プレイステーション用ソフト

『スタースイープ』

販売…アクセラ        購入価格 480円

執筆日:2002年 9月25日





■第一章『基本ルール』


『スタースイープ』(故アクセラ) は、
「落ち物パズル」っぽいですが、実は「はめ込みパズル」です。

画面下部から、ある程度の隙間をおりまぜて生えてくる
長方形のパーツ (3色) たちに、
画面外からジグソーパズルのようにパーツをはめ込み、
上端まで積み上がらないように消していくゲームです。



で、その消し方ですが…

パーツには『★』マークが付いており、
同じ色のパーツどうしで★と★を隣接させることで、
両者は消滅します。

パーツ自体を隣接させるだけでなく、
★の位置を考慮した置き方を求められる点で、
他の同系列のゲームとはちょっとテクニックが異なります。



また、パーツが「長方形」(縦横の比率は「1:3」) になっているので、
必ずしも隙間無くパーツが積み上がっていくわけではありません。

T字型に積めば、当然、その両脇には空洞ができます。

もちろん、後からパーツをはめ込むこともできるので、
『テトリス』のように、並びに空洞が空いているのを
心配する必要はありません。






■第二章『楽しげな雰囲気』


…この『スタースイープ』というゲームの画面は、パステル調で、
細かいキャラの動きや画面切り替えなどの演出も豊富な、
非常に明るくウキウキしたものに仕上がっています。

背景に流れるBGMも軽快で、
僕自身、色々なゲーム画面を見てきましたが、
これほどの楽しげな雰囲気を持つゲームは、
当ゲームを含めても片手で数えられるほどではないでしょうか?


画面内のどこかが必ず何かしらのアニメーションをしているので、
常に画面に躍動感があるのです。



人によってキャラクタの絵柄の好き嫌いはあるでしょうが、
この雰囲気の楽しさはかなりの出来だと思います。






■第三章『で、中身は?』


さてさて、肝心のゲーム内容ですが…



うむー…


正直、あまり誉められたものでないのが残念です。




…まず気になるのが、
『パーツをはめ込む、という基本動作に
意外と時間がかかってしまう点』


画面のどこにでもパーツを配置できる当ゲームですが、
目的の場所までカーソルを移動させるのにかかる時間が、
遊びこむほどにまどろっこしく感じられるのです。

良質なアクションパズルが持つ
『プレイヤーがその気になれば、
ほぼ間断無く仕掛けることができるアクション』

が、このゲームからはあまり感じられません。




次に、『パーツをはめ込む場所が少ない点』

…最初のうちはそうでもないのですが、
パーツが込み入ってくると
「隙間にパーツをはめ込む」のが非常に困難になってきます。

パーツが全て、ある程度の大きさをもった長方形なため、
小さな隙間に入れることができないためです。

結局、パーツ群の最上段付近に置くしか手立てがなくなり、
積み上がりの危険性は増すばかりです。




そして、最も困るのがコレです。
『パーツが下から生えてくることによる障害』

…先に述べたとおり、
下のほうから生えてくる新しいパーツ群には、
ある程度の「隙間」があります。

問題は、プレイヤーが「画面の一番下にパーツを置いた」後
下からパーツ群が生えてきたとき。


…下から「パーツ」が生えてきてくれた場合は、
直前にプレイヤーが置いたパーツには何ら問題は起こりません。

が、「隙間」だった場合は困ったことになります。

足場を失ったパーツは、当然、
画面のスクロールにしたがって1段下に落ちるわけですが、
それにともなって、せっかく用意した
『連鎖消滅が可能だったパーツの並び』
崩れてしまうことがあるのです。

崩れないまでも、
パーツの位置が変わることで予想外の消滅が起こり、
後々のために取っておいた作戦がパーになってしまうケースが
結構あるのは痛いです。



…以前、スーパーファミコンソフト『ぱにっくボンバーワールド』
ゲーム批評でも指摘しましたが、プレイヤーの用意したパーツの並びを、
「一時的に封じてしまう」ならまだしも、
『崩してしまう』というのはあんまりだと思うのです。

プレイヤーの逆転の芽まで摘んでしまうわけですから…


ましてや当ゲームでは、
ただ単に下からパーツが生えてきただけで並びが崩れてしまう
わけですから言語道断です。


単純に、『上からパーツが降ってきて、それを消していく』という、
オーソドックスな「落ち物パズル」のシステムにしたほうが
ゲームとしては良かったのではないか?
とも思えるのです。




…とどめに、上記2点の複合による
『パーツが高く積み上がってしまったときの
押し返しの難しさ』
 は、相当のもので、

ほとんどゲームにならない逆転性の低さには閉口させられます。






■第四章『まとめ』


奇抜なアイデアへの挑戦は大切なことですが、
それがゲームとして機能したときに生まれる問題点への配慮
それ以上に大切な『気の配りどころ』です。

見た目が奇抜で興味を引かれた分、
『スタースイープ』がその点において
配慮が欠けたゲームであったことが悔やまれます。



…さて、最後に。

アクセラ社は出版業務がメインだったようなので、
おそらく、当ゲームの開発者の方々は外注、
あるいは倒産後他社へ移籍されたものと思われます。

アイデアとしてはちょっと奇抜で面白そうなので、
上記の難点を考慮した続編を作られることがあれば、
1ユーザーとして楽しみに待ちたいと思います。

奇抜で、よく消化された良質のゲームを、
僕達はいつも待ち望んでいるのですから。




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