ドリームキャスト用ソフト

『ゼロガンナー2』


販売 彩京             プレイ時間 「クリア5〜6回」

購入価格 釣人さんに借りた   執筆日:2003年 2月24日





■第一章 『前作より成長』


『ゼロガンナー2』(彩京)は、
微妙にナナメ見下ろし視点になっているシューティングゲームです。
(基本的には縦方向にスクロールしますが、
場面によってはスクロール方向が変わります。)



前作は、厳しい言い方をすれば、
視点をナナメ見下ろし型にしただけの普通ーの縦スクロールSTG
という印象が強かったのですが、今作では当ゲームの特色である
『自機のショット方向を自在に変更』できる点を
ジックリ考慮した敵配置になっており、
はるかに攻略の楽しみが増しています。



…また、一般的なシューティングだと、
比較的短時間でプレイヤーが敵の出現パターンを憶えてしまい、
プレイが作業的になってしまいがちです。

が、当作品では360度あらゆる方向から敵が出現し、
自機の方向転換にも一クセあるので、
なかなか思い通りにはパターン化できず、
それが独特のスリルを生み出しています。






■第二章 『個別評価』


…ではでは、当作品の良し悪しをズラリと挙げてみましょう。



『カメラワークのうまさ』

…OPなどを見てみると、
元グラフィックの良さもさる事ながら、
カメラワークの巧みさに唸らされます。

逆にゲーム内では、ほとんど視点が変化せず、
せいぜい『ボスの出現時』の演出のために変動するぐらいです。
(当然この間は、自機・敵とも当り判定は無くなります。)


…これは、実に正しい選択です。

ゲーム中にコロコロ視点を変えられては、
敵と自機との距離感が安定せず、
必然、プレイは大味なものになってしまう事でしょう。

自分のカメラワークの技量を見せたいがために、
遊び手のプレイ環境を二の次にしがちな企画者が多い昨今、
こういった部分こそ見習うべきです。




『BGMの良さ』

…透明感と疾走感を持ったBGMが多く、
心地良くプレイできます。

音量も押さえ気味なので、
効果音を喰うような過剰な自己主張もしておらず、
すんなりと耳に入ってきます。




『構成の上手さ』

…1つのステージ内に
必ず3つほどの特色ある『山場』が存在する等、
構成にメリハリがあります。

さすがはシューティングの老舗『彩京』。
構成のコツを知っています。




『アイテム回収システム』

…当作品では、『ショットボタンを押さずにいると、
浮遊しているアイテムが自機に向かって集まってくる』

ようになっています。

そのため、押しっぱなしになりがち(オート連射なので)
ショットボタンからこまめに手を離して、
画面外に消える前にアイテムを回収する必要が生まれます。

その結果、知らず知らずのうちに
『撃つべき場面で撃つ』
メリハリあるプレイが楽しめるわけですね。


…シューティングゲームに「連射機能」が付いて以降、
プレイヤーがボタンを押しっぱなしにするダラダラプレイ
無くすために数々のアイデアが生まれましたが、
『弾を撃たない』ことにメリットを持たせている点で、
このシステムは成功例の1つと言えるでしょう。




『自機の方向転換の難しさ』

…プレイヤーは、画面内に常に表示されている
『照準』を自由に移動させることができ、自機は、
この『照準のある方向にショットを撃つ』ようになっています。

そのため、照準が遠くにあるときは瞬時の方向転換ができず、
近くにあるときは精度の高い方向転換ができません。
(照準がちょっと動くだけで、自機が大きく向きを変えてしまうため)


…その大味な部分を、『自機の移動』で補うのが当ゲームの遊び方だ。

…という意見もあるでしょうが、『敵が出た』⇒『向きを変える』という
流れがスムーズに行かないと、やっと敵のほうを向いたとき、
すでに相手が画面外に帰っていった後だったりして、
なんか悲しいです。




『アイテムに隠れる敵弾』

…大量のアイテムが画面内を浮遊するのが当ゲームの特徴ですが、
その陰に隠れた敵弾にやられる事があるのは納得できません。

敵弾のプライオリティ(表示優先度)を手前にする等、
解決策もあったはずです。




『ボスがすぐロボットになる』

彩京節ですな。 良かったり悪かったり。

そろそろ、ちょっとクドかったり。






■第三章『総評とオマケ』


…全体的に見れば、実に心地良いシューティングです。

難度も高すぎず、ちょっとやり込めば
基本クレジットの範囲でエンディングに到達できるでしょう。

堅実な攻略が実を結ぶ、奇をてらわない正統派STGです。

ぜひ一度、お試しをー。




…では最後に、3機の主人公機の性能と攻略をもって、
当批評のシメといたしましょう。


『アパッチ』

…通常ショットは平均的破壊力だが、
ボムのホーミング力と破壊力が絶大。

中・大ボス戦が苦手なプレイヤー向き。



『コマンチ』

…通常ショット・ボムとも、なかなかの威力を誇る。

が、どちらも直線系の攻撃でホーミング力が無く、
自機の適確な方向転換を要求されるストイックな機体。



『ホーカム』

…通常ショットが、「幅広いショット」と
「ホーミングミサイル」で構成されているため、
大雑把な方向転換で充分対応できる機体。

反面、ショット・ボムとも破壊力が低く、
ボス戦が長引き、辛い。






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