プレイステーション用ソフト

『クレオパトラ
フォーチュン』



販売:アルトロン          プレイ時間 :「10時間ほど」

購入価格:1980円        執筆日:2003年 7月23日





■第一章 『パトラ子』


『クレオパトラフォーチュン』(アルトロン)は、
「落ち物パズル」です。

アーケード版からの移植で、
オリジナルの販売元はタイトー社です。



当ゲームは、そのゲーム内容よりも、
むしろ、ヒロイン『パトラ子』
「少し間の抜けた語調」
「民族衣装がかもし出す清楚さ」の魅力で、
一部に深ーいファンを持つことで有名です。
(僕ですか? 僕は「まあまあ好き」な程度。 頭弱い子はちょっと…)






■第二章 『システム』


…基本的な動きや操作方法は、
従来の「落ち物パズル」と大差無いですが、
パーツの消し方に一工夫が見られます。

落ちてくるパーツは以下の通り。



ブロック


「正方形」と、
その2倍の大きさのある「長方形」
2つのタイプがあります。

これらを横一列に隙間なく並べると消滅します。

その際「長方形」は、一部が列からはみ出ていてもOK。
一緒に消えてくれます。



…また、これらを外壁とした『密閉空間』をつくると、
中の『宝石』や『カンオケ』が消滅します。


なお、『ミイラ』を消すときだけは、
必ず「宝石」や「カンオケ」も
同時に密閉しなければなりません。



宝石


…ブロックに『密閉』されるか、
横一列にズラリと並べる消滅します。

密閉時に、内部に『ミイラ』がいると、
これも道連れに消してくれます。



カンオケ


性能は「宝石」と同じです。

ただ、宝石の倍の大きさがあるので、
配置に気をつける必要があります。



ミイラ


…「宝石」や「カンオケ」と
いっしょに密閉しないと消えない、
特赦なパーツです。






…以上のパーツが、
ランダムで2〜3個ずつ組み合わさって落ちてきます。

「横一列に同じ種類のパーツを並べれば消せる」
というアイディアには
『コズモギャング・ザ・ビデオ』(ナムコ)の影響を感じます。


…が、『ブロックで密閉空間を作ると他パーツが消える』
『2種類のパーツを組合さないと、密閉しても消えない』

というアイディアの付加によって、
非常に個性的なゲームに仕上がっています。




…また、このシステムだと、他パーツが消えた後の
「上に乗っていたパーツが落ちることで変化する、パーツの並び」
が予想しにくいため、
パーツが消えるたびに素早く状況を判断し最善の策を探すという、
『瞬間的思考の楽しみ・高い偶発性によって生まれる緊張感』
を常に味わうことができるようになっています。

(ただ、この偶発性が高すぎると、長期的な作戦というものも皆無になり、
緊張感を通り越して単なる「目先の展開だけを追いかける即物ゲーム」に
なってしまう危険ももちろんあります。)





…さらに、高く積み上がってしまっても、
偶発的に「巨大な囲み」ができて内部が一気に消滅し、
大逆転! というケースもままあり、
『最期の一瞬まであがいてみよう』
プレイヤーに思わせるシステム作りは「うまい」と思います。





…遊んでて思ったんですけど、このゲームって、
素人が作ったゲームでたまーに見かける
『パイプで囲みをつくると、
その中のパーツが消える落ちゲー』

と発想が同じなんですよね。

でも、『クレオパトラ〜』は、そこに
「単純に広く囲むだけではダメな、もう一工夫」
を付加することで、
適度な緊張感新たな攻略性
生み出すことに成功しています。


この点、やはり素人とは一線を画しており、
いい意味の『プロ仕事』を感じさせますね。






■第三章 『げげ!』


…さて、このゲーム。 第二章で見てきたように、
基本システムは結構バランス良くまとまっているんです。


…いや、本当、いいゲームなんですよ。


…最初の10分ぐらいは。


…上に積みあがってくるまでは。





着地したブロックが、
すぐ接着してしまうのに気付くまでは!






…実は、このゲームの
『落下パーツの接着力』はハンパではなく、
ちょっと上段のほうまで積み上がってしまうと、
『落ちてくるパーツを左右に動かす間も無く
次々と積み上がって、数秒でゲームオーバー』

という、あんまりな結末が待っているのです。


画面内にパーツを大量に設置した状態で
思いどおりにパーツを動かせないのでは、
当ゲームの良さの1つである
『大きな範囲を囲んでパーツを消滅させることで、
隙間を埋めるために落ちてきたブロックが、
これまた大量に並んで消える爽快感』

存分に楽しむことができません。



「積みあがり」の危険を避けようとすれば、必然、
画面下部だけでチマチマ消していく消極プレイ
になってしまい、展開が単調きわまりないです。


元アイディアはイイのに… もったいない話です。





…あと、ちょっと気になったのが
『イージーモードが簡単すぎる点』

このゲームは画面内のパーツを全部消すと、
オールクリアボーナスとして、高得点が入り、
『パトラ子のイラスト』を見ることができます。

で、イージーモードでは、いかにも
『さあさあ、どんどんオールクリアして下さいよ旦那〜』
と言わんばかりに、同じ組み合わせのパーツ
延々と落ちてくるのです。(多少ランダムではあるが)



最初は嬉しいけど、だんだん寂しくなってきます。

自分が、ただの
『萌えイラストドランカー』か何かに
成り下がってしまったように思えて…


あれはもう、
『「イージーモード」は、パトラ子のイラストを
堪能するモードなり。 パトラ子タン ハァハァ…』

と割り切るのが良いのでしょうか?




…イラストと言えば、ゲーム中で見たイラストは、
『ギャラリー』コーナーなどに記録されて、
後からいつでも見なおせるようになると、さらに嬉しいですね。

(僕ですか? 僕は「あれば嬉しいかなー?」程度。
頭弱い子はちょっと…)





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