ゲームボーイ用ソフト

『ネメシス』

販売 : コナミ        購入価格 980円

執筆日:2002年 10月2日





■第一章『シリーズ』


『ネメシス』(コナミ) は、
同社の看板シリーズ『グラディウス』ゲームボーイ版です。

本来は、『グラディウス』の海外版の名称だった『ネメシス』
作品タイトルに持ってくるあたり、
「もう、毛唐どもが泣いて土下座しても
海外に『グラディウス』は支給せん」

…というコナミさんの確固たる意向が感ぜられますね。

海外では不振なんですよ、『グラディウス』。
国民性の違いかしらん。



…で、内容としては、
『オプションが2個までしか付かない点』
『レーザーの短さ』、『バリヤの強力さ』などから、
ファミコン版初代『グラディウス』の匂いを強く感じます。

メカデザインは、MSX版『グラディウス2』ぽいですね。


BGMは、過去の作品からのアレンジが混じっており、
シリーズファンの心のくすぐり方を心得た
コナミらしい作りになっています。




…そして、実際に遊んでみると、小さいながらも
しっかり『グラディウス』になっております。


「軽快なBGM」「効果音の透明感」「オプションを使う戦略性」
「ステージごとにガラリと異なる構成」


そして、途中で死亡してパワーアップを失ったときの、
「一見辛そうだけど、頑張れば必ず
何とか復活できる絶妙のバランス」




ハードは変わっても、『グラディウス』の健在が感じられ、
1ファンとして非常に嬉しい作りの秀作だと思います。

( ゲームボーイとは思えない、迫力の巨大敵艦もスゴイし。)






■第二章『ちょっと難点なぞ』


…という感じで、
『グラディウス』ファンなら十分納得のいく内容だと思うんですけど、
冷静に「1ゲーム」として見たとき、不満が無いわけではありません。

問題点をいくつか挙げてみましょう。

(「アドバンス版」の『グラディウス』が出ている昨今、今さら何を?
と、お思いの向きもありましょうが。)





…まず、キャラクタが横に何体か並んだ状態になると、
『チラつき』(キャラクタが消えたり現れたりする) が発生してしまうこと。

「ゲームボーイの表示性能のせい」と言えばそれまでかもしれませんが、
相手を一瞬でも見失えば、それが生死に直接かかわってくる
シューティングゲームだけに、無視できない問題です。



…次に、何だかんだ言ってもやっぱり高い『ゲーム難度』。

ボス以外の敵が全く弾を撃たない、
衝突にだけ注意していればいい「イージーモード」なんて、
どうですかコナミさん?



…最後に『強力すぎるバリア』について。

「従来のシリーズと比較して、画面に対して自機が大きい点」
などからも分かるとおり、当ゲームは
『敵や弾をプレイヤーが目視してから避けるまでの時間』が短く、
「バリア」を着けているかどうかによって
その「安全度」は大きく変化してしまいます。


…ただ、これは当作品の問題点というよりは
「ハードの表示性能にも関わる問題なので、仕方のないこと」
と、言うべきでしょう。

むしろ、バリヤが張られた状態を「普通」と考えて、
『バリヤ=自機の耐久力』と割り切って遊ぶと、
手ごろな難易度でプレイすることができるようです。



もっと割り切って、『エリア88』(カプコン) のような
『体力メーター付きシューティングゲーム』にしてみる手も
ありますが、それはもはや『グラディウス』ではなく、
シリーズのファンが納得しないでしょう。
(僕は、ちょっと見てみたいですけど)


シリーズのファンを納得させ、
ゲームボーイの性能限界による遊びづらさに対しての
救済措置も施されているという意味では、
現在の形がベストなのかもしれませんね。




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