プレイステーション2用


『真・三国無双3』


販売: 光栄

プレイ時間 : シナリオクリア10回以上

購入価格: 980円

執筆日: 2007年 03月18日





■第1章 『演義』


『真・三国無双3』は、豪快3Dアクションです。


漫画などでおなじみの「三国志演義」(正確には「三国演義」だそうです)
の戦場を舞台に、一騎当千の猛将となって、
雑兵どもをバッタバッタとなぎ倒す、無闇に豪快なゲームです。


流れとしては、『勝利条件』を満たすことを目的に戦いつづけるだけ…
という単純なものですが、自分の戦闘環境を左右する
こまめな要素がちりばめられており、
時系列を考慮して戦うと非常に濃密なプレイを楽しめます。



まずは次章で、攻略を絡めつつ、大まかなシステム考察をしてみましょう。
かなり長いですが、僕自身今まで体験したことの無い
システム(の組み合わせ)なので、すごく興味があるのです。
(当シリーズ初体験です)


1つ注意点として、今回はあまりネット上で裏を取らずに、
自分のプレイした感覚と説明書の情報だけを頼りに
推察した部分が多い内容となっています。

ひさびさに1プレイヤーとして掘り込んでみようと思ったので…

よろしくお付き合いくだされー。





ちなみに、多くの武将が選択可能な当ゲームですので、
使用キャラによって印象も変わる可能性があります。

まずは僕の使用したキャラを明確にしておきましょう。
以下、並びはクリアした順番です。


  『蜀』… 関羽 (カンウ)
  『呉』… 黄蓋 (コウガイ)
  『魏』… 徐晃 (ジョコウ)
  『呂』… 呂布 (リョフ)
  『董』… 董卓 (トウタク)
  『袁』… 張コウ (チョウコウ)
  『蜀』… 諸葛亮 (ショカツリョウ)
  『呉』… 周ユ (シュウユ)

  『魏・呉・蜀・呂』… エディット武将 (大剣使用)



ほとんどが広範囲攻撃キャラですね(笑)

でも、このゲームでの爽快感を手軽にストレートに味わうには、
やはりこの系統のキャラが良いように思うのです。
(実は上記以外にも『劉備』『夏候惇』など5〜6名に手を出しているのですが、
今イチなじまず、数ステージでやめてしまいました)




ちなみに関羽は、最もポピュラーな「蜀」(日本では演義が有名なので)
を選んだときに最初にカーソルが合っているキャラです。

製作サイドに「まずは関羽で、このゲームの醍醐味を味わってもらおう」
という意図があったのではないでしょうか?

だとしたら、うまい配置だと思います。







■第2章 『主人公の基本行動』




この批評を書いた2007年3月から約1年後の2008年4月
全ての武将でのシナリオモードクリアを達成しました。

途中で『真・三国無双2』をプレイした事もあり、
「弓矢」や「象」の使い所も理解するなど、だいぶ所感も変わってきました。

が、あえて以下の感想・考察には一切手を加えず、当時のまま残しておこうと思います。

新規ユーザーがこういった勘違いをしでかす可能性もある、という事実は、
今後の自分のゲーム作りにおいても良い勉強になると考えたからです。

それに、「当作品が、よく練られた名作である」という
自分の中の感想は、当時と変わりませんし(笑)




『目的』

ほとんどのシナリオが、敵の総大将の討ち取り
(あるいは敗走)で勝利になります。

逆に、味方の総大将が敗走すれば、その時点でゲームオーバー

敵の本陣までの道のりに特別なジャマが無ければ、
いきなり総大将の首だけを狙う電撃作戦も可能です。
(経験値が低くなるなど、デメリットもありますが…)




