ウィンドウズ用ソフト

『硯』


開発 ABA Games           プレイ時間 「クリア3回」

購入価格 フリーウェア         執筆日:2004年 9月20日





■第一章 『和風 亜駆書夢』


皆さんも一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか?

『右から流れてくる障害物を、上下に慣性のかかる自機を
操作して避けるスクロールアクションゲーム』


「手軽なアクション」として遊んだプレイヤーや、
「初心者の頃に自分でも作ったものだ」と懐かしく思う
プログラマーも多いことでしょう。



今回紹介する『 硯 』は、
そのゲームのシステムを受け継ぐ手軽なアクションです。

が、初めてゲーム画面を見た者は、ド肝を抜かれるはず。
とても、懐かしのあのゲームと同系列作品とは思わないでしょう。



何しろ、右のほうから出てくる障害物が、
半紙に筆で書くようにドンドン描かれつつ流れてくる
のですから。

もう、それだけでも一見の価値充分。



しかし、そんなインパクトばかりが当作品の凄さではありません。

まずは従来のものと比較して、当作品の
ゲーム性の高さを浮き彫りにしてみましょう。







■第二章 『比較』


以下が、両者の比較です。


今までのタイプ『硯』
上下移動  加速したら、そのまま移動量固定。  入力しないでいると、
 徐々に移動量が0に戻る。
前方へ
の加減速
 無し  可能
ルール  ぶつかったらミス。
 規定数ミスするとゲームオーバー。
 ぶつかると、一定時間速度が最低に。
 ゲームオーバー無し。
 ゴールまでのタイムを競う。





以上から、まず、
『従来では、上下移動の後にはほぼ必ず自機を直進に戻すために
反対側にレバーを入れるという動作が必要だったものが、
自動的に移動量が0に戻るため何も入力する必要がなく、
したがってプレイヤーの労力がかなり軽減されている』

という改良が見てとれます。



次に、『前方への加減速が調整できる』ことにより、
時間の経過とともにドンドン組みあがっていく地形に対して、
『スピードを上げて、空間が広いうちに逃げ切るか?』
『ゆっくり進んで、障害物を見てから避けるまでの猶予を重視するか?』
という2択が生まれます。



そして、その2択を活かすために、
従来の「接触すればゲームオーバー」ではなく
『レースゲームのようにタイムを競う』という
システムにしている点も秀逸です。



1プレイが3分程度なのも気晴らしに丁度良く、
その辺りも含めたバランスの良さは、
当ゲームの作者が『ゲーム作り』というもののコツを
シッカリ理解している証拠と言えます。




1つだけ難点を挙げるなら、
『自機の先端が「ナナメ線」のため、当たり判定が分かりづらい』
という部分でしょうか。

ただ、それを考慮しても、同タイプのゲームの中では
現時点でほぼ最高の出来と断言できます。
フリーウェアですので、皆さんもぜひ一度体験してみて下さい。




僕も覗いてみたのですが、「ABA Games」には、
まだまだ驚きのシステムを持ったゲームが公開されておりますので。

← ここをクリックして、「ABA Games」を見に行ってみなさらんか。





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