スーパーファミコン用

『ドラゴンクエスト6』


プレイ内容 … 主人公Lv42ほどで、最終ボスを倒す。

販売 : ENIX

執筆日 : 2009年 03月30日





■第1章 『なつかしき』


『ドラゴンクエスト6 〜幻の大地』は、
説明不要の国民的RPGの第6作です。


考えてみれば、これほどのネームバリューを持ちながら、
うちの批評では扱ったこと無かったんですよね、『ドラクエ』

理由は、RPGというもの自体、情報量が異常に多く、
「批評するなら最低限システムを全て見てから…」
というスタンスで批評してきた自分にとって鬼門だったのです。
(決して遊んでいなかったわけではありません)


だって、すごい量じゃないですか『ドラクエ』。

基本部分も相当な物なのに、
別にその全てを見なくても最終ボスは倒せるので、
コンプリートを目指して長々と遊べるし、
クリア後の隠しダンジョンまである…

今回の批評を書くにあたってのプレイでも、
10日以上、ほぼ1日中ドラクエ三昧。

それで全員の平均レベルが40ほどの状態にして、
主人公とハッサン以外全員死亡という正にギリギリの状態でクリアしました。

その意味、(僕の腕では)ちょうどこれが
ドラクエ6クリアにかかる所要時間と見て間違いないようです。


実は僕、2002年秋ごろに『ドラクエ7』を遊んだのですが、
「100時間かかるRPG」の名の通り、自分もクリアに97時間ほどかかってしまい、
「やっぱりRPGは時間を食うんだなぁ…」と青ざめたものですが…

この『6』だって、1日平均8時間プレイと考えれば、
結構100時間に迫るプレイ時間だったのではないでしょうか?
やっぱり怖いわ、RPG…

もちろん、それ相当の充実感もあったと思いますが。 




そんなこんなで、『7』のプレイから6年半
『5』のプレイからだと何と15年以上を経て、
今回『6』を体験する機会を得ました。

『7』と前後してしまってはいますが、
『5』『7』のプレイ自体が記憶の彼方なので、
新鮮な気持ちで『6』をプレイできました。

したがって今回は、前後作との比較は少なめに、
極力『6』についてのみ批評してみようと思います。

自分にとっては、『グランディア2』以来、
5年半ぶりの大作RPGの批評です。
よろしくお付き合いを〜。







■第2章 『システムいろいろ』


それではまず、システムの考察から入りましょう…
などと言っても、そこは国民的RPG『ドラクエ』シリーズ
他の皆さんに分析されつくした基本システムを今さら改めて分析しても無意味なので、
『6』特有(かな?)と思われる箇所についてのみ見ていこうと思います。

『5』『7』の記憶がすでにかなりアヤフヤなので、
「おいおい、それは『5』ですでに導入済みだよ」とか
「それは『7』で改良済みだよ」という物も交じるかもしれませんが、
見逃してもらえれば幸いです(笑)




『仲間と馬車』


8人まで馬車で連れ歩けますが、仲間になる「人間」が最終的に7人…
人間キャラは将来的にイベントに関わってくる可能性が高いので、
「ルイーダの酒場」に預けるのは怖く(その間、レベルアップできないので)
結局モンスターは1匹しか連れて行けなくなります

そのモンスターも、『スライム格闘場』を考慮すれば、
「スライム系」を同行させてレベルアップさせたくなるのは当然…

一見自由なようで、気づいてみれば
『人間7人 + スライム系』のパーティに
固定してしまいがちなのは寂しいところです。

(でも、こうやって「将来の人物イベントを恐れてのレベルアップ」に
自分が執着するのは、最近FFを何作か遊んで痛い目にあった影響もあるかも?
こうして考えると、ストーリーとしては劇的ではなくても、
ゲームとして見たとき、いかにドラクエが遊び勝手が良いのかを再認識させられます)



また、馬車の中にいれば戦闘に参加しなくても同額の経験値が得られるので、
「弱いキャラを、馬車の中で守って育てる」という喜びを感じる一方で、
戦闘に参加する4人の装備だけを集中的に強化しがちになります。

