Nintendo DSi用

『囲んで消して
ワクグミの時間』





 筆者プレイ内容 : 約50時間

 制作 : ミッチェル

 執筆日 : 2010年 10月22日









■第1章 『囲んで消して』



『囲んで消して ワクグミの時間』は、
DSのタッチペンに特化した、アクションパズルです。



ゲームフィールドいっぱいにランダムで配置されている
『白黒2種類』(カラー変更可)の小さい四角ピースを、
タッチペンでスライドさせると、移動先のピースとスワップ


これを利用して『ワクグミ』(同じ色のピースによる囲み)を作ると、
ワクグミとその内部のピースが全て消滅します。


なお、「最初からワクグミになっている箇所」
そのままでは消えず、
プレイヤーが任意でワクグミ箇所をタッチして、
発動させる必要があります。





ちなみに、
一見すると地面(空間)にしか見えない部分も、
れっきとした『黒ピース』なので…

これで作った囲みも、
『れっきとしたワクグミとして認められる』
という点が、
シンプルなようで、実は非常に大きな独自性になっています



従来のこの手のゲームに慣れていると、
ついつい黒ピースを「ただの地面」と考えてしまって、
これでワクを作るのを忘れてしまいがち


ですが、ひとたび
「黒ピース」を利用する術(考え方)を身につけると…

消せる手段が、事実上 『倍』になるので、
とたんに自分でも恐ろしいほどのスピードで
ピースを処理していけるようになるのです。


『黒は地面ではない』。


この認識が、
当作品の独自性・楽しさを一挙に眼前に広げる
といっても過言ではありません。




なお、当作品では、
上記の基本システムによる2つのゲームモード
用意されています。

今回の批評では、それぞれのモードについて、
基本ルール・良し悪し・改良案を考えていこうと思います。



ちなみに、使用ハードは DSi LL

そのため、
細かいピースを動かす当ゲームにおいて
従来のDSi より若干有利であり、
評価がやや高めになると思います。

DSi でプレイ予定の方は、
そのあたりを差し引いてお読みください。







■第2章 『ピースアタックの、
システムとテクニック』




『ピースアタック』とは…


「横16・縦9」のフィールドに
常にいっぱいに配置されたピースたちを並べ替え、
さまざまなテクニカルボーナス(技)を出して、
得点を稼いでいくモードです。


時間とともに減っていくタイムゲージが0になると、
ゲームオーバー

ゲージは、テクニカルボーナスの達成で回復。
難しい技を出すほど、得点もタイム回復も大きいです。


難易度には、イージー・ノーマル・ハードの3つがあり、
最初はイージーだけですが…

イージーでハイスコアを出すと、ノーマルが。
ノーマルでハイスコアを出すと、ハードが解禁になります。




以下に、テクニカルボーナスの内容と、
僕なりのボーナス達成のコツをまとめてみました。


また、文中の『コンボ』とは、
ある場所でワクグミを作った後に、
消えていく途中のワクグミの一部を使って、
追加のワクグミを作ること
を指します。





『スプリット』


コンボのような、短時間での複数のワクグミ作成を、
「離れた場所」で行えばOK
です。

つまり、1つ目のワクグミが消える前に、
それに触れない別の場所で、
もう1つのワクグミを作る
わけです。


色を合わせる必要もありません。

白ワクを作った直後、離れた場所で黒ワクを作った場合でも
ボーナスは成立します。


ただ、簡単にできる反面、得点も一番低いテクニックです。





『カルテット』


同時に「4つの囲み」を作ると発生するボーナスです。

ピースで「漢字の田」に近い形を作っておいて(真ん中だけは空けて)
最後に中心をつなげる、という方法を考えがちですが…

実は、以下の方法で簡単に作ることが可能です。
(白黒は逆でもOKです)



まず、付近の白ピースをどけて、
5×5以上の黒空間を作ります。

次に、4つの白ピースを1マスずつあけて、
以下のように正方形に配置してみると…

■■■■■
■□■□■
■■■■■
■□■□■
■■■■■


黒ピースで「田」の字ができていることにお気づきでしょうか?