『主人公』

「三国志」を代表する猛将の中から、使用キャラを選びます。

最初は(たしか)20名ほどですが、
ストーリーモードである『無双モード』を進めることで、
少しずつ増えていきます

モデル自体は実在した武将ですが、
その能力・武器はゲーム的に極端にデフォルメされています。

諸葛亮孔明ビームを撃ったりします。


「三国志」には、蜀を中心とした逸話的な『演義』と、
歴史的に(おそらく)正しい『正史』の2つがあるらしいですが…

このゲームは、デフォルメのしやすさと知名度から
前者を採用しているのでしょう。


…いや、「演義」でも孔明はビーム撃ちませんが…




『体力』

敵の攻撃で減り、0になるとゲームオーバー
他のゲームと意味合いは同じです。




『基本攻撃』

□ボタン を連打することで、
3〜4連続程度の攻撃をしかけます。

範囲内にいる敵なら、その数に関係なく
全員にヒットする豪快さがあります。

『ファイナルファイト』(カプコン)などと同様、
最後の攻撃で敵を吹っ飛ばすケースが多いので、
反撃も受けづらくなっています。

この攻撃の『攻撃力』『範囲』『吹っ飛ばし方』などが
キャラごとに異なり、個性となっています。

レベルアップで連続攻撃回数がアップするので、
よりド派手なコンボが可能に。




『チャージ攻撃』

△ボタン を押すと、キャラごとの特殊攻撃が発動します。

『前方に猛ダッシュして敵を跳ね飛ばす』、
『目の前の敵をつかんでブン投げる』
などなど。

発動時にややが生まれやすいですが、戦いの流れを変えたり、
「お遊び」的な技もあるので、思い出したら使ってみる感じでしょうか?


ちなみに、前述の「基本攻撃」中に「チャージ攻撃」をすることで、
戦いのバリエーションを増やせます。

例えば「□ → △」とボタンを押せば、
攻撃後に敵を空中に跳ね上げ、その無防備状態を攻撃できます。

「□ → □ → △連打」とすれば、
正面の敵に連続攻撃をしかけて集中的にダメージを与えるため、
敵武将など耐久力の高い敵に有利です。

「□ → □ → □ → △」は、
最後の攻撃で付近の広範囲の敵を吹き飛ばし
敵の反撃を受けづらく、大量の敵を相手にしやすくなります。


この入力パターンは、見た目や性能は違っても、
ほぼ全キャラで共通のようです。
なので、1人のキャラで入力に慣れてしまえば、
手軽に別のキャラに挑戦できる牽引力を持つシステムでもあります。




『無双乱舞』

○ボタン で発動させる、
いわゆる緊急回避系ボンバーです。

「無双ゲージ」さえ満タンなら、敵の攻撃を受けて
のけぞっている最中でもお構い無しに発動できます。

キャラごとに性能は違いますが、基本的に
「周りの敵全員を吹き飛ばして大ダメージを与える」感じです。


敵を攻撃したり、逆に攻撃されることでゲージが溜まるため、
混戦になるほど発動させやすくなっており、躊躇無くザコの大群に
特攻したい気分にさせてくれるナイスなバランス調整と言えます。


また、体力が極端に低いときには、
少しずつですがリアルタイムにゲージが溜まり、
しかも『真・無双乱舞』というさらに攻撃性能の高い乱舞になります。

自分が危ないときほど逆転性が高まるシステムはうまいと思います。


あと、キャラごとの発動時のセリフがあるので、
愛着が湧いたり大笑いしたり…
(『これぞ、武の極み』とか)




『防御・向き直り・受け身』

いずれも L1ボタン で行います。

押しっぱなしにすれば、前方からのほとんどの攻撃を防ぎますが、
一部の敵武将が使う『ガード不能技』だけは防御できません

また、カメラ視点が自分の気に入らない向きになっているときは、
「L1ボタン」を押すことで
主人公の向いている方向にカメラが向き直ります

さらに、敵の攻撃で吹っ飛ばされたときも、
空中で「L1ボタン」を押すことで
普段よりスピーディに体勢を立て直します


つまり、大きくカメラ視点が変わったり、
敵にモミクチャにされるなどプレイが混乱したときは、
取りあえず「L1ボタン」を押せば何らかの光明が見える
といった所でしょうか?




