プレイステーション用ソフト


『コワイシャシン』


販売:メディアエンタテイメント          プレイ時間 :「クリア1回」

購入価格:590円           執筆日:2003年 9月26日





■第一章 『除霊ゲーム』


『コワイシャシン 心霊写真奇譚』(メディアエンタテイメント)は、
除霊アクションゲームです。


古い洋館に1人で住む少女『緋織(ひおり)』は、
高い霊能力を持つ少女で、直接現場にいなくても、
そこで撮られた「心霊写真」を元に『除霊』を行える
特殊エージェントです。

プレイヤーは「緋織」となって、
次々と送られてくる心霊写真を通じて
霊を封印していきます。




…ゲームの流れは以下のとおりです。


依頼者から送られた写真を見て、
『怪しいもの・不自然なもの』
写っていないかを調べる。



怪しいものを見つけたら、
リングをかざしてその付近に潜む霊を探す。



リング内に霊を捕らえると、『除霊』開始。

上下左右から接近してくる「霊」に対して、
対応するボタンを押して攻撃します。



霊の接近をゆるしてしまうと、
緋織はダメージを食らいます。

逆に、接近される前に一定回数攻撃を当てると
『封印』を開始します。



封印は、円形に表示された記号(4〜9個)に
対応するボタン(○×△□)を、時計回りに
順番に入力することで『印』を唱えます。

印を1つ唱え終わると、次の印が表示され、
最高9つの印を連続で唱えることができます。

この印の数に応じて霊がダメージを受け、
霊の体力が0になれば『封印完了』
緋織の体力も、少し回復します。



1つの写真には、だいたい
3ヶ所ぐらい霊が潜んでいます。

一度の封印では、
完全に動きを止められない霊もいます。

完全に封印した霊には、
写真上のその場所が『赤い○』で囲まれます。
写真内の全ての霊を封印すれば、
そのミッションは完了です。






…こんな感じですね。






■第二章 『システム』


…「除霊ゲーム」というから、
どんなシステムかと思ったんですが、やってみると、
『もぐら叩き』『対戦格闘のコマンド入力』
という流れで、ミニゲーム的感触が強いです。

組み合わせとしては新しいですが、
手ざわりとしては古い感じです。



とりあえず、
このゲームの感想を列挙してみましょう。




『雰囲気の良さ』

…押さえ気味のBGMや、
霊の悲鳴と緋織の印を結ぶ声だけが響く除霊シーンなどは、
装飾が少ない分、かえって雰囲気がイイです。

緋織の孤独な環境も、
除霊師という特殊な立場にピッタリ合っており、
ストーリーもそれに沿った流れにしてあるなど工夫を感じます。

昔の恋人の霊が緋織を恐れて泣き叫びながら消滅したり、
数少ない友人除霊師が除霊をキッカケに緋織から離れていった
といったストーリーには、ある種のリアリティが漂います。




『露骨な心霊写真』

…なんかもうズバリ
『フォトショップで合成しましたぜ〜!』
という写真には、恐怖よりも脱力を感じます。



…そうそう、この写真を見て思い出したんですが、
最近でもまだ「心霊写真の本」なんて
販売されているんでしょうか?

デジカメの登場で加工が楽々になった昨今、
昔のような『よくもまあ、こんな写真が撮れたものだ』
という、偶然に対する驚き
得られにくくなっているのではないかと思います。

僕は「幽霊はいない」と断言する人間ですが、
「心霊写真」の持つ、霊はいないと分かっていても
恐怖を感じさせる『偶然の重なりの凄さ』には、
エンタテイメント性を感じています。


…今後、デジタルデータの加工だけで
心霊写真が作られるようになったら、
もう心霊写真の娯楽性は無くなったも同然でしょう。

いや、関係無い話で恐縮ですが…




『足止め』

…ゲームとしては、単純すぎるほど単純な当ゲーム。
そのせいか、いかにも『プレイヤーの足止め』を狙った
仕様がアチコチに見られます。

『見ているだけで体力が減ってしまう心霊写真』
『リングカーソルに移行するだけで減る体力』
『写真内の露骨に怪しい場所から、微妙〜にズレてる霊の潜伏場所』
『後半になってくるほど、バカみたいに素早くなる霊の動き』

などなど…


…多分、「あまりにもサクサクと先に進まれては困る」という
制作サイドの思惑が形になったものだと思うのですが、
こういうのって、遊んでてシラけるんですよね。




『最終章の難度』

「霊のスピードは最速」だわ、「霊の体力は高い」わ、
「4体連続で倒さなきゃならない」わで、
『そんなにエンディングを見せたくないのかよ』
とかキレそうになりましたね。