すると、ますます馬車の中のメンバーを使わなくなり、
愛着が湧きづらくなってしまう… ジレンマです。




『離れていても、呪文OK』


先頭の4人が馬車から離れてダンジョンに入っても、
残ったメンバーからの呪文が受けられる(戦闘時以外)のには仰天しました。

従来は、「4人の仲間の残りMPを考慮しつつ、
どの辺りを限界と考えて引き返すか?」

というダイビング的なスリルがあったものですが…

今作では、戦闘が終わったとたんに、馬車の仲間を使っての余裕の体力回復
馬車の中の誰かが「リレミト1回分」さえ確保しておいてくれるかぎり、
どんな強敵のいるダンジョンにもスイスイ入って行けました。


その豪快さは確かに楽しかったのですが…

ゲーム後半になって、転職によって
パーティ全員がベホイミ・ベホマを使えるようになってくると、
「ダンジョンの中でMP切れで力尽きる」という事態が事実上発生しなくなり
恐怖も薄いが充実感も薄くなってしまった… あれは寂しかったです。




『ふくろ』


以前は、持ちきれないアイテムは「ルイーダの酒場」に預けていましたが、
『6』では「ふくろ」にしまう事で上限無しに物を持ち歩けるようになりました。

馬車で余剰の仲間を持ち運べるようになった上に、
ふくろでアイテム制限が無くなった今、
「ルイーダの酒場」の存在価値はほぼ皆無となりつつあります。

事実、今回のプレイでも、
馬車に入りきらないモンスターを預ける以外、
立ち寄った記憶がありません。
(もちろん、モンスターをドカドカ仲間にするプレイヤーにとっては
足しげく通う場所であることに変わりはありませんが…)



難点としては、1つの袋にガンガンとアイテムが入っていくため、
中身の確認が後半になるほど億劫になる点。

「ふくろ」が複数あると、
「装備系」や「今後まず使わないイベントアイテム」ごとに整理ができて、
さらに楽になるようにも思えますが、
それはそれで別の管理の手間が発生するかな…?

せめて、アイテムのカテゴリ(武具・イベントアイテム・カギなど)ごとに
フォントカラーが変わってくれれば、判別もつきやすいのですが…

一応、自動的に中身がソートされるので、
投げ出すほどの煩雑さは無いです。




『主人公の戦闘時の役目』


『5』のあたりから、主人公の役目が
全体攻撃に特化したように思います。

つまり「ブーメラン」の存在です。

1発でトドメを刺す機会は減りましたが、
パーティ全体の戦いをフォローしている気分になれる事…

そして、全体攻撃という事で攻撃対象の敵を選ぶ必要が無く
入力が一手減るおかげでザコ戦闘のテンポも良くなる

そんなあたりが、『主人公 = 全体攻撃』
図式が作られた理由かな?と見ています。




『町やダンジョンでだけ足が速くなる』


『5』まではゲーム全体を通して一定だった主人公たちの移動スピードが、
『6』からは、町やダンジョンの中にいるときだけ、
2倍ほど高速になっています。


これによって、住人との会話のための行き来も格段に手軽になりました。

また、それに応じてか、1画面に入りきらないような
巨大な建物が町の中に描かれることも多くなったように感じます。

以前なら、ユーザーが長い距離の移動によって感じる疲労を考慮して
手を出せなかった「巨大感の演出」が、
移動の高速化によって導入できるようになったのかな?と思いました。




『エンカウント率の変化』


フィールドではなかなか敵に会わず、
ダンジョンで頻繁に敵に会う
ので、
移動のわずらわしさが減った感があります。

ただ、途中で気がついたのですが、
実は「フィールドもダンジョンも、エンカウント率はいっしょ」
かも知れません。

ではなぜダンジョンの方が多いように感じるかというと、
理由は先述の「移動速度の違い」

同じ距離を歩いたときに、例えば2倍の速度で歩いたほうが、
時間あたりのエンカウント率が2倍に感じられるのは当然

と推理してみたのですが、本当のところはどうなんだろう?(笑)


でも、移動速度を変えることで
ユーザーのエンカウント率の印象まで変えてしまったのだとしたら…
そして、元々そこまで考慮してこの設定をしたのだとしたら、
この作品の企画者さんは凄い実力者だと思います。




『レベル40』


いつの頃からか… 多分『3』以降だと思うのですが、
「ドラクエは、キャラをレベル40まで育てれば、
そろそろ最終ボスに勝てる」
という定説が生まれました。

自分の場合、『7』は定かではありませんが、
『5』『6』はいずれも主人公のレベルが42あたりで
ラスボスを撃退しています。

しかも今回の『6』では、自分かなり準備を怠ったので、
(「けんじゃのいし」があったそうなのだが、入手していなかった。
「せかいじゅのは」「せかいじゅのしずく」も、袋に入れっぱなしだった。)