『ダッシュ攻撃』

しばらく走ってから □ボタン を押すと、
その勢いを利用して普段とは違う攻撃が発動します。

たいていは近くの敵を武器でなぎ払う攻撃で、
武器の攻撃力が高くなると、ダッシュ攻撃だけで
4〜5人でかたまっている雑兵集団を全滅できるようになったりします。

これも、武将ごとに性能差があります。

呂布などは、威力も範囲もケタ違いですが、
一度振りかぶってからなぎ払うので、
他のキャラより1秒弱ほど早めにボタンを押す必要があります。




『ジャンプチャージ攻撃』

ジャンプ中に △ボタン を押すと、空中から特殊攻撃を行います。

急降下した勢いで付近の敵を転倒させるなど、
緊急回避的な技が多いですが、手軽に出せる反面、
威力・範囲とも期待できません。

また、空中でちょっと敵の武器の先端に
触れるだけでも撃墜されてしまうので、
囲まれたときの使用はオススメできません。


が、例えば諸葛亮の攻撃は、空中から斜め下にビームを発射して
敵をなぎ払うという、頼れるものになっています。 威力は弱いですが。




『弓』

最初から20本持っている矢を撃つことができます。

が、威力がそんなに高くない上に、攻撃時にいきなり
「1人称視点」になってしまうため、使い勝手が悪いです。

もしかしたら近接攻撃に強い敵に威力を発揮するのかもしれませんが、
僕は使いこなせなかったので考察せずにおきます。 ごめんね。

(後日、分岐シナリオで、柵の向こう側に味方が孤立した場面があったのですが…
本来なら別ルートから大回りして助けに行くところですが、フト思いついて弓で守備兵長を攻撃したところ
見事撃退して柵を開き、味方の救出に成功しました。 こんな使い方があったのですね。
ここ以外で同様の戦い方が通じるのかどうかは、調べてないので分かりませんが…)





『アイテム』

ゲージ回復といったオーソドックスな物以外に、
『一定時間能力アップ』があります。

これは30秒程度、攻撃力や防御力が2倍になるというありがたい物。
見つけたら多少の危険をおかしてもゲットしましょう。
効率よい反撃につながるケースが多いです。


また、基本能力アップにつながる『剣・盾』は、優先してゲットしましょう。
自分の基本能力が上がるのは、レベルアップと、このアイテムだけですから。

先にフリーモードを繰り返し遊んで、これらのアイテムをバンバン取り、
強くなってから無双モード… という手もあります。
多少ズルいですが、主人公が強いだけでは勝てないこのゲーム。
どうしても先に進めない人は試してみても良いかも?


最後に『宝箱』。 装備品(後述)が入っているので、
自分が弱いときは何が何でもゲットしておきましょう。


これら貴重なアイテムは、
強い武将が持っているケースがほとんどです。
ここに、猛将と戦う必要性と期待感が生まれます。




『装備アイテム』

武具を装備すると、
「体力ゲージが増える」、「攻撃力が上がる」など、
うれしい効力が発揮されます。

同じ武具でも、難敵からゲットとしたものはレベルが高く、
効果もさらに高くなるようです。


ただし、装備できるアイテム数は武将ごとに異なり、
基本性能が高い武将は装備可能数も少ないようです。
レベルアップである程度上限が増えます。




『馬・象』

敵の乗っている馬・象は、敵を倒して奪うことができます。

は、人間の2倍ほどのスピードが出るので、
移動が格段に楽になります。

また、馬上から武器を振り回したり、
馬に乗ったまま体当たり、といった攻撃も可能です。


は南国での戦いで登場し、馬よりも背丈が高い分、
乗り手を叩き落すのに苦労します。
しかし攻撃力は馬の比ではなく、物見やぐらやバリケードすら
破壊するブルドーザのような存在です。


