ゲームボーイアドバンス用

『エッグマニア』


販売: ケムコ

プレイ時間 : 2時間

購入価格: 500円

執筆日: 2007年 08月15日





■第1章 『似て非なる』


『エッグマニア』は、対戦アクションパズル(?)です。



上から落ちてくる様々な形状のパーツをキャッチして、
都合のいい向きに回転(90度ごと)させ、自分の足元に設置。

それを土台に上へと進み、対戦相手より先にゴールにたどり着けば勝利です。


ただし、ただ単に積み上げればイイわけではなく、
『できるだけ隙間なく積む』必要があります。

でないと、登った高さに対して隙間の割合が多すぎる場合、
せっかく積み上げたパーツたちがバランスを崩して爆発消滅
また1から積み上げなおしになってしまうのです。



つまりこのゲームは、
『横一列に並べても消えないテトリス』のような感覚で遊ぶと、
確実に上へと進めるわけですね。

もちろん、のんびりしていると相手に先を越されますから、
画面中を飛び回って少しでも早くパーツをキャッチし続ける必要があります。



全体にかなり忙しく、
パズルというよりアクションの臭いが強いです。







■第2章 『中途半端』


説明だけ聞くと底々まともなゲームに感じますが、
遊んでみると悲しいまでに中途半端なゲームです。

なんというか、『あんた、思いつきだけでゲーム作ってるだろ?』て感じ。

それぞれの要素は一見すると、
他のゲームでも見かけるオーソドックスな代物ですが、
それをよく考えずにコラボすると大変なことになるよ…
という見本のようなゲームなのです。

多分、システムのシェイプアップの仕方が
分かっていない
のではないでしょうか?

以下に、目立った難点を挙げてみましょう。



『使用ボタン多すぎ』

十字ボタン「上」… ジャンプ
十字ボタン「左右」… 左右への移動
十字ボタン「上」… 下を見る
Aボタン … ブロックの設置
Bボタン … ブロックの90度回転
Lボタン … 今いる場所から、下の列の隙間に下りる
Rボタン … 今持っているブロックを捨てる



あーーーーーーー!! もうっ!!

ゲーム内容の薄さに対して、何この使用ボタンの多さは??


多分、このゲームを作った人の頭の中では
『悪い意味で思考がループ』してしまっているのでしょう。
「このシステムを実現するには、どうしても
これだけの使用ボタンがいるんですよ」
という感じに。

でもさ、フィールド内に主人公を置いているから気づきにくいけど、
これって基本は『ブロックを横一列に並べても消えない「テトリス」』でしょ?

ならば極論、「十字ボタン + 1ボタン」にまで絞り込めるはず。

ジャンプゲームとしての体裁を
無理に残そうとするから、こんなに煩雑になるのです。


「主人公を無くしたらどうだろう?」

「いっそブロックを捨てられなくして、
別の要素で救済できないだろうか?」


そんな、自分のアイディアを根本から疑う視点を持てなかったのでしょうか?

このゲーム企画者の発想は、悪い意味で同人レベルです。
「自分の知っている過去作品」から得た固定概念の呪縛が強すぎる。
その現れが、この使用ボタンの数です。



『なんでタマゴ?』

主人公にコミカルさが欲しかったのかもしれませんが、なんでタマゴ人間



『設置時のジャンプ』

主人公はブロックを設置するとき、
オリャー!とジャンプして真下にブロックを叩きおろします。

ハデさはあるけど、意味あるの


このジャンプに1秒弱かかるせいで、
上から降ってきた別のブロックを拾うのに間に合わず
不愉快な思いをする場面が多いのですが?



『お邪魔アイテム』

ブロックに混じって、
爆弾や落雷などの「お邪魔アイテム」が降ってきて、
これを使用すると相手を少しジャマすることができます。

が、アイテムを手に持ったままでは
ブロックを積むことができないので、
タイミングもへったくれもなく、持った先から使用するしかない

効果も低く、存在自体が疑問。



『お邪魔モンスター』

たまに出てきて、主人公たちにイヤがらせをする第3者。

明確な対処方法も無いので単なるイヤな足止め にすぎず、
当ゲームのシェイプアップのされて無さを再確認する程度の要素。



『最後のほうだけ、わずかに盛り上がる』

キチンと隙間なく詰めないと崩れてしまうブロックたちですが、
そういう「崩れ判定」が発動するまでには
5〜30秒ほどのタイムラグが生まれます。
(実は、画面の下のほうではじょじょに水位が上がってきており、
水につかった部分に隙間が多いと崩れる… という設定)


これの有効利用は…

ズバリ、ゴールが近くなってきたら、
なりふり構わず上へ上へとブロックを積み上げ、
崩れる前にゴールインしてしまう!
 です。


一見するとクライマックスを作り出す名アイディアのようですが…

絶対、結果論だよなー、これ…

意図して生まれた効果ではないと思います。







■第3章 『まとめ』


他にも細々と不愉快な点はあるが、キリも無いし、
得るものも少ないので、こんなところで…



ちなみに、1つだけハッとさせられた要素に
『トリックブロック』というものがあります。

これは、横一列に隙間なくブロックを配置すると、
ボーナスとして少量のブロックが付近に追加で発生する… というもの。


続けざまに横一列を埋めると、
どんどんボーナスブロックの出現数が増えていき、
同時に次のコンボをねらえる可能性も高まる…

つまり、『コンボによって、ブロックの
積み上げスピードを早められる』
という、
アクティブな要素なのです。



え! 何? そんな名アイディアがあるんじゃん!
と感心しそうになりますが、なんとこの要素、
デフォルトではOFF になっているのです。

しかも取扱説明書では、最後の1ページに
ポツリと説明が載っているだけ…

何このやる気の無さーーー!???



当ゲームを、一般ユーザー向けの最大公約数的商品とするために、
あえてメインから削ったアイディア… なのでしょうか??


チグハグです。 全てがチグハグすぎる。

『エッグマニア』からは何か、
作り手の全然分かっていません的オーラ
ビンビン伝わってきて憐れです。

皆さんはもちろん、こんな駄作に手を出しちゃダメですよ〜。






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