ウィンドウズ用ソフト

『ねこ暴落』


制作:ねぴあわ〜るど         プレイ時間 「20時間ほど」

フリーウェア               執筆日:2003年 1月7日





■第一章 『特異』


『ねこ暴落』(ねぴあわ〜るど) は、
不思議な縦スクロールシューティングです。

大雑把なルールは以下の通り。



@画面上方からポロポロと降ってくる『猫少女』たちを
画面最下部に落としてしまわないように、
自機を左右に移動させてキャッチします。



A画面内には所々に「横長の壁」が設置されており、
左右の端を自機の『ショット』(Tボタン)で撃つと、
回転ドアのようにゆったりと回すことができます。 
(ショット4〜5発で180度回転します)

ぶつかると死にます。



B自機は、Uボタンを押すことでいつでも一定時間、
画面奥に『もぐる』ことができます。

もぐっている間は、壁をすり抜けて進むことができますが、
同時に猫もキャッチできなくなります。



Cしばらく進むと、
画面外からランダムに「弾」がとんできたり、
一定方向に弾を撃ち続ける「赤い壁」が出てきます。

弾が「猫」に当たると、猫は死にます。
弾が「自機」に当たるとゲームオーバーです。



Dプレイヤーには
『良心の呵責(かしゃく)』というパラメータがあり、
何らかの理由で猫が1匹死ぬと「5」増えて、
「100」まで溜まるとゲームオーバーです。

猫を1匹キャッチすることで、「1」減らせます。





…以上が基本ルールです。


文章で読んでみても、
今いちゲーム内容が「ピン」と来ないかも知れません。

僕も、この説明文章を書くのに苦労しました。
システムがけっこう特異なのです。




…口で説明するよりも、
実際に体験してみるほうがてっとり早いでしょう。

下の★から、『ねぴあわ〜るど』のHPに飛び、
フリーウェア版をダウンロードすることをお勧めします。







…で、批評に入る前に謝っておきたいのですが、
僕は当ゲームがたいへんに下手であります。

ダウンロード後、3ヶ月頑張ってみましたが、
猫を『150匹』助けたあたりが限界です。(泣)


上手い方は『1000匹』近くキャッチしてるのに…



…なので、批評として見当違いな部分もあるかもしれません。
そう感じた方は、ぜひメール等で意見を聞かせて下さい。

その都度、批評を修正していこうと思います。






■第二章 『クオリティ』


…ゲーム内容を一言でまとめると、
『自機ショットで自分に都合のイイ迷路を
構成しながら進む、滴(しずく)キャッチゲーム』

でしょうか?



…とりあえず当作品を遊んでみて驚くのが、
その全体的なクオリティの高さです。


『抜群のキーレスポンス』

『しっとりとしたBGMと、ぼやけて幻想的な雰囲気の
背景による、統一された舞台雰囲気』


『猫少女や壁のなめらかなアクション』

『コントラストを、背景は「低く」、手前のキャラは
「高く」することで、とても見やすいゲーム画面』



…などなど、一見基本的なことばかりに見えて、その実、
技術力のある者ちゃんと分かって いないと
表現できない事柄ばかりです。



プロの作った物でも、こういった部分が『なっていない』ゲームが
いくらでもある事を考えれば、同人サークルがこれだけの
クオリティで物を作ることは驚異といえるでしょう。
(もっとも、同サークルの責任者KJI氏は、プロのゲーム製作者でもあるのですが…)




…そして何より素晴らしいのは、作品全体から
『作り手の愛』がにじみ出ている事ですね。






■第三章 『不満』


…このゲームの難点を挙げるとしたら、
中盤からの急激な難度上昇でしょう。

この辺りから、
『画面外からの敵弾』 『弾を撃ってくる赤い壁』
『壁が3つ、コの字型に連結している障害物』
が登場し、
スクロールスピードもグッと上がります。

(僕自身もここに引っかかっています。
キャッチした猫の数が『150』のあたりですね。)



