、人語を話す鷲の『スカイ』と共に、
「ある目的」のために旅を続けています。

過去に何があったか知りませんが、変に斜に構えた、
『へっ』とか『ふんっ』とかいうセリフが似合いそうな性格です。




…ある日、彼らは、
悪魔の破片の1つ『ヴァルマーの翼』
定期的に封印の儀式を施している修道女たちの
護衛につくことになりました。

ところが、なぜか儀式が失敗。
ヒロイン『エレナ』を除く修道女全員が惨殺され、
エレナ自身も『ヴァルマーの翼』に乗り移られてしまいます。


教会に戻って『エレナ』を休ませ、
神父と今後の対策を練っていた『リュード』の前に、
「コウモリのような巨大な翼」を持った少女『ミレーニア』が出現。
圧倒的な魔力で、『リュード』をボコって去っていきました。

この『ミレーニア』とは、一体何者なんでしょう?
(て、勘のイイ方なら、この時点で十中八九、予想がついたと思いますが。)




…で、翌日。

エレナ達が所属する宗教「グラナス教」を束ねる
法皇『ゼラ様』に会って、対策を講じてもらおうという事になり、
『リュード』と『エレナ』は、首都の「グラナス神殿」を目指す
旅に出ることになりました。



…途中の町「アギール」で、
大切な母の形見の「メダル」を無くした少年『ロアン』を手伝って、
一緒に旅をする事になったりもします。

いえ、主人公は嫌がったのですが、『エレナ』が
「困った人を見過ごすのは、グラナス様の教えに反する」
とか 言いやが おっしゃったので、やむなく…


で、メダルを探す道中で、
『ミレーニアの正体が、夜だけ「翼」の魔力によって
変身させられるエレナ』
であることが判明!(←バレバレです)


…どうなる事やら。






■第三章 『食いあう者』


…世界の裂け目「グラナクリフ」に到着し、
皆でキャンプしていたら獣人『マレッグ』に襲われました。

主人公の匂いが、『マレッグ』の村を襲った
凶悪な剣士と似ていたため勘違いしたそうです。
その凶剣士こそ、『リュード』が捜し求めている
実の兄『メルフィス』でした。

ゲーム画面には一瞬、
「リュードの過去の情景」がフラッシュバックするのですが、
あまりにも表示時間が短いのでわけが分かりません。



…こういう「フラッシュバック」による演出はよく使われますが、
『最低限、ユーザーにも、何が起こっているかの
断片的な情報が見て取れる』
ようにして、
なぜこんな事が起こったのか推理する楽しみ
つなげるようにするべきです。

でないと、ただの自己満足の演出に終わってしまいますよ。
…て、商品になっている時点で手遅れだけど。




…交易都市「リリグ」で、市長にとり付いていた
『ヴァルマーの舌』を撃破。
ところが、宿主である市長は元には戻りませんでした。

ヴァルマーの断片にとり付かれた人間の心は、
断片を倒しても元に戻ることはないそうです。

植物人間のようになってしまうという事でしょう。



…では、「ヴァルマーの翼」にとり付かれている
『エレナ』は、どうなるのでしょう?

そして、他の断片を吸収して強大になる
『ヴァルマーの翼 ミレーニア』の行き着く果ては?


…物語が「重み」を増してきました。






■第四章 『母と娘と』


…エールボートに乗って「グラナクリフ」を超えようとしたら、
事故で雪原に墜落してしまいました。

その近くの「ミルムの村」で、
母の祈りによって盲目の娘が完治した
(実は、娘が『ヴァルマーの目』の宿主となってしまったため)
ために、魔女扱いされ迫害されている母子と出会います。


娘の幸せを願うばかりに、
「祈り程度で目が直ってしまった」という異常事態すら
受け入れてしまう『親の愛』深さと悲しさが光る反面、

「グラナス様のご加護の賜物です」と単純に大喜びしている
電波系ヒロイン『エレナ』阿呆ぶりがイライラする場面です。





…そんな折、首都から派遣された
グラナス教の『精霊騎士団』が村に到着。
騎士団を束ねる女幹部『シレーネ』は、
この村に異端の疑いがあるので焼き払うとか言い出したりします。

