プレイステーション用ソフト

『ウェルカムハウス2』

販売…ガスト        購入価格 780円

執筆日:2002年 11月6日





■第一章『ギャグというもの』


『ウェルカムハウス2』(ガスト) は、
お笑いドラマアドベンチャーゲームです。


主人公を動かして画面内のものにアクションを起こしたり
アイテムを使用したりするのは従来の3Dアドベンチャーと同じですが、
それに対するリアクション
『ギャグ仕立て』になっている点で異彩を放っています。


詳しくは知りませんが、恐らく、
海外のパソコンゲームあたりからの
移植ではないか? …と思われます。

デザインやギャグセンスが欧米っぽいので。




日本でも
『スイッチ』と呼ばれるギャグ作品が10年ほど前に発売されたり
(最近、プレステ2で同作品の『2』が発売されたらしいですね)
お笑いシューティングゲームとして
コナミ社の『パロディウス』シリーズなどがありますが、
基本的にギャグ物は敬遠されがちです。



…色々と理由はあるでしょうが、「ギャグ」という要素の
『鮮度の問題』が原因ではないでしょうか?

例えば、ゲーム企画を立ち上げた時点で「最新のギャグ」であっても、
2年ほど経ってゲームが形になるころには
使い古されていることでしょう。


長年受けつがれてきた『お約束』のギャグ
使用する手もありますが、よっぽどうまく料理しないと、
『どこかで見たものばかりの没個性ギャグゲーム』
と言われてポイです。

( そして、全年齢を通して底々ウケるギャグが「下ネタ」であり、
結果的にそれを使わざるを得ないという点が、この手のゲームの
『低俗なイメージ』に拍車をかけているものと思われます )





…しかし、それでも僕個人
『笑い』をとても大切なものであると考えています。

『ウェルカムハウス2』は、「ギャグ」として、
そして「ゲーム」としては成功しているのでしょうか?

さっそく遊んでみましょう。






■第二章『ほははははははは』


アメリカの独立記念日の朝に、
「お金持ちの叔父」の家に遊びにきた「青年」 (主人公)。

イタズラ好きの叔父 (と、飼い犬) に屋敷内に閉じ込められて、
数々の受難にあうことになります。




…ゲームが始まって、まず、ベッドから起きると、
そばには、叔父からのプレゼントの箱。


嬉々として開けてみると、
主人公を覆い尽くすほどの大爆発
が起こります。



いきなりゲームオーバーか !?


…と思ったら主人公、黒コゲになって目をパチクリさせながらも、
箱が爆発した時点の姿勢を保ったままで生存しています。

しかも、腹立たしげに頭をブルブル振ったら
元の姿に戻りました。




この時点で、主人公が『トムとジェリー』なみの
不死の体を持つことが判明いたしました。




…そして、周りから沸き起こる
「視聴者の笑い声」。

こういう「観客の笑い」てのが、
合衆国のお笑いホームドラマの定番なんでしょうねぇ。

私などは、子供のころ見ていた
『アーノルド坊や は 人気者』
とかを思い出しちゃいますけどね…


お若い方はご存知無いでしょうねぇ。 『アーノルド坊や』。

ほほほほほほほほほ。 冗談 顔だけにしろよ。(忍者ハットリ君の声で)





…さて、ゲームの目的は、
どこかに隠れてイタズラしている
「叔父さん」を見つけて、とっつかまえること。

と言っても、
リアルタイムアクションによる追いかけっこゲームではなく、
イベントを1つ1つこなしていって最後に叔父さんに会う
というアドベンチャーゲームです。




…屋敷内を歩き回っていると、
所々で叔父さんがチラリと姿を見せます。

当然、それを追いかけるのですが、
その先々でいかにも怪しい物体に出くわします。


調べてみると…

「箱があります。 開けてみる?」

『はい/いいえ』


…などと聞かれます。



開けないと話が進まないんですから、開けるしかありませんね。


⇒『はい』




( 中身はバクダンでした。)










ズガボ〜〜ン


ちゃっちゃらっちゃちゃーちゃちゃ〜〜〜♪ ( まの抜けたBGM )

ほはははははははははははははははははは… ( さざなみのような笑い声 )






…とほほほ。

いやー、しかし、なかなか面白いゲームじゃないですか。

この次は、どんな災難が待ち受けているのでしょう。
とりあえず、叔父さんを追って先に進みましょう。






■第三章『もういい分かった』


…叔父さんに会いに行こうと自分の部屋を出ると、
ドアの周りにはズラリと木箱が。


何だ、これ?