ただ、馬・象とも小回りがきかないので、あくまで移動手段として使い、
道中に敵を見つけても足を止めずに武器でなぎ払って駆け抜ける…
といった流れが良いように思います。(馬上攻撃力を上げるアイテムもありますが…)

特に、シナリオによっては、広いフィールドの
色々な場所でイベントが発生する場合があります。

距離が離れていると、連絡を受けて
そこに走って辿り着いても 時すでに遅し
という憂き目を見ることがありますが、
馬・象なら間に合う確率がグッと上がります

ちなみに、そういうシナリオでは、
早い時点で「馬に乗った弱い武将」が現れるなど、
こっそり救済措置が取られているケースが多いです。

とにかく、馬を見つけたらブン取る。
そして馬から下りる時は、その場所を忘れない。
この2点に注意して戦いましょう。




『近衛兵』

近衛兵自体のレベルに応じて、
最大8人までお供に連れて戦うことができます。
(連れて行かなくてもOK)

剣で戦う者、少し離れた場所から弓を撃って敵の足止めを行う者など、
レベルに比例して選択の幅が広がります。

レベルが上がると、基本能力や、戦い方の熟練度も上がるようです。

対峙して「にらみ合い」をすることで
敵の動きを少なくしてもくれるので、
主人公が狙ってなぎ払いやすくなります。


また、主人公が体力回復アイテムを取ると同時に彼らも回復するため、
こまめにアイテムを取って守り育てている感覚が
また妙にうれしかったりします。







■第3章 『武将・雑兵』





『雑兵』

主に、隊長を含む5人一組のチームで行動し、
「剣で斬りつける者」、「槍で特攻をかける者」、
「離れた場所から弓矢で足止めをしてくる者」
などがいます。

隊長は体力・熟練度が高い代わりに、
倒せば高確率で回復アイテムになります。


決められた地点でとどまるチームと、
規定ルートを巡回し続けるチームの2種類があり、
いずれもパトロール範囲内に敵を見つけると攻撃を開始

敵が去った後は、残りメンバーが集結して、
今までの行動パターンに戻るようです。




『武将』

基本性能・熟練度ともズバ抜けて高いキャラで、
1人で雑兵50人分ぐらいの働きをする者も少なくありません。

もちろん、高い経験値と希少なアイテムを
入手できるチャンス
でもあります。

また、名のある武将はまず確実にに乗っているので、
ブン取れば以降の移動が格段にスピーディになります。


しかし、主人公が弱いときは恐怖の存在でもあります

彼らは攻撃力がバカ高い上に、近くに総大将がいようが
お構いなしに主人公に向かってまっしぐら

足の遅い、レベルの低い主人公が、呂布の目にとまったが最期、
俊足で追いつかれ、何が起こったか分からぬうちに
タコ殴りにされて瞬殺… という悲惨な結末も。


また、武将によっては『一騎討ち』を挑んでくるケースがあります。
これは、45秒間だけ相手武将と1対1で戦えるイベントです。

付近のザコの影響を受けずに戦え、
勝てば色々と有利なファクターもあるのですが…
逆にこちらが負けると、無条件で
ゲームオーバーというのはヒドすぎでは?

敵によっては、1ミスでこちらの半分以上の体力を奪う
すさまじい武将もゴロゴロいます。

1回負けただけで、それまでの
数10分に及ぶ戦いが白紙に戻されると思うと、
恐ろしくてつい回避してしまいます。

しかし回避すれば、味方の士気(後述)が減少… ツラい2択です。




『拠点兵長』

敵味方にはそれぞれ『拠点』というものがあり、
そこから一定時間ごと(多分)に雑兵が参戦してきます。
(ただし上限はあるようです)

