プレイステーション用ソフト

アニメチック ストーリーゲーム@
『カードキャプターさくら』


販売:アリカ / エインシャント      プレイ時間 :「オールクリア」

購入価格:釣人さんにもらう     執筆日:2003年 7月14日





■第一章 『萌へ萌へ』


『カードキャプターさくら』(アリカ/エインシャント)は、
同名アニメを題材としたミニゲーム集のようなものです。

僕は見ていなかったので断定はできませんが、
元アニメから何話かをダイジェストして
作られているようです。



…友人のあぢ君がこのアニメの同人マンガ描いたときに
「トーン貼り」を手伝ったはずなのに、このゲームで
『初めて、動いている「さくら」を見た』
んですよねー、僕。

あぢ君に対して失礼だと思いました。



…このゲーム自体、釣人さんからの貰い物だし。




僕ぁ、ダメ人間かもしれんですね。
心に『シャドウ』とか入り込んでますか?

『汝のあるべき姿に戻れ、クロウカード!』とか
「さくらタン」に言われてしまいますかハァハァ



妄想中止。






…正直、こういう『ファンアイテム』に対する
批評はほとんど初めてで、こういう評価でイイのか?
という迷いの部分もあるのですが、
自分自身の勉強という意味で挑戦してみました。

と、とりあえず以下を読んでみてほしいー。






■第二章 『かーんたん』


…プレイヤーは基本的に、
主人公『さくら』となってゲームを進行させます。

クォータービューのフィールドを歩き回って、
怪しい場所を探して調べ、
キーアイテムなどを発見することで話を先に進めます。



ただ、「怪しい場所を探す」といっても、
フィールドは狭い密閉空間だし、
画面の端に『縮小マップ』が表示されているし…

何より、その縮小マップ上に、
怪しい場所が『光点』で表示されているわけですから、
迷いようがありません。




…ストーリーによっては強力な精霊と戦う場合もあり、
ここが『ミニゲーム』になっています。

その内容は、
「タイミング良くジャンプするだけゲーム」だったり、
「ボタン連打するだけゲーム」だったり、
「避けるだけゲーム」だったりします。

いずれも簡単な法則がある上に、
お供の精霊『ケロちゃん』「するべき行動」
「逃げるべき場所」を指示してくれるので、
2、3回も失敗すれば要領をつかめます。




…上記2点から、
『対象プレイヤーを、原作の読者である
小中学生の女の子にしぼっている』

『さくさくテンポ良く進めるようにして、
主人公「さくら」との一体感を楽しんでもらう』

といったゲーム作りになっている事が分かりますね。


ゲーム自体も、
さすがは知る人ぞ知る『アリカ社』だけの事はあり、
グラフィックも美しく、キーレスポンスもすこぶる良好

ミニゲームとはいえ、
システムには細やかな工夫が見られます。


遊び心地は満点な感じです。






■第三章 『さて…』


…とはいえ、疑問は残ります。

このゲームは、一体、
どういうユーザー層に向けて
発信されたものなのでしょう?




僕自身、第二章
『対象を小中学生女子にしぼっているようだ』
とは書いていますが…

これは、
『作り手の立場としてなら、
アリカの言いたい事は分かる』

という意味であって、
『これなら小中学生女子は大喜びだね!』
と言っているわけではありません。



…そもそも、女の子が
進んで『アクションゲーム』を遊ぶとは思えません。

女の子がゲームで遊ぶ時期は、
男の我々からは想像もできないほど「短期間」ですし、
ちょっとでも「難解な部分」のあるゲームは
すぐにナゲてしまいます。

(女性が男に比べて根気が無い、と言っているわけではありません。
『ゲームはあくまでゲーム、現実ではない』と割り切る見方が女性は強く、
男のように死に物狂いには遊ばないのです。
もちろん、「全ての女性がそうだ」と断言もしませんが。)




だから、むしろ「占い」などの
『現実世界でも使える要素』
ふんだんに盛り込んだ便利ソフトにしたほうが、
女の子へのアピール度は強かったはずです。






『いや、実は女の子ではなく、
大学生や社会人にもなって「さくらタン ハァハァ」
言ってる人たちに売るつもりで開発しました』

というのなら、ますます問題です。


まず第一に、彼らはほぼ間違いなく
『テレビ版は全話「標準」で録画』してやがりますし、
『DVDも発売日予約特典コミでコンプリート済み』なはず。

そんな連中相手に、
『テレビ版からの取り込み画像だけで
イベントムービーを構成しているゲーム』

を売ろうなど、
エスキモーに氷を売る
のに等しい行為です。




…ミニゲームによって「コイン」を溜めることで、
『アニメの設定資料を閲覧できる』
というオマケ要素は、たしかに彼らに対する
アピール度を持っていると思いますが、
それだけではちょっと…

せめて、ムービーに『新作』を混ぜて、
ゲーム自体もバリバリの『アクション』(アドベンチャー部分削除)
にしたほうが良いのでは?。
「対戦格闘」「シューティング」「落ち物パズル」あたりが
何だかんだいってもカタいかなー?)






…そして何よりココが大事な点なのですが、
こういった連中は別に
「さくらちゃん」になりたいわけではないのです。


『お父さんになって、娘のために
お弁当作ってあげて感謝されたり』

『お兄ちゃんになって、
可愛い妹のことを「怪獣」呼ばわりして、
それでもやっぱり仲は良かったり』

『親友になって、コスチュームを作ってあげたり、
ビデオ片手に追いかけまわしたり』

『いつもベッタリ付き添って、
「ワイがついとる、まかしときー」とか
怪しいアクセントの大阪弁で保護者面したり』

したいのでつ、ハァハァ…

(すびばせん。 ちょっとヒートアップしました、はぁはぁ。)





…こうやって見ていくと、やはり、
首を傾げずにはいられないのです。

誰に売るつもりだったんだろう… と。






■第四章 『オマケ』


…最後にいくつか戯言を。


…前にも書いたとおり、
初めて『カードキャプターさくら』を見た僕ですが、
何というかこの作品は
『イイか悪いかは別として、
視聴者が見たくなる話作りを心得てるなー』

と思いました。


『毎回異なるコスチューム』や、
『軸となるストーリー要素の配置』
『こまめに引かれる伏線』
『日記によるストーリーの印象付け』などなど…


個人的には特別見たいアニメではないですけど、
学ぶべき点は多いと思いました。

(ただ、これは「アリカ」による、使用する話や場面の
選択の上手さによる所が大きいのかもしれませんが…)






…あと、このゲームについての前情報が一切無かったので、
『アニメ版からダイジェストされた、
ファンアイテム的作りの商品だ』

と、かってに推定して批評を書きました。

勘違いもあるかも知れません。

後で調べてみて、
間違っていたと分かった部分は訂正するつもりですし、
これを読んで『ココがまちがってるぞ』等、
気付かれた方がいらっしゃいましたら、
ぜひ御一報いただきたいですー。




…以上です。

総評ですが、ゲーム自体としてはお薦めしません。


『ファンアイテムは全てゲット!』
みたいな方ぐらいにしか薦められませんし、
そういう人は、僕が言うまでも無く
「すでに購入済み」でしょうから。


…ではでは。





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