セガサターン用

『R?MJ
(−エムジェイ。)』



販売: バンダイ

プレイ時間 : クリア1回

購入価格: 380円

執筆日: 2008年 10月25日





■第1章 『傷跡』


『R?MJ(−エムジェイ。)』は、アドベンチャーゲームです。


交通事故で負傷した友人を見舞いに行った先の病院で、
突然の爆発事故に巻きこまれて、
防火シャッターの閉まった建物内に取り残された主人公たち5人。

致死性の伝染病ラミアのウイルスが蔓延した院内から、
果たして彼らは生還できるのか?




という、導入部分だけ聞けばまともなゲームですが、
フタを開けるとビックリのゴミゲーでした。

というか、『これ絶対、開発期間が足らなかったか、
開発者がスケジュール配分をミスったんだろうなぁ…』

という痛々しい傷跡がそこかしこに見られる商品なのです。

以下に、その傷跡を追ってみました。



『セーブ画面』

このゲームはオートセーブになっており、
ある程度ストーリーが進むと自動的にセーブ画面に移り、
画面内に3つあるボタン(「RECORD」「PLAYBACK」「REPLAY」)のうち
「RECORD」に自動的にカーソルが移動してセーブが行われます。


ここまで読んで、
『あれ? 「オートセーブしました」とか、
メッセージが出るだけでイイんじゃないの?』

と、いぶかしく思ったあなたはスルドイ!

実はこの画面、病院内で見られる端末と構成が似ています。
そして、残り2つのボタンは決して使いません

この事から、企画当初は
『病院端末で、ユーザーに自由にセーブさせる』
つもりだったのではないか? と推測されます。



『デモムービー』

プレイ前に自動的に流れるデモムービーでは、例えば
『親友である主人公たち3人は、
事件を通してやがてバラバラになっていく』
だの、
『謎の美少女ミサトには、隠された事実が!』
などとアオられているのですが…

別に主人公たちはバラバラになりません
(敵に分断されるなどして別行動にはなりましたが(笑))
ミサトに至っては事あるごとに文句を言うだけ言って、
最後はなんか青い人型のバケモノに焼き殺されて消滅する始末。


ムービー制作を開発に依頼した後、
ストーリーを変えたのではないでしょうか?



『V/L チェッカー』

ゲーム序盤で入手できる、自分の近辺の空気の
ウイルス濃度を感知・確認できる
アイテムで、
当ゲームの独自性の1つ。

…にするつもりだったのでしょうが、実際のところ、
一度も使わなくてもゲームクリアできます。


また、歩いていると、唐突に画面下部に
「NO FEAR」(心配なしという意味らしい)と表示されます。

もしかしたらコレ、付近にウイルスの脅威が
全く無い場合に表示されていたのかも?

ウイルスの脅威自体をさっぱり感じない内容だったので、
気にもしませんでしたが。

ただ、ネットを見て周ると
「あの表示は何?」という疑問を結構見かけたので、
メモの意味も兼ねて書き残しておこうと思います。

というか、こういう事こそ、説明書に書いとけよな…



『体力回復アイテム』

使いません。

というか、使わなくても全く支障なくゲームが終了しました。



『監視カメラ』

病院の1階にあり、4フロアある院内の
さまざまな場所をモニタリングできるようです。

一見大掛かりですが、
2〜4階全てと、1階の一部はロックされていて、
使用する事ができませんし、大した情報も入手できません

唯一、友人のリョウたちがどこかへ行ってしまったときに使用すると、
1階の出入り口付近をウロウロしている彼らを確認することができます。

…が、実際に彼らと会うのは、なぜか4階です。





これらを見るかぎり、企画当初は
『病院内をウイルス濃度に注意しながら歩き回ったり、
端末の監視カメラから離れた場所の情報を少しずつ掴みつつ、
謎を解いていくアドベンチャーゲーム』

にするつもりだったのではないでしょうか?

ところが開発期間が足りなくなったので、
既に出来あがっていたパーツを組み合わせて、
当りさわりの無い1本道ゲームに再構成したと…

そう考えると憐れでもありますが、
こんな代物をつかまされたユーザーは
もっとどうしようもなく憐れですよね…


僕は中古を380円で入手したのでダメージは全然軽いですが、
これが1000円ぐらいだったら、かなりショックだな。

当然、発売当時は、
定価近い5000円ぐらいで買ったユーザーもいたはずで、
その精神的ショックを想像すると、胸が痛い…


遊んでいて、ふと『真説・夢見館』(セガ)を思い出しました。

パーツは出来てるけど、時間が間に合わなくて…
といった、作り手の都合がすけて見える憐れな商品でした。







■第2章 『残骸』


最後に、当ゲームの良さと悪さを少しずつ。



『ムービーはメリハリがあった』

短い時間で、見せるべき所を適格に見せているムービーにはセンスを感じました。



『声が聞き取れない』

他のゲームのように字幕が無いくせに、
音声がこもって非常に聞きづらいため、
何度か同じ場面を見ないと意味不明の箇所がかなりありました。

後半になって、このゲーム世界だけの専門用語が列挙されて
くるにしたがって、その辛さは頻度を増していきます。

終盤はもう、想像で補うしかないほど(泣)

ゲーム中さまざまな変な事件が起こりますが、
何が起こってもどうでもよくなってきて、
ただ淡々とボタンを押すだけの空しいプレイだけが続きます。



『ゲーム中の紙媒体の資料が読みにくい』

元画像のドットが荒いのか、
細かい文字が全く読めません。

したがって、「○○の説明書」と言われても、
使い方がサッパリ分かりません。

テストプレイしてて気づかなかったのかな…






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