その付近にいる「拠点兵長」を倒すことで、
兵の供給をストップさせられます。

主人公は特に問題ありませんが、味方武将は士気(後述)によっては
トンデモなく弱くなっていることがあるので、
雑兵といえども野放しにすると危険です。

余裕があれば、特に本陣近くの拠点は、
できるだけツブしたほうが得策でしょう。


ただし、イベントで敵の士気が上がると、
ツブしたはずの拠点が復活することがありますので、
こまめにマップでチェックしたほうが安全です。

逆にこちらの拠点がツブされると、補充される予定だった
味方兵が来てくれなくなる
ので、これも注意です。




『守備兵長』

近くの門を守っている兵長で、こいつを倒さないかぎり
門が開かず、先にも進めません

逆に、門の向こうにあふれるほど敵がいる場合は、
キッチリ体力回復するまで、わざと守備兵長を倒さない…
というテクニックもあります。


まれに、別の味方を追ってどこぞへ走っていってしまうことがあり、
大幅な時間のロスが発生して泣きたくなることがあります。
(兵長は武将ではないので、全体マップではどこにいるのかが分からない)

本当にまれなケースですが。




『士気』

このゲームの難度の命運を左右する、最重要のパラメータです。

士気の高い軍は、例え兵の数が少なくても基本性能・
熟練度が高い
ようで、あなどれない難敵となります。

逆にこれが低いと、名のある武将がザコに囲まれて
あえなく轟沈
という信じられない事態が発生します。

主人公が雑兵をバンバン倒し、敵武将の一騎討ちに勝ちつづけることで、
味方全体の士気を上昇させることが可能です。


逆に敵は、イベントなどで援軍が到着するや
「今こそ好機! 全軍進撃せよ!」などと号令をかけ、
簡単にグンと士気が向上します。

そもそも最初から、敵の士気がずいぶん高く設定されている気がします。
くらべて、自軍の士気の低いこと低いこと

戦闘中はリアルタイムに味方武将のメッセージが聞けるのですが、
「ぬう、これまでか…」などと、すぐ泣き言をいうのでイライラします。
(弱気なメッセージは、その軍の士気が低く、かつ攻撃を受けていることを示します)

武将が1人やられると、さらに全軍の士気が低下するので、
泣き言をいいたいのはこっちです。


というか、一騎当千のバケモノ武将 呂布 が、
自軍につくやいなや弱気な発言目白押しのダメ武将に成り下がる様は、
少年ジャンプの漫画みたいで悲しいです。







■第4章 『主人公と全体』


前章でも触れましたが、主人公の戦いぶりは、
そのまま全軍の士気につながります


それが、個人で戦いつつも軍全体に影響を与えられる、という
当作品ならではのゲーム性を生み出しているわけですね。

今までの説明で漏れたものを、この章で2つ紹介しましょう。




『50人斬り』

主人公が雑兵を50人斬るごとに、味方全体の士気が上がります

その都度、総大将などからリアルタイムにお褒めの言葉があるのも、
ベタながらうれしいものです。

前述の「武将」に比べれば経験値の面でうまみの少ない雑兵ですが、
キッチリ倒していくことで「自分以外の味方の成長」に結びつくシステムは、
1つ1つを確実にこなしていこう!という気分にさせてくれます。




『雑兵のあつかい』

味方と敵の雑兵が出会うと、いずれも「にらみ合い」を中心に、
たまに斬りかかるという、やや静的な戦闘状態に入ります。

メインは足止め、という感じです。

この膠着状態を打破できるのが主人公。
付近の敵兵を殲滅すれば、味方の雑兵はまた目的を求めて進軍します。
また、弓兵など足止めに長けた敵を効率良く倒せるのは主人公だけ。