宗教を心の拠り所とする事でしか自己を保てない人間は、
やっぱアブナいなぁ、
と思わせるシーンですね。




…で、色々ありましたが、主人公たちは
どうにか首都「セントハイム法国」へ到着。

法皇『ゼラ』は、『エレナ』の体内の「ヴァルマーの翼」を
取り除くために必要な『グラナスの剣』を見つけてきてほしいと、
主人公に依頼します。






■第五章 『兄との決着』


…『グラナスの剣』の情報を求めて、
『ロアン』の故郷「サイラム王国」へ。

「バザンの地下プラント」で、
『ヴァルマーの爪』を撃破します。


…そこに現れた、主人公の兄『メルフィス』

『ヴァルマーの角』と融合して凶戦士と化した兄に、
なすすべも無くボコボコにされる主人公たちですが、
機械人形『ティオ』によって九死に一生を得ます。




…主人公たちは『メルフィス』を追って、
『リュード』の故郷である「剣士の島」へ向かいます。

しかし、彼らは歓迎されません。

かつて、この島に住んでいた兄『メルフィス』が、
ヴァルマーの角の魔力で凶戦士となり、
村人たちと、彼自身の婚約者までもを惨殺した事件が、
いまだに尾を引いているのです。

回想シーンとして、
『自分の恋人を剣で串刺しにして、
高らかに笑う凶戦士メルフィス』

の姿が映し出されます。

村のはずれの山で、再び『メルフィス』と対戦。
これを倒す主人公。




…僕は当初、
『倒した者が呪われることで、次々に宿主が
移り変わっていく「ヴァルマーの角」の性質上、
殺す事でしか恋人を「角」から解放できない。
それなら、死ぬほど大切な彼女は、
他人なんぞの手に絶対にかけさせない。

というメルフィスの覚悟が、
恋人を殺すという結末を生んだのだと思ってました。

巷に溢れる「スタイルだけの恋愛」には無い、
『本物の愛情』の果ての行為だと思ってたわけです。




…ところが最後まで兄の話を聞いてみると、
『「ヴァルマーの爪」の圧倒的な力を自分のものにしたい
という欲望に負けて、恋人を殺してしまった』
のだそうです。


僕は、恋人を串刺しにした時の彼の高笑いを、
『自暴自棄の空笑い』ととったのですが、
実は『歓喜の笑い』だったわけですね。






阿呆か君は。 死んで正解。






■第六章 『最終戦』


…『マレッグ』の故郷で得た情報にしたがって、
「紫雲の塔」と呼ばれる大竜巻の中に
隠された『グラナサーベル』を発見。

ところが、そこに現れた『シレーネ』が、
サーベルの刺さっていた『ヴァルマーの体』
生贄を放りこんで復活させてしまいます。

なんとか、これの内部に潜入して中枢を撃破した主人公たちは、
『グラナサーベル』(正体は中規模宇宙船)に乗って首都へ帰還。



…と思ったら、いよいよ
『闇の日』(ヴァルマーが復活すると予言されていた日)
が始まってしまいました。

天空にあった「赤い月」の魔力が復活する日です。

『シレーネ』は、法皇の命令によって自らの命を生贄にし、
月の魔力で『ヴァルマーの心臓』を復活させて
主人公たちに挑みます。



…「心臓」を撃破した主人公たちが法皇に詰め寄ると、
彼は『ヴァルマー復活こそが真の目的』だと言い、
隠された『本当の歴史』について語り始めます。



『グラナス』は、実は「神」ではなく、
外宇宙からやって来た『侵略兵器』だった。

そこから発せられる光は、
人々に「幸福感」と「高い文化」を与えると同時に
「気力を奪う」能力があり、
人類は徐々にダメになっていった。

それに気が付いた一部の人類は、
対抗兵器として『ヴァルマー』を製作。

『ラグナス』に一大決戦を挑み、これを破壊するが、
『ヴァルマー』も大破して四散。



…そして現代にいたる。



…と、いうものでした。

人類にとっては、結果的には「神」と「悪魔」が逆なわけですね。
恐らく、神話を伝えた者が『ラグナス』の洗脳を受けた人間で、
史実を歪曲したのでしょう。



…結局、『ラグナス』を崇めながら、肝心のラグナス自体は
とっくの昔に消滅していたというわけです。

で、『ゼラ』は、四散した『ヴァルマー』を集めて制御し、
世界を統治するつもり
なのだそうです。




「法皇」という最高の地位にいるわけだし、
もうイイじゃんか、とも思うのですが、彼は
『幸せなときは蔑(ないがし)ろにして、
自分の困ったときばかりセッセと神の加護を受けに来る、
そんな民衆の身勝手さ・傲慢さが許せない』
と言います。


…イイ事言うじゃないの、ゼラ。 そうだよな。
個人の欲望の成就に、努力よりも偶像崇拝を優先するヘタレども
のために、なんで汗水たらしてやる必要があるのか?