先述のようにラスボスで大苦戦しましたが、きちんと準備して臨めば
あと1〜2ぐらいレベルが低くても突破できたように思えます。


「レベル40あたりでクリアできる」のは、多分、
もともと開発側がそこをクリアの目安に設定して
制作しているからだと思います。

で、それを半分にした「レベル20」を物語の中盤の盛り上がりに…
さらにそれぞれの中間となる「レベル10」「レベル30」に、
中盤と終盤、それぞれの中間の物語を置く…

という風に構成していく事で、構成やバランス調整の骨組み
作りやすくしているのではないでしょうか?

あくまで推測ですが(笑)




『転職』


「ダーマの神殿」が復活することで転職が可能になり、
何らかの職業について戦っていく事で、
自分のパラメータが一時的に変化したり、
『職業に応じた特殊能力』が身につくようになります。

パラメータ変化は、その職業を辞めることで
いつでも基本値に戻すことが可能です。


当初は、「選んだ職業によって成長過程自体に変な差が出たり、
それまで使えていた装備品が合わなくなったら、怖いな…」
と思っていたのですが、
あくまで『そのキャラの基本パラメータを元にしての、職業ごとの一時的変化』
『特殊能力の習得』だけだったのでホッとしました。

装備品も変化無し
ハッサンが「まほうつかい」になって腕力が激減しても、
ちゃんと馬鹿デカいハンマーを振り回すことができます。
(もちろん攻撃力はグンと低くなりますが)

パラメータは具体的には、以下のような変化を示すようです。


 すばやさ身の守りかしこさ最大HP最大MP
せんし ↑10%↓35%↓30%↑10%↓60%
ぶとうか ↑15%↓10%↓20%↓50%
まほうつかい ↓40%↓5%↓40%↑20%↓40%↑10%
そうりょ ↓20%↓10%↓30%↑10%↓20%
バトルマスター ↑25%↑10%↑10%↓20%↑20%↓40%
まほうせんし ↑5%↓10%↓20%↓10%↑20%
パラディン ↑10%↑15%↑15%↑5%
けんじゃ ↓30%↑5%↓20%↑20%↓20%↑30%
ゆうしゃ ↑10%↑15%↑10%↑30%


上の値は、比較的いろいろな職業に就いていた
主人公バーバラのパラメータ変化から算出しました。

例えば、「力」「すばやさ」とも100のキャラクタが「せんし」に転職すると、
パラメータは「力 110」「すばやさ 65」に変化。

その職を辞めれば、それぞれ100に戻ります


(もちろん転職中も通常のレベルアップはされるので、
正確には100より少し高くなっているはずです。)



一方で、「バトルマスター」になった時の「力」の変化が、
主人公は25%増なのに、なぜかバーバラは13%増でした。
バーバラの上昇率が、主人公のちょうど半分… という感じです。

もしかしたら、性別の違いが影響しているのかも?
その意味では、上表の他のパラメータの上昇率も、正しいかどうか怪しいです。
あくまで参考程度に見てください。



ただ、職業のマスターには時間がかかり、弱い敵では職業成長できないので、
結局後々のことを考ると「せんし」「ぶとうか」「そうりょ」「まほうつかい」を極めた後、
上級職の「バトルマスター」「まほうせんし」「パラディン」「けんじゃ」へと
職替えする形におさまりがち… なのは、僕がチキンだからでしょうか?(笑)

どうしても堅実な道をとってしまいます。


また、上表をよく見てみると、基本職はだいたい
本来の自分より総合的に弱めになってしまう事が見てとれます。

上級職でも、パラメータ変化が全てプラスにはたらくのは
「パラディン」「ゆうしゃ」のみ。
「バトルマスター」は最大MPを大きく損ないますし、
「まほうせんし」「けんじゃ」は防御と最大HPを犠牲にしています。