あとは、ド真ん中の黒ピースにタッチして発動させれば、
「カルテット」完成です。





『コンボ10』


そのものズバリ、10コンボを出せば達成になるボーナスです。

単純に、次々とワクグミを作っていってもOKですが…


僕は、先述の「カルテット」を広〜い場所にズラリと作っておいて、
それを一気に着火する
… という手を使うことが多いです。

なにしろ、カルテットを3つ並べるだけで、
すでに「12コンボ」が確定
ですから(笑)





『ワンステップ5』


「ワンステップ」とは、ピースをスライドしてきて
ペンを放した時点でワクグミができる状態
です。

このボーナスは、
それを5回連続で行えば達成できるわけです。
つまり、5手で5コンボするわけですね


事前に用意しておいて
一挙に発動させれば良さそうなことは分かるのですが、
はたしてどうすれば…?


と、お悩みの貴方に、一例をお教えします。

まず、以下のような横長の通路を作っておきます。
横の長さは、11以上必要です。

■■■■■■■■■■■
■□□□□□□□□□□
■■■■■■■■■■■


そして、付近から■を引っ張ってきて、
1手ごとに小部屋を1つずつ作れば…

■■■■■■■■■■■
■□
■■■■■■■■■■■


いかがですか?(笑)

ワンステップ5の完成です。





『ピュアボーナス』


「黒か白か、どちらかの色だけ残すように消す」
という説明文を読んでもピンと来ないのですが…


要は、片方の色を、外周に張り付くように
ベッタリと隙間無く配置
してワクグミにするか、

逆に、フィールドの中ほどに、外周にふれないかたちで、
1つの色を全て寄せ集めた大きな塊を作った後、
隣接するもう片方の色をタッチ
(それが塊を囲むワクグミになる)すればOK
です。


「片方の色が全滅」=『もう片方の色だけが残る』
というわけです。


外周を使うか? 塊にするか?は、
フィールド内の色ピースの片寄りを見て、
自分なりに判断してみてください。


ピースをすばやく移動さえできれば、
それほど難しい作業ではありません。

ただ、整然とした並びになりがちな分、
うっかり、意図しない「別のワクグミ」ができてしまって、
その近辺がやり直しになってしまうケースが
起こりやすい
気がします。

急ぎつつも、慎重にピースを運びましょう。





『フィールドボーナス』


さまざまなワクグミを消去していった果てに、
フィールドの全てのマスで最低1回は消去がおこなわれた
状態になると、達成されるボーナス
です。

どのマスですでに消去が行われたか?の確認は、
画面上部の『(F) カクニン』をタッチすることで
見ることができます。

タッチ後しばらく、
フィールドの一部がオレンジ色に表示されますが、
その範囲が「すでに消滅があった場所」です。

つまり、後は、オレンジになっていない場所で
ワクグミを作るようにしていけば良い
わけですね。


特に達成のためのコツは無いですが…

普段のワクグミ作りをなるべく
「フィールドの端も含めて」行う
ようにすれば、
いざボーナスを狙う気になったときに、
達成が容易な状況ができやすいのではないでしょうか?





『ビッグ40』


ワクグミを作ったときに、
中の囲まれたピースが40個以上
であれば達成されるボーナス
です。

例えば、ワクの中が7×6なら、
ピース数42「ビッグ40」達成になりますが、
それを可能にするワクグミは「9×8」…

結構なサイズのワクグミを作る必要があるわけです。


目安は、『フィールドの半分以上を覆うサイズ』です。





『タイムストップ5』


ピースを消したときに発生する
「タイムストップ」(タイムゲージの減少が、一定時間止まる)を、
5回連続で出す
と達成されるボーナス
ですが…

すみません。
自分、このボーナス出したこと無いのです(泣)



「タイムストップを連続で出す」
という意味が、よく分からなくて…

単純に5コンボじゃダメだしなぁ。



などと、この批評の文章を書きつつ何度もプレイしたところ…
ようやく気がつきました。

どうも、
『重複可能なボーナスを、短時間で5つ出す』
という意味のようです。

ヤケクソぎみに色んなボーナスを連発していたら、
達成されました(笑)

あなたも、とにかく頑張って、
得意なテクニックを短時間で5種類達成してくださいね。





『ゼロ』


「フィールド上から、全てのピースを消滅させる」
と達成になるボーナス
です。

つまり、1回あるいはコンボによる消滅を、
フィールド全体で起こす必要があるわけです。


すばやいペンさばきに加えて、
運の要素も絡んでくる、高難度ボーナスです。







■第3章 『ピースアタックについて』



続いては、「ピースアタック」の
良し悪しなどについてです。




『消えたピースの補充について』


一見、平面を上から見下ろしたようなフィールドにも関わらず、
消したピースが「落ち物パズル」のように
(画面に対して)下の隙間を詰めるように落下したり、
画面上部から補充されたりします
が…