そんなものは、「偽善」か「本末転倒」だ。
『エレナ』の阿呆ぶりがイイ例だぜ。

僕ぁ、君に同意する。 ゼ〜ラ!(エール) ゼ〜ラ!(エール)




…で、『ヴァルマー』を手に入れて、どうするんだい兄弟?

そーかそーか、
『愚民どもを一掃して、自分だけしか存在しない
完璧なる秩序の世界を作る』
と言うんだね。


あはははははははは…










…それ「変」じゃないか、ブラザー?




…でも『ゼラ』は止まりません。
『エレナ』をさらって、『ヴァルマー復活』のために
赤い月に飛んでいってしまいました。

『グラナサーベル』に乗って後を追う主人公たち。



…月面で『エレナ』の奪還には成功しますが、
『ミレーニア』(ヴァルマーの翼)の能力を奪われてしまいます。

(でも、なぜか植物状態にはならなかったなー『エレナ』。 なんで?


全ての『ヴァルマーの断片』を集めた法皇は、
自らが『ヴァルマー』になり、
『自分以外の愚かな生物の存在しない理想の世界』
を造るために、地球全体を攻撃しはじめます。




…『マレッグ』の命と引き換えに地球に生還した主人公たちは、
サイラム王国の『ロアン』と合流。

「王家の墓」で最強の力を手に入れて、
『ヴァルマーの断片』『法皇ゼラ』撃破。


世界に平和がおとずれました。






■第七章 『良い点』


…ではでは、システム部分などの批評に入りましょう。
まずは、良いと思った部分について。



『BGM』

…いきなり個人的な事なのですが、
このゲームの作曲者の『岩垂徳行さん』の曲が好きなので、
氏の曲が大量に聴けて嬉しかったです。




『戦闘システム』

…前作では、主人公たちがある程度強くなってくると、
「攻撃・魔法によるキャンセル」だけで、ほぼ完全に
敵の足止めができてしまい、一方的な戦闘になりがちでした。

今回は、『キャンセル値が調整してある』らしく、
それほど一方的にならなかったので、
緊張感が途切れずイイ感じでした。


…反面、強敵が大量に出たときに
こちらがバンバン「キャンセル」されてしまい、
手も足も出ないまま全滅というケースが2、3あったのが
非常に残念ですが。
(最終直前の『ヴァルマーの目』の強いこと強いこと。)


…でも、ハデなエフェクトによる戦闘は大迫力で、
動きにもメリハリがあり、心地良かったです。




『スキルエッグ・スキルブック』

…使用可能魔法は『スキルエッグ』
個別パラメータは『スキルブック』の装備によって、
パーティの誰もが変更・付加することができる、
という自由度の高さは面白いと思います。

「エッグ」「ブック」の能力上昇のさせ方も、
プレイヤーの自由だし。


成長させる要素が多い分、戦闘の目的が途切れないのも、
中だるみを防ぐ役目をシッカリ果たしています。




『ストーリーの姿勢』

『都合の悪いこと、イヤなことでも、
それが「現実」ならシッカリ受け止めよう』

というストーリー全体にただよう姿勢には、共感が持てました。

本来、「ごく当たり前」であるべき思想なんだけど、
現実世界では軽視されがちなんですよね。






■第八章『悪い点』


…次は、悪い点について。



『感情移入できない主人公たち』


★主人公『リュード』

「凶戦士の兄を追う、鷹だけが親友の孤独の旅戦士」
の割には、ベラベラとよくしゃべるので『重み』が無いです。

過去の重要な体験から『学んでない』感があります。


「スタイルだけが不良」みたいな薄っぺらさには、
渋谷あたりでイキがる若造を彷彿とさせて不愉快ですね。



★ヒロイン『エレナ』

「誰にでも等しく愛を注ごう」とする姿勢は、
一見すると広い心の理想的な人物に見えますが、
その実は『グラナス教徒としての使命感』という
主体性の無い自己満足でしかありません。


「祈り」という、物理的行使力を持たない行為への盲信
団体に我が身を置くことで、自分に今まで以上の
能力が備わったと勘違いしている姿』
には、
「新興宗教の信者」や「大会社の社員」に見られがちな
『自己の力量から潜在的に目をそらす「逃げ」の姿勢』
が見てとれて、不愉快 & 不気味です。


『人のことより、まず、「自分」、
および「自分の身の周り」を何とかしろ』

と言ってやりたくなる、屈指の不愉快ヒロインです。



…と、基本的にこんな奴らばかりなので、
遊んでいて自己投影できるような
「お気に入りキャラ」がおらず、感情移入できません。

主人公クラスに好きになれる奴がいないのって、
致命的だと思うのですが?