充分に育ったキャラで、かつ、敵との短期決戦を望まないなら、
全員「パラディン」にして戦いに挑むのが堅実な戦い方かもしれません。

ちなみに僕は攻撃力重視だったので、最終ボスは
「バトルマスター」「ゆうしゃ」「パラディン 2人」で挑みました。


転職は基本的に、
『本来の自分のパラメータを多少犠牲にする代わりに、特殊技能を得る行為』
と考えるべきかもしれません。







■第3章 『良し悪し』


語り尽くされている感のある有名作品なので、
ジックリとは考察せず、第2章でふれなかった物について、
軽い感想のような形で列挙してみようと思います。




『心地良さ』


「キーレスポンスの心地良さ」「町内の店舗の配置」
「なにげない、キャラクタの一言」「音楽」
などなど、
さまざまな場面で細部まで行きわたった心遣いには、感嘆させられます。

こういう所をこそ、世のクリエイターは学ぶべきだと思います。




『秀逸なバランス』


「お決まり」「進化が無い」などと言われるようになった同シリーズですが、
プレイ時間に比例してジンワリ心地良く成長していく手応えが感じられるバランスは、
なんだかんだでやはり秀逸だ… と実感せざるを得ません。

油断せずにキチンと先手を打てば比較的楽ですが、
手を抜くと途端に手痛いしっぺ返しをしてくる敵の行動バランスの絶妙さは、
そうそう真似できるものではありません。

シリーズとしてきちんと「積み上げている」からこそできる、
丁寧な仕事だと思います。




『毎回、何らかの収穫がある戦闘』


ゲーム中盤以降「転職」が可能になると、
戦闘が終わるたびに2回に1回ほどの割合で、
誰かの「レベルアップ」か「職業の段数のアップ」があります


これに、目標金額がたまることによる「買い物」の楽しみも加わり、
AIもかなり賢いため、戦闘をほとんど苦に感じません。




『世界の分かりづらさ』


2つの世界を行き来することになる主人公ですが…

自分は最初、「数10年ほど時間軸がズレたパラレルワールドなのかな?」
と思っていましたが、結局『現実世界と関連性のある、夢の世界』という、
分かったような分からないような世界だと知ってガッカリしました。

夢は、現実と明確な関連を持つからこそ輝くものではないでしょうか?

当作品の「夢世界」は、現実で起きたことが
直接的に絡むシーンが少なかった(と自分は感じた)ため、深い愛着を持てず、
もう1つ「この人たちのために戦うぞ」という気持ちになれませんでした


最終ボスの居場所も、現実世界でもない、夢世界でもない、
「はざまの世界」にいる… と言われても、さっぱりイメージできません。

そもそも「夢世界」というものの設定自体が
地に足がついていないためと考えます。




『最初の村付近のモンスター』


最初の頃のモンスターは、遊ぶ者にとって、
そのゲームの最初の印象に関わる重要な要素です。

にも関わらず、「ぶちスライム」など爽やかさに欠けた、
正直やや不快にすら感じるような色合いのモンスターが
目につきやすかったのは残念でした。

こういうものは、プレイヤーの心のスタートダッシュ
にぶらせてしまうと思うのです。




『夢世界のメインBGM』


夢世界のメインBGMは、現実世界よりも覇気のない、
ボンヤリしたものになっています。

これはあるいは、「夢」のあいまいさを表現した曲なのかも知れません。

その意図は理解できるのですが、ゲームスタートしばらくは
そのBGMを延々聞き続けることになるため、気概が上がらず、
気持ちがダルくなって、ちょっとツラかったです。

現実世界に下りたとき、BGMにハリが出て、本当にホッとしました(苦笑)




『夢世界のマップ』


途中から手に入る「夢世界のマップ」

最初から全ての地域が見えているせいで、
逆に、探索していない箇所が分かりづらくて困りました。

現実世界のように立ち寄った町や城がマップ上で点滅
してくれれば目安になるのですが、それも無いし…




『装備品以外のアイテムが袋に…』


「ベストドレッサーコンテスト」や「スライム格闘場」など、
賞品が手に入るイベントでは、
装備品以外のアイテムが全て自動的に「ふくろ」に収納されてしまいます。

これは、せっかく手に入れたのに「持ち物がいっぱい」で誰も持てなかった…
という事態を回避するためなのでしょうが、これに気づかずに
直後に中ボス戦に出かけて、えらい目に遭いました。

「主人公に、対ボス戦用に持たせた攻撃力の高い剣が、
どうして装備変更できないの??」

「ベホイミ効果があるゲントの杖、どこ??」と、
ボス戦闘中のアイテム欄を見て真っ青になる自分…

最初は何かのバグかと思ったほどです(泣)