このせいで、画面の下のほうでピース消去を行うと、
上のほうの並びがガラリと変わってしまい
そのたびに付近のピースの並びを再確認する手間が
ゲームテンポを悪くしてしまっている
気がします。


単に、『消した範囲だけにピース追加』
(ピースも落下しない)ではダメなのでしょうか?


後述の『タイムアタック』モード
同一システムで動かされているためでは?
と推測しています。





『任意のタイムストップ』


当作品では、テクニカルボーナスと同時に、
一時的なタイムストップが発生
しますが…


これ以外にも、
シューティングゲームにおけるボンバーのように、
『余裕のあるときに蓄積しておいて、
好きなタイミングで発動させられるタイムストップ』

があると、さらに個々のユーザーのプレイスピードに
フィットするのではないでしょうか?



ただ、当然その蓄積を示すメーターがもう1つ必要になるため、
画面構成にさらに一工夫が必要になると思います。

個人的には、「上画面」に横置きのメーターなら
見やすいのでは?と思うのですが…





『テクニカルボーナスを指定してみては?』


テクニカルボーナスを出すためのフィールドとして、
高い自由度をプレイヤーに許可しているこのモードですが…

基本的に、少しでも難度の高いボーナスを狙って
延々ワクグミを作りつづける行為に収束しがち
で、
そこにマンネリ感が漂うことがあります。

その1つの原因は、
『高すぎる自由度による、多すぎる選択肢』
にあるのではないでしょうか?


人間というものは不思議なもので、
束縛を嫌う一方で、逆に自由すぎる状態になると、
「自分の進むべき方向・やるべき事」を見失いがち
になるもの…


ところが、そこに『適度な束縛』を与えてみると、
途端に、「今やりたい事・やるべき事」が
見えてきたりする
のです。


具体的には、
『今作ると、普段よりさらに高いボーナス(3倍とか)が
得られるテクニカルボーナス』を、常に1つ提示

してみてはどうでしょう?

さらに、指示したボーナスをどんどんこなしていく事で、
その得点倍率がジワジワ加算されるのも面白いですね。


すると、

『普段はちっぽけな「スプリットボーナス」が、
今なら3倍付けで「コンボ10ボーナス」に匹敵するのか。
よーし、狙ってみるか!』


とか、

『ゲームオーバーギリギリだけど、溜めに溜めた倍率があるから、
今指示されている○○を作って一気に復活だ!』


といった、プレイヤーの志向性逆転への期待
生まれやすいと思うのです。





『動かせないピースの混入』


上記同様、「プレイに志向性を持たせる」
という意味でお勧めなのが、『障害物の混入』です。


つまり、そのままでは消滅させられない
「白黒以外のピース」をたまに混ぜて、
そこから生まれる一時的な制限(選択肢の減少)によって、
逆にユーザーの臨機応変な工夫(志向性のあるプレイ)を引き出す
わけです。

(奇しくも、当作品と類似のシステムを持つ、後発の『ぱねわっ!』において、
「動かせないピース」が登場していましたね)



ちなみに、障害物の処理方法ですが、
「ワクグミで囲むと消滅」あたりが
オーソドックスではないかと思います。


また、単なる障害物では遊ぶ側にとっても不快でしょうから、
処理することでタイム回復が発動…

一度に複数を処理すれば、
さらに相乗的に回復量が上がる

ようにしてみてはいかがでしょう?