ふと見ると、廊下の向こうで叔父さんが手を振っています。

彼が足元に置かれたスイッチをONにすると…









ズガボ〜〜ン


ちゃっちゃらっちゃちゃーちゃちゃ〜〜〜♪ ( まの抜けたBGM )

ほはははははははははははははははははは… ( さざなみのような笑い声 )






…ひどいなぁ、叔父さん。(泣)

廊下を走って逃げていく叔父さんを追って、
彼が入ったと思われる部屋に侵入してみると…


誰もいません。



…とりあえずソファーでも調べてみるかな?




…『バクダンを見つけました』










ズガボ〜〜ン


ちゃっちゃらっちゃちゃーちゃちゃ〜〜〜♪ ( まの抜けたBGM )

ほはははははははははははははははははは… ( さざなみのような笑い声 )





…ちょっとクドいよ、叔父さん。(泣)



じゃあ、こっちの「内線電話」を使ってみるかな?

ああっ、叔父さんの部屋につながりました!


叔父さんは、
『この屋敷のどこかにある、わしの部屋まで辿り着いてみろ』
と言ってます。


よぉし、必ず見つけてやる!
待ってろよー、叔父さん。






…『なお、この電話は自動的に消滅する』











ズガボ〜〜ン


ちゃっちゃらっちゃちゃーちゃちゃ〜〜〜♪ ( まの抜けたBGM )

ほはははははははははははははははははは… ( さざなみのような笑…

いいかげんにしやがれ
ジジィ !!!







…まあ、これは多少誇張していますが、とにかく
リアクションとして『爆発』が多すぎるような気がするのです。


しかも、この「内線電話」は屋敷内に10ヶ所ほど設置されており、
叔父さんからヒントを受けとる大事な役目を持っているのですが、
これが全て『爆発』( しかも、主人公の驚き方は毎回同じ ) するので飽きます。



…これ以外のギャグリアクションも、
決して劣悪というほどではありません。

が、どこまでいってもアニメの『トムとジェリー』
( あるいは『テックス=エイブリー』さんのギャグ作品 )
の展開から一歩も抜け出しておらず、
その手の作品を見たことのある者にとっては
焼き直しのクドさばかりが目立ち、見ていてサムいです。


このゲームのギャグレベルが、
アメリカの一般家庭が家族全員で安心して見れる
『平均的な笑い』なのでしょうか?

米国が遠く感じられますね。



…あと、『独立記念日』を舞台にしたのには、
何かわけがあったんでしょうか???






■第四章『総評』


…他にも気がついた難点を挙げてみると、


『部屋どうしの移動手段が奇抜な場合が多く、
屋敷内の構造が把握しづらいため、
地図を見ながら進んでも迷うことが多い』


『特定の場所でイベントを起こすことで
話を進めていくタイプのゲームなのだが、
どこで次のイベントが起こるかのヒントに乏しく、
発生場所を捜して屋敷内を何度も歩き回るのが苦痛』



…など、ギャグイベントどうしの間が開きがちなせいで
間延びしたゲーム展開になってしまっているのが悔やまれます。




『カラフルで楽しげな画面構成』
『謎自体は比較的難易度が低いのでサクサク進めることができる』
などの良さもあり、何より
『ギャグという、一見手軽そうだが実は非常に難しい
題材をあつかった貴重なゲーム』
ということで、
個人的には、その「チャレンジ精神」に対して
高い評価を与えたいゲームなのですが…




総評としては、
「登場人物の性格・内面への掘り下げによる愛着」「ギャグ」
「音楽・グラフィック」などのゲーム的パーツいずれもがイマイチ
の、
正統派『B級作品』と言ったところでしょうか。


「お薦め度」五分五分止まりだなー。




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