したがって、僕の批評もここ止まりになるのですが、
ココまでで感じた総合的な不満を
1つ挙げてみようと思います。





…それは、
『プレイヤーが担う制限の多さによる、
爽快感の少なさ』
です。


以下で、その原因と思われる要素を、
1つ1つ見てみましょう。




@『ショット性能について』


…たしかに自機はショットを撃てますが、
それによって変化を起こせるのは
壁の回転(および、それに伴う猫の進路変更、赤い壁の弾道調整)
のみなので、今イチ爽快感が足りません。

また、どこから降ってくるか分からない(撃つと死ぬ)が気になって、
なかなかショットが撃てないのも事実です。



…例えば、自機のショットに
『壁の中心点を何回か撃つことで、壁を破壊できる』
性能が付加されれば、壁に囲まれたときに
『もぐり』か『破壊』かの選択肢が生まれ、
突破率は上がるのではないでしょうか?

また、壁の破壊によって、『避け』が中心のゲーム内において、
プレイヤーに「破壊の爽快感」
味わってもらえるようにもなると思います。



(猫を撃つことで彼女たちを上方にバウンドさせて滞空時間を延ばす…
というアイデアも考えたのですが、プレイヤーに有利に
なりすぎる気もするので、これは蛇足ですね。)





A『自機の移動方向について』


…自機の移動を左右のみではなく『上下左右』にすれば、
余裕のあるときに少しでも上に進んで、
早め早めに壁の向きを整えたり、猫をキャッチしに行くという、
アクティブなプレイスタイルになると思います。




B『壁の衝突死判定を無くす』


上記Aに伴って重要と思われるのが、この
『自機が壁にぶつかっても死なない』システムです。
(スーファミの『スーパーアレスタ』と同じですね。)


AとBを組み合わせることで、当作品は
かなり高いアクティブ性を持てるようになるのではないか?
と、僕は考えます。


衝突の心配が無く、
キチンと壁の向きを整えて敵弾を防ぐ余裕もあり、
猫を拾える確率もグンと上がるわけですから、
『プレイヤーの爽快感』も増し、ミスしたときもプレイヤーは
『自分の責任として納得してくれる』と思うのです。




…もちろん、低くなった難度に対する調整として、

『猫1匹の死による良心の呵責の上昇値を
「10」ぐらいまでアップし、キッチリ拾っていかないと
ちょっとした油断でアッと言う間に死亡するようにする』


『「もぐり」が終了した場所に壁があるときは、
再度、もぐり直す必要がある。
この間はずっと「もぐり中」と判定されるため、
死なない反面、猫をキャッチする事もできない』


などの追加ペナルティが必要になるでしょう。






■第四章 『さいごに』


『 Team Dangeroude 』の作品は、
いずれも特異なシステムを持つものばかりで、
批評するのが実に難しいのです。

過去に類似のシステムが無いので、
『比較』しづらく、相対評価を下しにくいからです。



…一方で、その開拓精神あふれるシステムからは、
『かつて見たことの無い物を、
現物として体感させてくれる感動』

があります。


システムアイデアに荒削りな部分があることも確かですが、
将来、それらを分析・改良・統合できるようになれば、
彼らは非常に強靭なチームとなるはずです。



油断なりません。



そして、それが嬉しくてならない、新システム好きの僕なのです。





…この批評をご覧になった皆さんも、
この前向きの力に、ぜひ触れてみて下さい。

僕らが子供の頃に味わった、
『初めて出会う遊びのルールへの、驚きと喜び』に、
再び触れることができるはずです。



『ねぴあわ〜るど』の今後の動きに大きく期待する。

僕自身、そんなプレイヤーの1人なのです。





■P.S.■

…出てくる「ねこ少女」がことごとく白キャミソール着用というのは
個人的にストライクすぎますね。 一生ついていきます。 ←何によ?





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