プレイステーション用


『プチカラット』


販売: タイトー

プレイ時間 : 20時間

購入価格: 1020円

執筆日: 2007年 04月30日





■第1章 『コラボ』


『プチカラット』は、アクションパズルゲームです。

往年の名作『ブロック崩し』の基本システムに、
同社の『パズルボブル』重力要素を追加したような内容です。

つまり、ボールがパーツを壊していく過程で
ゲームフィールドの最上部(天井)とのつながりを失った部分は、
ちぎれて画面下部へ落下し、無条件で破壊されたことになるわけです。


以下、各システムについてまとめてみました。




『ゲーム目的』

通常ゲームは、CPUとの対戦形式を取ります。

主人公を12人の中から選択、
それ以外のキャラに全勝することでハッピーエンドとなる
オーソドックスな構成です。

画面内のパーツを壊すことで、各キャラごとに異なる並びの
おじゃまパーツを相手に送りつけます。




『パーツの破壊』

『ブロック崩し』と同じで、
常に画面内を移動しているボールを画面下部のではね返し、
パーツにボールを当てることで1つずつ破壊していきます。

さらに、一部のパーツを画面最上部や他のパーツから
完全に切り離す
と、ちぎれて画面下部に落下。
この部分は全て破壊したことになります。

手間を一気に軽減できる上に、
相手に対しても強力な攻撃ができる、
当ゲームの中核となる戦法です。




『勝敗』

通常の『ブロック崩し』と異なり、
プレイヤーがボールをキャッチしそこなって
ゲームオーバーにはなりません。

代わりに画面上部のパーツ群が1段下がり
同時に最上段に新たなパーツが1段追加されます。

つまり、画面内には表示されていませんが、
上のほうまでズーっとパーツが並んでいて、
それが順々に出現してくるわけですね。

このパーツが、プレイヤーの「ボールをはね返す板」のあたりまで
降りてきて、初めてゲームオーバーになります。

相手から送られてくる「おじゃまパーツ」がそこに追加されれば、
当然ゲームオーバーの危険は増します。


が、逆に、一度に大量のパーツをちぎりやすくもなるので、
スピーディな決着のためには、あえて大量のパーツを
画面内に出しておく必要があります。

そうしないと、延々シーソーゲームが展開することに…







■第2章 『良し悪し』


それでは良し悪しを見ていきましょう。
なお、以下の評価は「1人プレイ」に関するもののみです。



『カラフルな雰囲気』

誕生石(宝石)を題材にしていることもあり、
アクションパズルゲーム特有のパステルでカラフル
雰囲気づくりには相当力が入っています。

各キャラクタは、12宝石になぞらえて
ネーミング・カラーコーディネイトされており、
そこも楽しみどころです。




『コンティニューによる難度』

CPUに負けてコンティニューすると、
グッと難度が下がっているようです。

このあたりは、アーケードでのゲーム作りに慣れた
タイトーらしい構成ですね。




『チュートリアルの問題』

初心者用に、デモ画面でゲームルールを説明しているのは親切です。

が、その中で使われている単語に
やたらと当ゲーム特有のものが登場するため、
チュートリアルを理解するためにマニュアルを読む
というバカバカしい事態になります。




『荒いドット』

常々思っているのですが、
タイトーのゲームてドット荒いですね

当ゲームはアーケードからのベタ移植
という感じなので、そこらへんが顕著です。


マニュアル内に、ゲーム内で使われている
キャラ絵がいくつか流用されているのですが、
それを見るかぎり全然ジャギ消しがされていません

『ジャギ消し』 … ドット間に中間的な色を置いて、CG特有のギザギザ感を
緩和する手法。 メーカーによって呼び名が異なる場合あり。)



あまり色数が使えないのでしょうか? タイトーの基盤

まさかグラフィッカーがジャギ消しを知らないとは思えないのですが…




『背景の見づらさ』

プレイ中、背景自体は明度を下げてあるのですが…

自キャラのアニメーションの明度は高いままなので、
手前の宝石パーツと混ざって、
瞬間的な錯覚を起こしやすく不愉快です。




『ブロック崩し自体の弱点』

『ブロック崩し』という往年の名作が持つ弱点について、
何も改善が施されていないのは疑問です。

例えば、ボールが飛んでいる間はプレイヤーは
その成り行きを見守るばかりで、非常に手持ちぶさたです。


特定ボタンを押している間は『パッドの移動スピードが上がる』
というシステムは、当ゲームはもちろん、
他の同種のゲームでも採用されているありふれたもの。

逆に、押している間 『ボールの移動スピードが上がる』
というシステムを追加すれば、危険を冒すことで
単位時間あたりのパーツ破壊数を上げることができ、
当ゲームの方向性もより明確になると思うのですが?


当商品の続編を作る際には、上記システムのご検討を。






まとめとしては、取りあえず全システムが入って、
これから深い練りこみをしようという段階でタイムアップになり
流通させてしまった代物
… という所でしょうか?

自らアクティブに関われる要素が少ないので、基本的に運まかせ
勝ち負けに関する確かな手応えが返ってこない感じです。


時間つぶしにダラダラ遊ぶのには向いてるかもしれない。
雰囲気だけはお気楽でイイ感じだし…






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