プレイステーション2


『ファンタビジョン』


販売: SCE

プレイ時間 : ステージ3中盤まで

購入価格: 480円

執筆日: 2006年 08月21日





■第一章 『初期を飾った商品』


『ファンタビジョン』(SCE)は、アクションパズルです。

PS2発売初期に鳴り物入りで登場した商品なので、
名前だけは知っている!という方も多いのではないでしょうか?


内容としては、パズルに花火の美しさを盛り込んだゲームです。

夜のビル街の上空数百メートルを浮遊するような景色をバックに
炸裂する花火はたしかに美しく、また、その花火の表現もなかなかに秀逸で、
『PS2では、こんなに美しい画面でゲームが楽しめるんですよ!』
というSCE鼻息が顔にかかる思いですね。(ややイジワルな文




さて、システムですが、大ざっぱな基本としては…


まず、自機(カーソル)から出ている ライン
360度自由に回転させて、花火の ロックオン


カーソルが弾の位置に移動するので、
そこからさらに ライン を使って別の弾もロックオン。


こうして、同じ色の弾を3つ以上ロックオンしてから、
○ボタンを押して 爆破



といったところです。



当然、4つ5つと追加ロックオンしていけば得点は上がるし、
途中に特殊アイテムワイルド(7色の弾)を絡めることで
別の色の弾も巻き込んだロックオンが可能。

ロックオンせずに、長いこと弾を空中に上げたままにしておくと、
一定時間で消滅し、プレイヤーにダメージを与えます。

こうしてプレイヤーの耐久力が無くなるとアウト
無くなる前に一定ルートを走破すればステージクリアです。



テクニックを駆使することで『スターマイン』という
ボーナスステージを発生させることが可能で、
ここである程度耐久力を回復させることが可能です。

また、爆発した花火の粒子には、同色の弾を誘爆させる効果があり、
これによるさらなるコンボが可能となっています。

ステージクリア時には自分のプレイデータを保存し、
好きなときにそれを様々な視点で鑑賞することもできます。




…と、こうして並べて見ると、なかなかに多彩で戦略の楽しみが多く、
しかも美しさまで併せ持ったすごいゲーム
のように思えますよね?


ところが遊んでみると、ありゃりゃりゃりゃ???







■第二章 『消極プレイ』


なんか、最初に夢見ていた
『美しくて爽快なプレイ』全然できませんよ?

自分が下手だから? とも思ったのですが、
色々と調べていくうちに「どうもそれだけでは無い」と気が付きました。

以下に、上記の感想に関わる、当ゲームの難点を列挙してみましょう。




弾の出現は通常8個まで


弾は、ほぼ必ず「4個」同時に打ち上げられます。

この一かたまりを「1回」と考えると、
プレイヤーがロックオンも何もしないでいた場合、
「3回目」の弾が打たれる直前に時間切れで消滅しています。

つまり、一時的に弾の寿命が延びる効果をもつロックオンを行わないかぎり、
画面内には必ず「8つ」しか弾が存在しないことになります。

そのため、他の同系列のゲーム(同じ色を3つ以上そろえて消すタイプ)
に比べてパーツ数が圧倒的に少ないため、
大量の同色パーツをそろえて一気に壊すという醍醐味が味わえず
なんともチマチマしたプレイ感覚になってしまいます。




『ライン』の弱点


「画面内の離れた場所にある対象をロックオンする」という、
従来なら十字ボタンとプレイヤーの指を酷使しかねない
プレイ内容への1つの解決策が、この
『360度自由に回転させられるロックオン用ライン』の存在です。


ちょっと見ると、諸所の問題を一気に解決させる
優れものアイディアのように思えますが、そこが落とし穴
実際にプレイしてみると、必ずしも思い通りにロックオンできないのです。

というのも、「ライン」という1次元的なものを使っているため、
『同じライン上に複数の弾がある場合、近いものを強制的にロックオン』
してしまい、混戦時ともなれば、離れた場所にある目標物を
ロックオンするのはほとんど運まかせ


また、ロックオンすると、当然ラインの発射ポイントも
そこにジャンプするため、短時間でポンポンロックオンしていくと
自分が今どこにいるのかを見失いがちです。

ではどうするか?というと、結局はラインをブンブン回して、
うまくロックオンできる色(同色かワイルド)にぶつかったらロックオン…

を繰り返すだけの、力まかせの寂しい展開に陥ってしまいます。





…以上のシステムから、スピーディにバシバシとロックオンして
手際よく花火を咲かせるのは難しく、
そもそも素早くロックオンしたところで「得点はいっしょ」なので、
狙う価値が全く無いのです。



先に答えを書いてしまいますが、
僕が遊んだかぎりの当ゲームの最も効率のいいプレイは、


とりあえず、いつでも爆破できる数の弾をロックオンしておく


ロックオン中は弾の寿命がのびるので、
その間に下から打ち上げられる同じ色の弾を
チマチマと追加ロックオンしておく


ロックオンサイトの中の弾の寿命が尽きる直前になったら、
仕方ないので爆破を実行



以下、繰り返し…





これだけ聞くと、ものすごく消極的な駄目プレイみたいですが、
これが一番効率的だからシャアナイやん!(逆ギレ


ユーザーに美しく戦ってほしいなら、
そういう戦いをした場合の評価や見返りを最も高く設定しておくのは、
企画者として当然の仕事だと思うんだけど… 違いますか?







■第三章 『いつもの事だが…』


他にも色々気になることはあるのですが、
僕自身も面白さが見つけられないまま頑張ってステージ3まで来たところで
心が折れてしまったので、深くツッこんだ評価はせずにおこうと思います。

いつか、このゲームの良さを発見することができたら、
その時また改訂版の批評を書くかもしれません。



それにしても、本当にSCEのパズルには当たりが無いな…

雑誌での評価は高いのにね。 ナンデカナ〜?? 圧力?



あと、ステージ3でフィールドが宇宙空間になり、
全方向から花火が打たれるせいで、爆破後の花火の粒子によるコンボが
異様につながりづらくなってた
気がするんですけど、あれも仕掛けの1つですか?

ゲームを面白くするための仕掛けというより、
いかにプレイヤーを苦しめるかという思い付きにしか見えなかったのですが…






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