屋内スポーツ

『ボウリング』


考案者 存じません         プレイ時間 「100ゲームくらい?」

プレイ料金 様々              執筆日:2003年 3月19日





■第一章 『パーフェクトゲーム』


…今日は、皆さんご存知の
『ボウリング』について考察してみましょう。


…とか、偉そうに書き始めてみましたけど、
私、『ボウリング』うまくないのです。



先日、会社の大会で『188』というスコア(2位でした)を出しまして、
嬉々として会社の同僚「Т田くん」(不参加だった)に自慢したところ、
『それは、レーンに助けられたんですよ。』
と軽くあしらわれましたね。



屈辱です。





…で、話を聞いたところ、彼は若かりし頃、
良く『パーフェクト』をやったそうです。

ボウリングの1ゲームを全て「ストライク」で終えたときの
最高得点「300点」のことを『パーフェクト』と呼ぶそうで。

私、Т田くんに言われて初めて知りましたね。




…Т田くんは、パーフェクト当たり前のボウラーだったそうです。
マイボール持参でボウリング場に通っていたそうで。

僕より1つ年下のТ田くんは、
『そんなの当時の若者としては、ごく普通ですよ』
と言うのですが、
どこの国の「普通」の青年だったんでしょう、彼は?



彼が急に遠い存在に感じられた冬の日の1コマでしたけど。






■第二章 『ストライクをねらえ』


…とにかく、『ボウリング』のルールをまとめてみましょう。




@ 幅1メートル、長さ18メートルほどの
『レーン』(ツルツルの通路)がフィールドとなる。



A レーンの長いほうの一端に、10本の『ピン』
(高さ40センチほどで、ビール瓶のような形)
を並べる。

前列から順に、
間隔を取りながら1・2・3・4本と並べるため、
上から見ると「正三角形」になる。



B レーンのもう一方の端から、プレイヤーが
『ボール』(直径20センチ、重さ5キロぐらい。 色々ある。)
を転がし、ピンにぶつける。

ボールがレーンから外れて
左右の溝に落ちてしまった場合は『ガーター』となり、
1本も倒せない上に、
キッチリ「1投分」としてカウントされてしまう。



C 1ゲームは『10フレーム(回)』で構成されている。

1投目で10本全てのピンを倒せば『ストライク』
2投目で倒せば『スペア』となり、
より高い得点を狙える。(後述)


2投してもピンを全て倒せなければ、
その時点までで倒せたピンの数を得点として加算し、
自分のフレームは終了する。






…以上の流れにしたがって、
『ピンをどれだけ多く倒せたか』を競うゲーム。

それが『ボウリング』です。




…ただ、ここで注意したいのが、
ボウリング独自の得点システムです。
(上記のCに出てきたルール)

これを、以下で詳しく見てみましょう。



『ストライク』


…基本の『10点』に加えて、
それ以後の「2投分」で倒したピン数が
ボーナスとして上乗せ
される。

つまり、ストライクが3回連続で出れば、
最初のストライクは
「10+10+10」=『30点』もの高得点になる。


これを、全フレームで達成して
「30×10」=『300点』になることを、
特別に『パーフェクト』と呼ぶ。




『スペア』


…基本の『10点』に加えて、
その次の「1投」で倒したピン数が上乗せされる。

したがって、最高は『20点』。





…つまり、ボウリングでは、


@ いかに、10本全てのピンを倒すか?

A いかに、「スペア後の1投」や、
「ストライク後の2投」を大切に扱うか?





突きつめれば…

『いかに、ストライクをたくさん出すか?』
を競う球技だと言えるでしょう。 






■第三章 『公●務員』


…したがって「ボウリング」とは、上手い人であればあるほど、
『きっちりとストライクを出せる自分のフォーム』を崩さないように
繰り返すことが目的となっていくゲームと言えます。

それが崩れれば、ストライクを逃し、
「パーフェクト」スレスレでしのぎを削る戦いから
脱落してしまうのですから。



…その意味では、ある程度のパワーで、
まっすぐボールを転がせるようになった時点で、
ボウリングの上達おしまい。


あとは、それを崩さないよう延々くりかえすだけの、
『大会社の万年平社員』『公●務員』
のような行為を目的としたゲームと言えましょう。



なんか、すげぇ寂しい結論が出ちゃったね、Т田くん。


(★上記結論について、『いちボウラーさん』とおっしゃる方から指摘をいただきました。
ボウリング上級者を思わせる綿密な意見で、かなり参考になったため、
文面をそのままこのページの最下段に掲載してあります。 ぜひご一読を〜。)







■第四章 『伏兵』


…ところがココで、
とんでもないファクターが浮上してきました。

問題は、第一章でТ田くんが言った
『それは、レーンに助けられたんですよ。』
という言葉。


実は、彼の話によると、昨今のボウリングでは
『まっすぐ投げるだけのプレイでは、
ストライクを狙うのは難しい』

というのです。





…理由は、『レーンコンディション』。


ボウリングが最初のブームを迎えてから、
すでに30〜40年もの月日が経っているのですが、
そのせいでレーン自体が老朽化し、
それぞれが独特の凹凸を持ってしまったのです。