『スキルエッグ・スキルブック』

…アイデアとしては確かに面白そうなシステムですが、
『最初の頃から成長させられる要素が多すぎて
目標が散漫になってしまう点』
や、
『装着の自由度が高すぎるせいで
キャラごとの特徴が曖昧になってしまっている点』

は問題です。

そして、
『「エッグ」や「ブック」の装備の組み合わせによって
発生する可能性がある「ハマり」を、最大公約数的に
回避しようとした節が見られる、ゆるゆるな難度

など、まだまだ練り込み不足が感じられます。




『演出の問題』

…話自体は底々イイと思うのですが、
見せ方で失敗して損をしている部分が多いです。

『フラッシュバックが短すぎて、
何が起こっているのか分からず、推理する楽しみが無い』


『伏線を引かずにいきなり結果だけ見せられたり…
あるいは、伏線から間が開きすぎて、ほとんど忘れた状態で
結果を見せられるため、驚き・感動が希薄』


『ダラダラ長かったり、現実味の薄いセリフ・単語で
かためられているため、心にしみない文章』
などなど…


…製作者にとっては分かりきっている内容も、
ユーザーに伝わらなくては意味がありません。

それを伝えるための手段が『演出』だ、
という事を肝に銘じたゲーム作りをしてほしいと思います。




『ポリゴン』

…全てをポリゴン表示にしてしまっているため、
ロング視点になるとキャラの表情がさっぱり分かりません。
「顔窓」も小さいし。

また、付近の壁が高い場所だと、
その裏に主人公たちが隠れてしまい、
非常に操作しづらいです。

あと、「顔窓」のグラフィックと、ポリゴンキャラの
イメージが違う(等身・顔のつくりなど)のは、ちょっと…




『一本道』

…展開が本当に「一本道」です。

その最たるは、
『道中の敵をキッチリ全部倒しておけば、
(フィールドを徘徊する敵は、そこから出るまで再補充されない)
後戻りして経験値を稼ぐ必要が無いゲームバランス』

でしょう。

なんか、とことん、製作者にプレイを
管理されている
感があり、不愉快です。




『スカイの存在』

…『リュード』と長年の旅を共にし、ある意味『リュード』の
精神的「親」のようなポジションにある『スカイ』ですが、
物語にほとんど絡んできません。

こんなに「おいしい」位置にあるキャラを軽視する、
製作者の考えが理解できません。






■第九章 『最後に』


…今回書き上げた『グランディア2』の批評は
過去の批評の中でも、恐らく
最大のテキスト量になったのではないでしょうか?

大作ゲームの批評をやれば必ずこういった事態になるだろう、
と踏んで、今まで敬遠していたのですが、
今回あえて挑戦してみました。



大作ゲームでも… いや、大作ゲームだからこそ、
製作段階で細部までスタッフの目が届かずに残った「アラ」が多く、
ゲームとしてのまとまりは『発展途上』である事を再認識しました。




…お薦め度ですが、ストーリーに関して言えば
『10代向けの量産ファンタジー小説』程度なので、
本当の意味での「大人」には薦められません。

終始、主人公たちの稚拙さにイライラさせられる事でしょう。

可も無く不可も無いレベルなので、
中古ショップで投売りされているのなら、
軽〜いヒマつぶし用にいかが? という程度ですね。






…そうそう、最後に本当に個人的なことでアレなんだけど、
思い出したので書き留めておこうと思います。


丁度このゲームをやっている時の話なんですが、
うちのHPの掲示板に書き込みに来ていた女が
『エレナみたいな性格』(第八章 参照)で、
ゲーム中に思い出してはイライラしたものです。


その人物についての描写はさけますが、
大ざっぱに言うと
『自分の周りの現実を等身大に受け入れず、
自分ではなく周りの人間から得た情報だけを「盲信」している。
そんな自分の稚拙さを棚に上げて、
他人の所にセッセと道理を説きにやって来る』

といった感じの人間でしたね。

わぁ! 文章にしたら、まんま『エレナ』じゃん!


…そういった人間の「稚拙さ」「幼児性」を、
必要以上におだて、肯定する商品を流通させる事で
『手っ取り早く収入を得てきた80年代』のツケが、
今になって露出してきたわけですね。

恐ろしい & 情けない事です。 南無南無南無…




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