プレイステーション用

『カプコン ジェネレーション3』内ソフト

『エグゼド エグゼス』


販売: カプコン

プレイ時間 : 10時間

購入価格: 1080円

執筆日: 2007年 06月07日





■第1章 『記憶の彼方』


『エグゼド エグゼス』は、縦スクロールシューティングです。

『スト2』で名を馳せたカプコンの、ごく初期の作品です。


デザインが、昆虫をモチーフとしたもので統一されており、
カプコン特有のクセがありながら美しいグラフィックで表現されたそれらは、
ゲーセンの中にあって独特の世界を作り上げていたのを記憶しています。

子供の頃は、悩んだ末になけなしの50円を投入して遊んだゲームが、
こうして家庭で遜色ない(多分)内容で遊べてしまうのですから、
ほんと長生きはするものですね



ちなみに僕はファミコン版も遊んだことがある…
というか当時それほど本数を持っていなかったので、
よせばいいのに血ヘド吐くほどやり込みました。

といっても下手でしたので、コンティニューしまくりで。

あのゲーム、ノーリスクでコンティニューできるので、
面白くも無いのについ延々プレイし続けて、
せっかくの休日を台無しにしてグッタリ疲れはてる…
という地獄連鎖を体験した方もいらっしゃるのではないでしょうか?

俺だけですかそうですか。
つまらないですもんね、FC版『エグゼド エグゼス』。

スプライトは恐ろしくチラついて自機を見失うわ、内容にメリハリは無いわ、
ボス戦あたりでポーズをかけると音楽はバグるわ…

て、FC版の批評をしている場合ではないですね。

SS版。 SS版の批評をせねば。



といっても、先述のとおり子供の資金力では
アーケードオリジナルのプレイ回数は知れており、
その記憶もFC版のそれに上書きされております。

なので今回は、単純に思いつくまま批評しようと思います。

もちろん、1984年ごろに出たゲームとして、ある程度手心は加えて…







■第2章 『良し悪し』


というわけで、良し悪しの列挙をしてみましょう。




『統一されたデザイン』

敵が昆虫的な外観をしているだけにとどまらず、
地面の模様までがハニカム(蜂の巣状)になっているのはこだわりです。

地上敵はなんかよく分からない丸い物だったりしますが、
あれも実は何かの昆虫なのかなぁ?




『下がる者に厳しい仕様』

画面上方から下がりつつショットを撃つと、
なぜか射程距離が短くなります

敵から逃げるな! ということでしょうか?


また、上移動に比べて、下移動が極端に遅いです。
画面中央から最下部まで戻ってくるのに、
2秒半 かかるのはチトつらすぎです。

左右移動は遅くないところを見ると、このゲームは
「プレイヤーが画面上部から戻ってくる」のを
毛嫌いしているようです。


敵弾を避けるときも、下を絡めた移動だけがモッサリと重いので、
他の方向への移動のときと感覚がズレて、
不快な死亡を遂げることもあります。




『いじわるな通常敵』

当ゲームで高い頻度で出てくるのが、
比較的序盤から2〜4匹で画面下部から上がってくる
オレンジのザコです。

が、こいつが不愉快に手ごわい。

そもそも、いくらパワーアップしても
前方の狭い幅にしか撃てない自機に対して
下から攻撃をしかける時点で、ヒドい


自機に対して「V字」(あるいは3方向)
結構速いショットを撃ってくるので、
死なないまでも自機両側を弾がかすめていくので、動くに動けない

詰め将棋のように動きを封じられ、
しかも前方ショットしか撃てないので反撃もしようのないこの時間は、
なんともいえずストレスです。


敵自体の動きも遅いので、
ダラダラと画面内を滞空してジャマだし。




『速いスクロールスピード』

スクロールの速さがやたらと気になります。

だらだらと滞空する空中敵の間をぬって、
スクロールに合わせて、そこそこ硬い地上敵
(接触すると死亡)が流れてくるのも恐怖ですが…

ハイポイントエリアなどで、せっかく敵をフルーツに変えた!
と思う間もなく、みるみる下へと流れ去っていく光景には、
製作者の悪意すら感じます。 




『弾しか消せないボム』

この時代からすでに
『ボム』システムを採用している当作ですが(もしや史上初?)
ハデにフラッシュする割には敵弾しか消してくれません

周りからジワジワ近づく敵や硬い中ボスなど、
ゲーム内のメインの脅威は排除してくれないので、
弾を大量にバラまく大ボス戦ぐらいしか使いどころがありません。

それでも、昨今のシューティングに比べて
敵の弾数が全然少ないので、はるかに良心的な感じはしますが…





まとめると…

移動スピードが変化する自機に気を使いつつ、
敵や弾にジワジワと身動きを封じられる圧迫感に耐える、
爽快感に乏しいけど見た目はさほど悪くないシューティング

という感じでしょうか?

2〜3回遊んだらお腹いっぱいかと。

カプコンシューティングの黎明期を知るためぐらいしか、
プレイの意味は無いと思います。






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