スピーディな進軍にプレイヤーの努力が欠かせないところが、
主人公にさらなる意義をもたせています。







■第5章 『まとめて』


他にも、当作品は細かい部分もよく作りこまれており…

『コントラストと彩度が高い、戦闘ゲーム向きの力強いグラフィック』


『メリハリと質感のある、高品質なムービー』


『フェードを絡めた、スムーズな画面のつなぎ』


『ぷちぷちマットの泡を1つずつつぶしていくような、
雑兵を確実に殲滅していく達成感』


『エンディングの、春の田んぼ道をゆるやかに凱旋していくムービーと音楽』


など、見た目と動きの心地良さへのこだわりが光ります。





もちろん、難点が無いわけではなく…

『近辺にキャラが大量に現れたときに起こる、
処理落ちや、体力メーターの非表示』


『馬は透過しないので、近くにいると画面がふさがれて戦いづらい』


『壁際では、壁を避けて視点が「頭上」近くになるため、
視界が狭まり、キャラの相対速度も上がるため大混乱になる』
(南蛮では、戦闘中に壁際の木のグラフィックの裏に自分が隠れてしまったことがあり、恐怖でした。)


『トリッキーな動きをする敵武将と戦うときに、
画面内で見失いがちな主人公キャラ』


『馬無しの脚力ではほとんど太刀打ちできない、各所で発生するイベント』


『味方になると、急に士気が弱くなる名武将』
(一部に高い士気を維持する武将があれば、一緒にがんばろうという気持ちも高まるのでは?)


『単独で「一騎討ち」を練習できるモードが無い』
(即ゲームオーバーという厳しさで、戦場で初見の武将と戦うのは勇気がいります。
「試せる場」があれば、もっと積極的に戦えると思います。)



『マップにおける情報統合の必要性』
(画面右上の『全体マップ』は、小さくゴチャゴチャしていて、
雑兵の分布確認と、自分の位置確認ぐらいにしか使えない。
また、自分の向きを確認しておかないと、どこに向かっているのかが分からない。
細かい道もほとんど視認できない。

『拡大マップ』は、カメラ視点=画面上方向なので直感的なので多少使いやすい…
が、当然全体が把握できない。

ポーズ中に見られる『軍団情報』は、武将の個別情報の参照に適していて視点回転もできるが、
やはり細かい道は分かりづらく、雑兵分布も無い。

…という感じで、帯に短くタスキに長い3つのマップから得られる情報を
いちいち頭の中で再構築しなければならない手間がある。

『全体マップ』に機能のほとんどを統合してみてはどうでしょう?

今よりさらに大きく表示し、雑兵の分布などの情報をプレイヤー個々がオン・オフ
(情報画面で随時設定)できるようにすれば、ゲームがよりスピーディになるのでは?

できれば、同時に「門の開閉」などの通行の可否の情報を明確にしてほしい。
徒歩で必死に現地まで行って通行不可だと分かったときの、時間と精神のロスは痛いです。)



『イベントシーンなどの武将のモーションが、全キャラ共通』
(全キャラ分のモーションを用意する手間はハンパではないと分かりますが、
エンディングまで共通なのはやはり興ざめです。)



『壁際で象が座りこむと、挟まれて脱出不可能になるケースあり』


『エンディングのボーカル曲』
(曲自体は悪くないですが、雰囲気が合っていないと思います)


『マニュアルの情報の少なさ』
(決して薄いマニュアルでは無いのですが、ネットで調べてみると随分「隠し要素」があり、
それに関するヒントがほぼ皆無な点は疑問です。 『攻略本やゲーム雑誌を買え』という事でしょうか?)



…などに、引っ掛かりを感じました。





とはいえ、これだけ多彩な要素を、
よくぞここまでまとめあげたものだ… と感心しています。

成長要素も手伝って、ついチクチクと遊びつづけてしまう心地良い中毒性

従来の3Dゲームの不便さが残っているのは残念ですが、
3Dアクションの良さの1つ『見た目の迫力』をトコトン追究した、
と呼ぶべき良作だと思います。


先日、PS3『ガンダム無双』が発売になりましたが、
ちょっと興味が湧いてきました。
PS3が手に入ったら、真っ先に試してみたいゲームです。




以上、自分の書いた批評では最長かもしれない長文にお付き合い、サンクスです。
ここまでシステム考察に費やしたのは初めてかも?

しかし、それだけの価値はある作品だと思います。
同シリーズ未経験の方は、ぜひお試しくだされー。






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