■第4章 『タイムアタック 難点とコツと』



『タイムアタック』モードは、
基本的には「ピースアタック」と類似のシステムながら、
実に見事な切り口を見せているモードです。


このモードでは、「ピースアタック」とは異なり、
消したピースが補充されません


『画面内のピースをどんどん消して、
地下へ地下へと掘り進んでいく』

ゲームモードなのです。


一定深度でゴールイン

ゴールするまでのタイムで順位が決まり、
3位以内に入賞すれば、順位に応じて
「金・銀・銅の王冠」がそれぞれゲットできます。




ここで重要なのは、『Mr.ドリラー』(ナムコ) のように
単に下へ下へと穴を掘るだけではダメな点。

きちんと全てのピースを消して進まないと、
残ったピースが画面上端に達した時点で、
下へのスクロールが止まってしまう
のです。


この「引っかかり」が生まれるのは、
「タイムアタック」のフィールドが
単なる同一幅の竪穴ではないため。

「出っぱり」や「斜面」、「細い通路」が混じるため、
ところどころに自然落下できないピースが残ってしまう
のです。


ではどうするか?というと、
その残りピースを寄せ集めたり、
下のほうのまだ掘り進んでいない場所のピースたちと
組み合わせて消す必要が出てくるわけです



プレイしていて気づくと思うのですが、
(コンボではない状態で)ワクグミを作るには、
最低9個(白8個と黒1個、あるいはその逆)のピースが必要。

付近のピースが8個以下なら、
どうあがいても消すことはできないのです。


このあたり、消し方にも工夫が必要ということですね。




ちなみに当モードでは、
L・Rボタン(あるいは十字ボタン左右)で、
画面内のピースたちを右や左に1マスずつ寄せることが可能です。


寄せた際に出っぱりから踏み出て足場を無くしたピースは、
重力にしたがって落ちれるところまで落下していきます。



あと、たまに『鍵で閉じられた横一列のバリケード』
が出てくる場面があります。

このバリケードにはズラリと「鍵穴」がついており、
付近のピースを消すことで出現するたちを、
全てにキッチリはめこんでやれば開くことができます。


実に巧みなファクターで、
通路内のスパイスになっております。



また、時々現れる『ボーナスライン』は、
一定時間内に、そのラインより上にあるピースを全て処理
(あるいは、ラインより下に落とす)ことで、
「ゴールエリアの拡大」を発生させられます。

これによってゴール範囲が少し上に広がり
より短い時間でゴールインできる可能性が高まります



それでは以下で、
当モードの難点やコツ、改良案を列挙していきましょう。





『ゴールエリア拡大の表示がじゃまに…』


所々に設置されている「ボーナスライン」をうまく処理し、
『ゴールエリアの拡大』を発生させると、
その旨を示すメッセージが表示されるのですが…

この表示が出たせいで、場合によっては
背後にピースが隠れてしまい(操作はできます)
わずかな時間ですがプレイが著しく困難になる場合があります


「ゴールエリア拡大」表示は、画面の左右端など、
目立たない箇所に移してほしいです。





『体力的につらい場合が…』


当ゲームのプレイタイムは決して長くなく、
短い時間に凝縮して楽しめる良さがあります。

が、それでも、ミドル・ロングを何度か遊んだあとは、
DS をガッツリ覗きこむ姿勢のせいか、
背中が異様に痛くなることがあります。


考えてみると、難易度の低いショートならまだしも、
通路が細いロングなどでは、
必然的にピースを動かす回数が増加してしまいがち

しかも基本的に、息をつくヒマがない

短時間とはいえ、
筋肉にギンギンに力の入った時間が続くわけですから、
意外に体力を使うゲームなのかもしれません(苦笑)


とはいえ、
ゲーム中に休憩的なシチュエーションを入れると
逆に集中力が切れてしまう恐れがあるので、
それ以外の解決方法…

例えば、相対的にタッチペンの操作回数を減らせられる
『大きなピース』(後述)を混ぜてみてはどうでしょう?





『通路に合わせた処理を工夫する』


『タイムアタック』では、素早さと同時に、
付近の通路に合わせた適切なピース消去
を行うことが大切です。


つまり…

『できるだけ、通路いっぱいを使って消去を行ったほうが良い』
ということです。


想像してみてください。
例えば、「幅が4」の通路で、
「幅3」のワクグミを作って消去した状態
を。

通路の右か左に、1列だけピースが残ってしまいますよね?

では、それらはどうすればいいのか?

そのままでは消せないので、
画面をL・Rボタンでゆすったり
1つ1つのピースをいちいち横にスライドして、
下のほうに落としてこなければならず

大幅なタイムロスが発生してしまいます。


それを防ぐためにも、できるだけ、
通路の横幅ピッタリのサイズで消去しましょう。

縦に細く積みあがった余りピースを極力出さないことが、
タイムロスをおさえる基本にして最大のテクニックなのです。


もちろん、1つのワクグミで
横幅いっぱいを消去する必要はありません。

横幅8の通路なら、横幅4のワクグミを2つ作るなど、
その対処はあなた次第です。





『短時間でできるだけ大量に消す』


ピースでワクグミを作ると、
その範囲がジワジワと消えていきますが…

実はこの間、
スクロールが止まってしまっていることには
お気づきでしょうか?