そのため現在では、
単純なストレートボールを投げて、
そのまま先頭のピンに真正面から当てることはほとんど不可能。

ゲーム前にできる「テスト投げ」で
レーンコンディションを読み取り、
『それを考慮した上で先頭ピンを真正面から狙える弾道』
を探し出してゲームに挑むのだそうです。




…なんか変な楽しみ方ですね。


それに、「弾道を探し出す」までは
工夫の余地があって楽しそうですが、
それを見つけてしまえば、
後は延々、その弾道を外さないように繰り返す…

という意味で、
ゲーム性の袋小路(第三章の結論)から
一歩も抜け出していないように思うのです。






■第五章 『改良案』


現実世界での実現がほぼ不可能のものも含みますが、
一応、改良の「案」だけはあります。



『ピンの並び・本数を変化させる』


もっとも実現が容易で、
かつ、遊びの幅も広がると考えられるアイディア。

単純に三角形になっているピンの並びを変形させるだけでなく、
レーンの途中に配置するなど、いくらでも工夫できる。





『レーンを変化させる』


幅や長さを変えたり、あえて凹凸を付けたり、
摩擦係数の異なる部分を配置したり。

言わば、『パターゴルフ』のようなフィールドにしてしまう。

もちろん、上記の
『ピンの並び』と綿密に組み合わせる必要アリ。


…途中にジャンプ台
(坂道。 ボールが速いほど飛距離が出る)
設置するのも面白そう。





『重力を変化させる』


…レーンの部分、あるいは全体にはたらく重力を変化させる。

ほっといても片側にボールが加速するレーンでは、
あらかじめボールを斜めに投げたりスピンをかけたり
投球位置を変えたりして対応しよう。





『ムービーを入れる』


ふざけんな








…とりあえず、こんなとこでしょうか?

でも、これらの改良案のどれを見ても、
『定型化してしまうプレイ状況に変化をもたらそう』
とするものばかりな所が、逆に「ボウリング」という遊びが
根本的に抱えている問題を浮き彫りにしていて、
ちょっと寂しくなった僕ですけど。

個人的には大好きなんですけどねぇ、ボウリング…




…今回、奇しくもТ田くんがボウリングマニアであったため、
今まで深く考えずに遊んでいたボウリングの、
思わぬ弱点に思い至ったことは貴重な経験だったと思います。


『やはり、やりこんでいる人間の意見は「深い」なー』
と思ったりもした2003年の冬。




★批評内容修正につきまして

2004年10月に「いちボウラーさん」から、
当批評についての間違いをいくつかご指摘いただきました。
そのため、改めて『ボウリング』について調べなおして書き直したのが、
上記の批評です。 指摘を受けた内容は以下のとおりです。



■「ボーリング」ではなく『ボウリング』

■全てストライクのゲームは「パンチアウト」ではなく
『パーフェクトゲーム』と言う。 『パンチアウト』は、
「第10フレームの3投が全てストライク」のことを差す。

■レーン距離は『約18メートル』



レーンコンディションについての説明 (掲示板の書込みより抜粋)

レーンの表面は数年〜数十年に一度リサーフェイスという表面削りだし作業を行い、
さらに、リサした上に薬品でコーティングをしているので普通はほとんど平らで、
ボールのラインが変化するほどに凸凹しているのは稀です。
(田舎などに行くとたまに見かけますが(^^;)

で、「レーンに助けられた」というのは、通常レーン上のオイル分布が、ボールを
ポケット(ストライクになる当たりどころ)に集めやすいように塗られていたことを、
レーンコンディションとはそのオイル分布のことをそれぞれさします。

あと、レーンはファールラインから一番ピン(一番手前のピン)までが
約18メートル(60フィート)です。
そして、10本のピンが三角形に並んでいるのには理由(簡単に言うと「適度に
ストライクになりにくい組み合わせ」なんですが。)がありますのでお調べ下さい。

ボウリングは上級者になるとレーン上のオイル分布をボールの進み方から予測し、
ポケットに一番集まりやすいところを投げます。
しかしオイルはボールに削られたり自然に蒸発したり、ボールにくっついてた
オイルが他のところでレーンにこすり付けられたりして変化してしまうのです。
そのため、常にオイル分布の状態に対するイメージを更新しながら
投げる場所をちょっとづつ変えていかなければならないんです。
「あれ?ボールが思ったとこに行かなかったな・・・
あれはレーンのせいかな、自分の失投かな?」なんて考えながら。

また、上記理由でレーン上の摩擦は場所によって違っていますので。


(「いちボウラー」さん、ありがとうございました〜)





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