NINTENDO 64用ソフト


『ポケモンスナップ』


販売:任天堂             プレイ時間 :「全キャラ撮影」

購入価格:1380円          執筆日:2003年 10月1日





■第一章 『3Dシューティング』


『ポケモンスナップ』(任天堂)は、写真撮影アクションゲームです。


フィールド内に敷かれたレールに沿って万能カーで移動し、
そこから見える「ポケモン」「風景」を撮影して、
その技術を評価してもらうゲームです。



…フィールドは最終的に『8つ』まで増え、
それぞれのフィールドには、
それぞれ特定のポケモンが生息しています。

彼らの行動パターンは毎回ほとんど同じなので、
万能カーとポケモンの「位置・距離」を考慮して、
いかにうまく『正面』から『画面いっぱい』に撮るかを
試行錯誤する楽しみがあります。



…また、『プレイヤーの行動』によっては、
ポケモンたちが「さらに多彩なアクション」
「特別な行動」を取ることがあり、
それが写真の評価をさらに高める場合もあります。




…ちなみに、
「カメラ」を『銃』と考えれば、このゲームの基本構想は
従来の『3Dシューティング』と何ら変わらない

事に気付いて、二重の驚きを感じる事でしょう。

ゲームシステムも、
味付け次第ではガラリと内容が変わってしまう
という好例ですね。






■第二章 『システム批評』


…ではでは、早速システム批評に入りましょう。



『コースの意味』

「写真撮影」という自由度が高すぎるシステムを、
『フィールドにコースを敷く』ことで目的を絞り込みやすくした
システム構築の巧みさには驚かされます。




『こまめに入る小目的』

…ゲーム中、常に何らかの「小目的」が与えられるため、
中だるみがありません。




『チュートリアルのうまさ』

…「写真」という評価基準の難しい題材を、
『画面の中心に』(位置)
『画面いっぱいに』(適切な距離)
『いきいきとしたポーズで』(対象の動作がプラス評価になる)

撮影するようにプレイヤーに指示するあたりに、
当作品のスタッフの『作りのうまさ』を実感します。




『追加アイテムの意味』

…「撮影」という、ある意味『受動的』なゲーム内容に、
一部のポケモンの行動に変化を生じさせられる
「アイテム」が追加されていく事で、じょじょにゲームが
『能動的』なものに移行していきます。

2種類の面白さを持つ作品と言えるでしょう。




『視覚的問題』

…ちょっと残念なのが、キャラの輪郭がハッキリせず、
「ポケモン」と「風景」の色の相性によっては
判別が困難な場合があることです。

また、「ポケモン」に接近しすぎると、
実はポケモンは自分のすぐ前にいるのに、
「カメラ視点」がポケモンのさらに前に行ってしまい、
目の前に何も無いのに万能カーが動かなくなる
といった状態になってしまいます。






■第三章 『改良案』


…次に、改良案についても列挙してみましょう。



『しゅやくセンサー』

…対象がファインダー中央に来ると知らせてくれる
「しゅやくセンサー」ですが、さらに
『距離が適性かどうか?』も教えてくれると嬉しいです。

本来の「しゅやくセンサー」のライトを『緑色』にして、
適性距離より遠ければ『青っぽく』
近すぎれば『赤っぽく』表示すれば、
ベストショットを撮影する重要なヒントとなりうるでしょう。



『ポケモンレポート』

…撮影したポケモンの情報だけでなく、
まだ見つけていないポケモンを
『出現・撮影』させるための、ちょっとしたヒント
載せてほしかったところです。



『フリーフィールド』

…ひととおりのコースを廻って、バッチリ撮影技術が付いた頃に、
レールに縛られず自由に徘徊・探索できるボーナスフィールド
あると、さらに良かったと思います。

容量的に難しいでしょうが…






■第四章『最後に』


「写真撮影」という珍しい題材であること、
ジックリと自分の撮影技術を上げていく楽しみがあることなど、
ポケモンに興味のある人はモチロン、
無い人にもお薦めできる良質アクションゲームです。

なぜか最近、値段が大暴落しているので、
(2003年9月現在、板橋区で480円で売っているのを見た)
「64」を持っている人は今がお買い得かも。



…最後に、個人的な思い出を1つ。

このゲームを遊んだ2003年8月ごろは、
例年に無い冷夏で、筆者の心も沈みがちでした。

なので、最初のステージの『海辺』の、
草原の緑と、空と海の青は、実に心にしみました。


いやホント、個人的な感想でアレなんですけど。




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