プレイステーション用ソフト
『キャデラック』
販売:ヘクト
プレイ時間 :「2時間」
購入価格:280円
執筆日:2003年 11月12日
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■第一章『ダメだコリャ』
…
『キャデラック』(ヘクト)は、
落ち物パズルゲームです。
上から1枚ずつ降りてくる「トランプのカード」を
『5×5』のフィールドに積んでいき、
縦・横・ナナメのいずれかで
『ポーカーの役』を作ることで、
関わったカードを消滅させていくゲームです。
…ちょっと変わったアイデアなので
興味はありましたが、
なんとなく
プレイ後の自分の感想が想像できたので
今まで買い控えておりました。
が、先日、何気なく出かけた足立区の
「竹ノ塚」にて
『280円』で投げ売りされているのを見つけ、
アーケードゲーム3回分の出費なら試すのもイイだろう
てんで購入しました。
…遊んでみての結論は
予想どおり。
ドンピシャ。
うちのゲーム批評で常々言ってきた
『ダメな落ちゲーの要素』を、
バッチリ再現してしまっています。
(詳細は第三章にて)
■第二章『ルール』
…第一章で
「ポーカーの役を作れば、カードが消える」と書きましたが、
さすがにそれだと
「落ちゲー」としてのバランスが成り立たないので、
一部の役にアレンジがあります。
…2枚そろうだけで消えられると簡単になりすぎるので、
『最低3枚』のカードによる役しか認められなくなっています。
…「フラッシュ」と「ストレート」は、
カード3枚以上の並びなら認められます。
そのため、全体的にそろえやすくなっており、
特に
『カード3枚によるフラッシュ』は
かなり狙いやすい役になっています。
…製作サイドもそれには気付いたようで、
他の役が軒並み
「100点以上」な中、
コレだけ
『10点』という露骨な扱いをしています。
…ゲージが少しでもあれば、これを消費する事で
『カードの落下を止めて、かつ左右移動させる』ことができます。
かなり珍しい… というか、
市販品では、このゲームが
唯一ではないでしょうか?
…落下中のカードを、
別のカードに変更することができます。
と言ってもランダムにではなく、
「NEXTカード」の欄に並んでいる3枚のカードと
順番に入れ替わるようになっています。
つまり、落下中のカードは、
『4種類に変更が可能なパーツ』なわけです。
■第三章『良し悪し』
…それでは、各システムの批評に入りましょう。
…カードの落下が始まるまでに
『0.5秒』ほどの余裕があり、
この間に
カードを左右に移動させる事ができます。
このシステム、
『洗脳ゲームテキパキ』(東亜プラン)以外では初めて見ました。
これ、
いいシステムだと思うんだけどなー。
なんで、他メーカーは使わないんだろう?
…落下スピード自体はまあまあなんですが、
十字キーの下を押して
早く下に落とそうとしても、
ほとんどスピードが上がらないのです。
これはイライラします。
…「5×5」というギリギリの広さのフィールドと、
一直線にカードを並べなければいけないシステムのせいで、
役のそろえにくさはかなりのものです。
大きい役の成功は
運まかせ。 というか
絶望的。
…
『隣接していれば並んだとみなす』
というシステムと組み合わせるだけでも、
かなり
改善されると思うんだけど?
…このゲームのキモである
『大きな役による高得点』を狙おうとすると、
フィールドの端から端まで使ってしまうので、
こまめな「連鎖」と組み合わせるのはかなり難しいです。
逆に、
『連鎖』主体でゲームを進めると、
必然
カードの並びに凹凸ができるので、
大きな役を並べれるのは完全に運まかせになります。
…ゲームシステムに複数の方向性を持たせることで
『深み』が増す場合もありますが、
これほどバラバラで共存の可能性の低いシステムを同居させるのは、
はっきり言って
『システムの破綻』です。
…こんな要素を付加して
『ユーザーにじっくり考える時間を与えた』
とか自己満足しているヒマがあるのなら、
もっと
『ゲーム自体をシンプル』になさい!
そうすれば、こんなゲージ
いらない。
…電源を切れば、ハイスコアは
消滅。
ユーザーをなめてますね?
…いやー、こんな
駄ソフトに
『本格派1300シリーズ』
とか銘打つ「ヘクト」の姿勢には
呆れ 感嘆するね。
安かろう悪かろうの見本のようなゲームでした。
言うまでも無いと思うけど…
みんな、
買っちゃダメだよ!
被害の拡大は、俺のところで留めたいから。
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