従来どおり、
「もちものがいっぱいです」 ⇒
「だれのもちものをふくろに入れますか?」

といった流れになってくれていれば、気にならなかったはずですが…




『ダーマの神殿に転職に行くのが面倒』


夢世界の方でしか機能していない「ダーマ神殿」。

強敵の多い現実世界で経験値稼ぎをしていると、
馬車で連れてまわるキャラが8人と多いせいもあって、
すぐに誰かの職業が極まります。

で、ダーマ神殿に別の職業に切り替えに行くわけですが、その度に、
ダーマ神殿にルーラ ⇒ ダーマ神殿に入る ⇒ 階段を下りる
⇒ 奥にある井戸を通じて夢世界へ ⇒ 夢世界のダーマの神殿に入る
⇒ 職業を変えてもらう ⇒ 地下まで下りる ⇒ 井戸を通じて現実世界へ戻る

の繰り返しでは、さすがにウンザリしてしまいます。

せめて、それぞれの世界とも「井戸」がもう1フロアぐらい上にあれば、
移動の手間が軽減され、もう少し気軽に行き来できたと思うのですが…




『転職の怖さ1』


最初のうちこそ、「力の強いハッサンは戦士で、チャモロは僧侶かな?」などと、
そのキャラクタの外観から想像される似合いそうな職業に就かせますが…

意外にポンポン上がる職業レベルに、
「じゃあ、ハッサンにも呪文を憶えてもらおうかな?」
などと欲をかきだすと、雲行きが変わってきます。

気づくとパーティ内に物理攻撃系が不足して
敵にトドメを刺すのに手間取ったり、
逆に魔法系が不足して回復呪文の使用回数が大幅に減ってしまったり…

基本的に『戦士系2人・回復魔法1人・攻撃魔法1人』
一番バランス良く戦えるよう調整されている
ドラクエなので、
適格なローテーションで転職していかないと、思わぬところで苦戦したり、
やむなく転職をしなおす必要が発生してしまうのです。


転職時に、もっと手軽に他のメンバーの職業が確認できれば、
パワーバランスを見誤る失敗も減ると思うのですが…
(一覧表示されると理想的だと思います。)




『転職の怖さ2』


転職によって、個々のキャラクタたちが
さまざまな能力を会得していくのは心強いです。

AI戦闘時も、持っている特殊能力をよく把握していて、
「そんな便利な使い方があったのか!」といった
賢い戦い方を見せてくれて勉強にもなる…

一方で、ボス戦などここ一番の大事な戦いで「めいれいさせろ」を使うと、
何ページにもわたったリストにズラズラと並んだ
50近い呪文と特殊能力にゲンナリさせられます。


(ちなみに自分は主要キャラに、「せんし」「ぶとうか」「そうりょ」「まほうつかい」を極めさせた後、
「バトルマスター」「まほうせんし」「パラディン」「けんじゃ」を極めさせる… という流れを取っていました)



また、ゲーム後半、色々な特殊能力を憶えていくと便利になる反面、
他人と能力がかぶる場合も増え、「そのキャラならでは」の個性が薄まり、
「誰でもいいや」的な扱いになってしまう
のももったいなかったです。




『最終ボスの目的のあいまいさ』


あいまいというか、結局何がしたかったのかが、
もう1つ心に明確に響きませんでした。

また、現実の世界で滅ぼした者が、夢世界で生き長らえたりしているので、
それもまた滅ぼす…
 などと言われても、こちらの頭が混乱するばかりです。

たしかに、人質を取ったり、
連れてきた人々をあえて殺さず不幸な社会で生き長らえさせるなど、
「イヤ〜なやつ」というイメージは伝わってきます。

でも、『最終的に何がしたいのか?』
『それが彼にとってどういう利になるのか?』

が明確でない以上、敵の行動に重みを感じづらく、
こちらのモチベーションも上がりません。

こちらは長い時間をかけてキャラを育ててきたわけですから、
それに見合った『倒すべき重厚な目的』を最終ボスに持たせてくれないと、
その時間に裏切られたような気持ちになってしまいます…







■第4章 『さいごに』


細かな不満もありますが、総合的な質の高さや物量には
「国民的RPG」の貫禄を感じました。

『5』ではユーザーの幻滅の声を多数聞きましたが、
その時にできた基本システムやグラフィックを発展させたのが
今回の『6』ではないか?と考えています。


自分にとって15年ぶりのSFCドラクエは、
ちゃんと良い意味で「ドラクエ」だった…

それが、うれしかったです。






[戻る]