プレイステーション用ソフト

『ぱすてるみゅーず』

販売…ソフトオフィス        購入価格 800円

執筆日:2002年 9月26日





■第一章『システムとルール』


『ぱすてるみゅーず』は、アクションパズルゲームです。


ルールは簡単明快。

左端の砲台から撃ち出されたカラーボールが、
右のほうに山積みにされたボール群 (以降、と呼ぶ) の上に乗ったときに、
同じ色と3つ以上隣接していれば、それらと共に消滅します。

で、消したボールの上に別のボールが乗っていれば、それらは下に崩れ、
その結果、さらに同じ色どうし3つ以上隣接している部分ができれば、
そのボールたちも消滅 (連鎖消滅) するという
至極オーソドックスなものです。



「山」は、ジワジワと左の砲台に近付いてきます。
砲台にぶつかるとゲームオーバーで、
その前に全てのボールを消せればステージクリアです。




…変わっている点としては、フィールド全体が坂道状になっており、
(ボールの山が生み出されるところ) のほうが
(砲台のある場所) より低くなっています。

そのため、「山」の最下段の真ん中あたりや右のほうの
ボールを消して隙間ができた時は、
左にあるボールが右に転がって隙間を埋めるわけです。

このアイデアは、見た目にもすんなり納得できる
上手いアイデアだと思います。




…また、ボールの積み上がり方は、
『コラムス』(セガ) のように「下駄箱のような縦横同比率」ではなく、
蜂の巣のように「互い違い」になっています。

隣接するボールの数は、
前者の『4』に対して、後者は『6』

単純計算で1.5倍、「蜂の巣タイプ」のほうが
ボールが消えやすいことになります。






■第二章『遊びづらい』


…以上のように非常に分かりやすいシステムの当ゲームですが、
実際にさわってみると、その異様な遊びづらさに直面して
愕然とさせられました。


…いえ、始めて3分くらいは比較的軽快にプレイできるのですが、
それを超えると「これでもか」と言わんばかりに
練りこみ不足の部分が露呈してくるのです。

とりあえず、気付いた限りで列挙してみましょう。




@ 撃ち出されるボールの行方がわからない


…プレイヤーは砲台からボールを撃ち出して
「山」を消していくわけですが、
このボール、
引力にしたがって放物線を描いて飛んでいくのです。

射出時に『ボタンを押しつづけてから離す』ことで、
押した時間に比例した距離だけボールを飛ばせるのですが、
これに引力による動きが加わってくると、
正確に目的地に撃ちこむのは至難の業。

それでいて、
正確に撃ちこまないと、どんどんボールが溜まってしまい、
状況は悪化するばかりです。



…最初のうちこそ「マーカー」がボールの弾道を表示してくれますが、
これが点いているのはステージ1のみ。
あとは実力で生き残れ、と言わんばかりの突きはなしよう。

生まれて間も無く『千尋(せんじん)の谷』に突き落とされる
ライオンの仔の気持ちがよく分かりますね。


この「マーカー」が点いて
はじめて『まともな難易度』に感じるゲームなのに、
それをさっさと取り上げるのはヒドすぎだと思います。




A ロードが長い


プレステの内部メモリの少なさを誇るかのごとく
頻繁に入るロード画面のせいで、
ゲームテンポが悪くなってしまっています。

そんなに大量のデータを必要としている画面にも見えないのに、
一体何を読み込んでいるのやら…




B 後半の消しづらさ


…前半は、適当にボールを撃ち出すだけで、
勝手にそろって勝手に連鎖して勝手にステージクリアになります。
逆に後半は、ボールが思うとおりの場所に撃てないことも加わって、
なかなかボールが消せません。

ボールの種類が、
前半は『3色』、後半は『5色』
されているのが原因です。

丁度良いと思われる『4色』の期間は
アッと言うまに過ぎ去ります。


青春のようです。 ←詩的



…「山」が縦長になってしまった時の消しづらさ
(上のほうのボールを消すためには、
まず土台となるボールを積み上げなければならない)

などにも、当ゲームのシステムの改良余地が見て取れます。




C 凶悪なボス


…先ほど「弾道が分かりづらい」点をあげましたが、
それでも横方向に強く撃ち出す (ほぼ水平に飛んでくれる) ことで、
なんとかステージを進めることはできます。

問題はボスステージ。


なんと、このボス。
あろうことか、砲台と「山」の中間にその巨体をそそり立たせて、
砲台めがけて歩いてくるのです。

うっかりボスにボールを当てようものなら、
怒り心頭して歩みを速めるので、
ボスの頭を超える『山なりの弾道』でボールを撃たざるを得ません。

そんな弾道で目的のポイントにボールを着弾させるのは、
はっきり言ってです。


最初のうちこそ、なんとかクリアしようと努力するのですが、
気が付くと、ボスの顔面に向かってボールを射出して、
怒り狂うボスのツラを冷笑しつつゲームオーバーを待つ
自虐的な自分がいたりします。




D …と言うか、マズいだろコレ


…そもそも、このゲーム、
タイトー社の『パズルボ●ブル』激似なんですけど、
制作者はそこらへんをどう考えているのでしょう?

このゲームの開発者が、
『パズ●ルボブル』の開発チームから独立した方なのでしょうか?

あるいは、『パズルボブ●ル』自体が
タイトー社のオリジナルではなく、
この会社の外注作品だったとか?


まあ、いずれにしろ…  マズいだろコレ?






■第三章『まとめ』


…だいたい30分も遊べば、システムの全てが見れて、
しかもコレといった戦略も無いのですぐ飽きます。


グラフィックが全体的にパステル調で
『明るく楽しげな雰囲気』に満ち満ちており、BGMも軽快、
消したボールの種類によって異なる楽器が奏でられ
たりと、
イイ要素も持ってはいるのですが…



同人ゲームに、商品並のグラフィックを載せて
流通させたようなゲーム
といったところです。

本当にプレステの初期は、このレベルの商品の宝庫ですね。

「宝庫」ってのも変だなぁ、宝じゃないんだから。




…スラムって感じ?



言いすぎ




とは思えんけど一応…





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