プレイステーション用ソフト
『蟲の居所』
販売 ゲンソフト
プレイ時間 「3時間ほどで挫折」
購入価格 480円
執筆日:2002年 12月2日
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■第一章 『ルービック』
…
『蟲の居所』(ゲンソフト) は、
パズルゲームです。
懐かしのパズル玩具
「ルービックキューブ」のようなフィールド上に
ズラリと並んだ「蟲たち」を
腐界に帰…
『2匹隣接させることで消滅』させ、
全て消せればOKというゲームです。
…フィールドの外見は、
まんま
「ルービックキューブ」であります。
縦横「4×4」を1面とした
「6面の立方体」で、
そこに
『16種類の蟲』がランダムに配置されます。
で、フィールドの動かし方ですが、
「ルービック〜」の場合は
『90度ずつ回転』させて遊びましたが…
当ゲームの場合は
『指定した列をベルトコンベアのように、1つずつズラして』
動かすことができます。
そのため、2匹の蟲を並べるのは
かなり簡単です。
…えぇ、
最初のうちは。
■第二章 『破綻』
…ところが、
ステージ後半になると、たいてい
全ての蟲を消せずに
ゲームオーバーになってしまうのです。
なぜでしょう? こんなに簡単なルールなのに。
…実は、このゲーム、
システムが
破綻しているのです。
問題になるのは、
フィールドを「1つずつズラす」ことはできるが、
自由にズラせるわけではない点です。
ズラした先で、ちゃんと蟲が2匹並べば
フィールドはその時点で
一度固定されるのですが、
並ぶ蟲がいないと、フィールドが
動かす前の状態に
ズルズルと戻っていってしまうのです。
つまり、
全ては一発勝負。
目に付いた2匹を適当に並べたせいで、実はすでに
クリア不可能の奈落の底にたたき落とされている
かも知れないのですが、
そんなもの、普通の人間に完璧に予測できるはずが無く、
必然、ゲームは
運まかせになります。
…製作側も一応は気付いていたようで、
『3回まで』なら、蟲の並ぶ・並ばないに関わらず
フィールドを自由に回転できるルールにしています。
…痛々しい後付けですね。
…いえ、もちろん、全てを消せなくても
『最高何匹まで消せたか、を競うゲーム』
であってもイイわけです。
(『鮫亀』みたいにね。)
が、ただでさえ
「立方体」という
一目で全体を把握できないフィールド
を使用しているところに加えて、そろえる蟲自体が
面数の少ないガクガクポリゴンで、個々の判別が困難
とあっては、作戦を立てる気力も
萎(な)えるというものです。
…例えば、
『上海』 『さめがめ(ブレイクスルー・ザ・ウォール)』等のパズルは、
「全て消せないまでも、どこまで消せたか」
で競うこともできる作品です。
しかし、それらと
『蟲の居所』には
決定的な違いがあります。
その違いが、前述の
『容易に全体が把握できるかどうか』
なのです。
…把握できるからこそ、
プレイヤーは現時点での最善策を練る気になれるわけで、
把握するだけで多大な労力を要するモノを
誰が『何度も遊ぶ』気になれるでしょう?
『全体の把握が難しくても、与えられた断片的な情報を
組み合わせ分析することで、必ず解くことができるゲーム』
(『マリオのピクロス』など ) にするか?
あるいは、
『偶発性が高いので解けない事も多いが、
全体が把握しやすく、連続プレイでも疲れないゲーム』
(『フリーセル』『ソリティア』など) にするか?
…思いつきのアイデアの羅列に頼らず、
(厳しいことを言うようですが)
上記2点のいずれかにキッチリと目標を定めた
堅実なパズル作りをされる事を、製作者の方に望みます。
…て、どうやらゲンソフトは、
現在はゲーム製作をされていないようですね。
ちょっと残念。
…最後に、このゲームの見所を少し。
『ポリゴンが粗く、動きが単純なので、
ムービーシーンで何が起こっているのかの判別がかなり難解』
『蟲を2匹並べたときに、消えていく蟲が、
衣(きぬ)を裂くような悲鳴をあげるのがホラー』
以上。
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ほめてねぇ…
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