そんな僕でも最終章をクリアしたんですが、
実はちょっとズルイ事をやりまして…

偶然見つけた戦い方なんですが。
やり方は以下のとおり。


まず、スタートボタンで「一時停止」する。



次に、スタートボタンを『2回連打』する。

一瞬、ゲーム画面が表示されるので、
このときに敵が出現していたかどうかを見ておく。



まだ敵が出ていなければ、
再び『スタートボタン2回連打』を。



敵が出現していたら、その次の入力は
『スタートボタン1回』⇒
『敵の出現位置に対応しているボタン』
で。

これで、敵にショットがかなり当てやすくなる。





どうしても勝てない人はお試しあれ〜。





…で、総評ですが、
ゲームとしては全然お薦めできません。


『怪談ゲーム』を期待している人には、
アクションによる足止めが不快だろうし、
語られる怪談もありきたり、
心霊写真も露骨な合成ですから、
楽しめる部分はほとんど無いでしょう。

それ以外の人にとっては、
それこそ見るべき場所が皆無なので…



…手を出さないほうが無難ですね。






■第三章 『資料』


…最後に、このゲームの資料を載せておきます。

うっかり、このゲームを買ってしまって、
不愉快な足止めに悔し涙で枕を濡らす
アナタが救われん事を。




★『印』

1週目の「印」の結び方は以下のとおり。
2週目以降は自分で調べてね〜。


 □□×□  左左「下」左。
 □□△□  左左「上」左。
 △○×○×□  「上右下」「右下左」と分けるように。
 △○×××□△△△  時計回りに「ポンポン、ポポポン、
ポン、ポポポン」とリズミカルに。
 △○△□  上右上左。
 ○△×□△×○△×  「右上下左」の後に、右半円を
「半時計回りに1周半」描く感じで。
 ○×△○  右下上右。 時計回りに右半円を
描く感じ。
 ×○□○△×  下右左右上下。
 ×○□○△○△□×  「×□△」の3ヶ所から、それぞれ
○へ飛ぶ感じで。
 最後は時計と逆周りに半円を描く。






★『写真の心霊部分』

…霊の潜伏場所は、
ちょっとズレている場合がある。

この付近で適当にカーソルを動かしていれば
いつか引っかかることでしょう。
(カッコで数字が囲まれている場合は、同じ場所で、
その回数だけ霊と戦わないと封印できないものです)



1−1
『招くもの』
 中央に逆さにぶら下がっている「上半身」
 右の柱の「顔」
 中央左上の「顔」
1−2
『いやなにおい』
 前輪の上の「顔」
 運転手の足元の「手」
 後部窓ガラスの「顔」
1−3
『かくれんぼ』
 上の電灯に「顔」
 左下に「光の輪」
 中央左の車の下に「顔」
2−1
『おちあいさん』
 右の少女の方に「手」
 左端に「上半身だけの女」
 右端の校門下部に「顔」
2−2
『ボーリング』
 右のボールの出口に「顔」
 右のボールの出口の下に「顔」
 右のボールの出口の右上に「女」
2−3
『地下鉄の顔』
 右下のホームの淵に「顔」
 右の空中に「顔」(2)
 左の柱に「顔」
 中央の男の「もう1つの左手」
3−1
『怪物鉄塔』
 鉄塔の根元に「顔」
 鉄塔の中央に「ガイコツの影」
 鉄塔の右上に「伸びた顔」(2)
3−2
『顔半分』
 左の海面に「顔」(2)
 右の森と空の境界部分に「顔」
3−3
『優二』
 左上の「顔」(2)
 右下の「白い光」
 左下の車のリアウインドウに「顔」
4−1
『エレベータ』
 左下に「たくさんの手」
 左のエレベータの入口に「顔」
 中央の入口に「腕」
 左のエレベータの入口に「顔」
4−2
『カラスの声』
 ゴミの中心に「顔」
 左下に「顔」
 左上に「小さい顔」
 右上に「小さい顔」
4−3
『買い物に行きたい』
 右上に「手」
 右下の「2本の腕」(2)
 左下に「顔」
5−1
『見ている男』
 窓の右に「顔」
 窓の上に「顔」(3)
6−1
『しがみつくもの』
 中央の煙突の(2)
 右下の車のリアウインドウに「青い人」
 左の看板の隙間に「顔」
6−2
『カラオケボックス』
 左上に「顔」
 中央の女達の上に「顔」
 中央の女達の左に「顔」
 中央の女の子のヒザに「顔」
 右上に「光の輪」
6−3
『花束』
 下中央に「顔」
 左の森に「顔」
 中央の「光の輪」(2)
7−1
『落石』
 右の山に「顔」(2)
 右の人の上に「顔」
 中央の人の背中に「顔」
7−2
『隙間にいるもの』
 右の自販機から出ている「3本の手」(2)
 左下の「顔」
 右から2番目の自販機の足元に「顔」
7−3
『遺言』
 中央に「父」





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