プレイステーション用ソフト


『死者の呼ぶ館』


販売:パンドラボックス       プレイ時間 :「マルチエンド5種類ほど」

購入価格:1480円             執筆日:2003年 9月17日





■第一章 『いらない』


『死者の呼ぶ館』(パンドラボックス)は、
ホラーアドベンチャーです。


不動産屋の新米社員の主人公が、
別荘を求める6人のお客を連れて行った先の村で道に迷い、
怪しげな森の奥に建てられた洋館で数々の恐怖に出会う…

といった内容です。




…ただ、いきなり結論から言うと、
このゲーム『ほとんど怖くありません』。


ゲームとしては、キーレスポンスなどがたいへん良くて、
サクサクと進行して心地良いです。
また、パンドラボックスの作品らしく、
『人間のきたない部分の描写』もキッチリ行っている点には、
個人的に好感が持てます。



でも、至る結末がどれもありきたりで、
『ふ〜ん、そうなんだ』ぐらいの
淡々とした感想しかわかないのです。

そこに至るまでのゲームの流れも、
用意されている「どのエンディング」になっても
大丈夫なように作ってあるため、
『伏線を引くだけ引いて放ったらかし』だったり
『話自体が大矛盾』だったりします。




わざわざ買って遊ぶほどのものでは無い、と正直思いました。






■第二章『オマケ』


…さて、実はこのゲーム、
同社の「パンドラMAXシリーズ」の1つで、
『1980円という低価格にも関わらず
内容のちゃんとした商品』

を目標に作られたものらしいです。

…目標には至れなかったようですが。


色々なオマケ要素を盛り込んで
『雑誌的な作り』にしているのは面白いですが、
そのどれもがB〜C級の出来では…



なんというか、
『地方に旅したときにフラリと入った薄汚い定食屋で出された
ランチのように、皿の上に乗っている物がどれも底々なので
食べ終わったときに何も印象に残っていない』

といった感じです。

断片的な「底々の物」を寄せ集めて、
ムリヤリ商品に仕上げてしまっている
感すらあります。




…たしかにゲームソフトは高価です。
安く買えるようになるのは大歓迎です。

しかし、ゲームはあくまで嗜好品。

僕らユーザーには
『買わない、という選択肢もある』
ことをメーカーは肝に銘じるべきでしょう。


もっとも僕自身、二度と買わないでしょうけど。 このシリーズ。






…最後に、オマケ部分についても、
ちょっと批評してみましょう。


◆『ごちゃちる』

…脱力感ただようキャラデザイン・音楽・ストーリー
見事にかみ合った怪作。

…だと思ったんだけど、遊びこんでみると
「落ち」にパターンがあって、すぐ飽きました。


でも、チルちゃんのマイペースな語りと、
『凧と話す』の選択肢を選んだときの結末は面白かった。




◆『百物語』

…本編が怖くなかったせいもあって、
実はものすごく期待していたオマケ。

だが内容は、まさにスタッフ全員に
無理矢理100個の話をしぼり出させた
感じで、
そのレベルの低さはすさまじい。


具体的な感想としては、100話(実は99話)中

 ・尻切れトンボ
 ・ありきたりすぎる
 ・怪談ですらない

36話
 ・ちょっとありきたり
 ・一応、怪談になってる
 ・底々

50話
 ・まぁ、イイ感じ
 ・ヒネリがある

13話
 ・面白い!
0話



…といった感じ。

まぁまぁのレベルの話に出会える確率が『8分の1』てのは、
ちょっと非道いのでは?




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