たとえ、画面上部にピースが残っていなくても、
消去アニメーションが終わるまでは、スクロールはストップ


ここから導かれる事実は…

事前にできるだけスクロールを進めておき、
画面内にピースがたくさんある状態で、
それらを短時間で一気に処理したほうが
ロスタイムが少ない
、です。


細かいところまで時間をかけて丁寧に消すのではなく、
短時間でできるだけの消去が終わったら、
あえて『画面が自動スクロールする』のを待ったほうが
結果的にスピーディに掘り進める
場合が多いようです。





『消去タイムを無駄にしない』


ピースの消去アニメーション中は、スクロールも止まるため、
やれることがガクンと減ってしまう時間でもあります。

しかし、何もできないわけではありません。

「消去中のピースが完全に消えて、そこに空間ができたらどうなるか?」
を想像して、付近のピースを動かしておく、という手があるのです。


それは何も、綿密なものである必要はありません。

例えば、出っぱりに引っかかっている画面上部のピースたちを、
下へと続く通路の中に適当にポンポンと落としておく
だけでも、
消去が終わると同時にグッとスクロールを進めることができます。

消去タイムを、上のほうに少しだけ残ってしまった
ピースの移動時間にあてる
わけです。


これによって得する時間は、わずかに数秒ほどですが…

そうした努力が積み重なってくると、
最後には1秒を争う当モードにおいて、
意外なまでに記録を左右するものです





『幅2の通路の処置』


当モード最大の難所といえば、「幅2の通路」でしょう。

この通路内では、空間が足りず、
ワクグミを作ることができない
のです。


ではどうするのか?というと、
その通路内につまっているピースたちを、
通路の上か下の空間へ引っぱってきて、
そこで消去するしかない…

必然的に、大きなタイムロスが発生してしまう地形なのです。


スピーディで正確なピース運びもさることながら…

通路内を埋めているピースの色の割合から、
白黒どちらの色を主体に消去を行ったほうが
効率よく通路内を除去できるか?
を考えられるようになれば、
このゲームを制したも同然です!





『音声ガイドをOFFにしておく』


これを「コツ」と呼ぶのは語弊があるとは思うのですが…(苦笑)


何度もプレイして、『対戦者のゴースト』が密接してくると…
上位の記録タイムが、バックグラウンドでプレイヤーと並走して、ライバルになってくれる。
上達してくると、当然ながら自分の過去の記録ばかりとの対戦になる。)



必然的に「抜きつ抜かれつ」の場面ばかりになり、
順位変動があるたびにアナウンスされるコンピュータボイスが、
「現在、ランキング○位です」…
「現在、ランキング△位です」…
「現在、ランキング□位です」…

と、イライラするほど連呼されてしまう


冷静沈着なプレイが求められる当作品においては、
こうした要素も、ときにプレイの足を引っぱりがち。

ということで、僕は『音声ガイド OFF』でプレイしています。

皆さんも、ボイスが耳ざわりに感じたら、
『コンフィグ』へGO!です(笑)







■第5章 『タイムアタック 改良案など』



続いては、『タイムアタック』モードの
改良案などについてです。




『壁のグラフィックを改良してほしい』


壁を越えて物を運ぼうとすると、失敗と見なされて、
運搬中のピースが元の位置に戻ってしまう
のですが…

肝心の壁のグラフィックが「白ピース」に似ているので、
急いでいるときに見誤ってぶつけてミスしてしまうと、
ちょっと腹立たしいです。


ブロックカラーは何種類か選択できますが、
選択した2色以外(もちろん鍵などの色も考慮した)
を壁の色にあててもらえると、
さらにプレイの納得度が上がると思います。





『「画面ゆらし」の連打を許可してほしい』


L・Rボタンなどによる「画面ゆらし」をしていて、気がつくのが…

意外と、連打が利きにくくなっている点です。

正確には、どんなに連打しても、
1回ごとにコンマ数秒の「画面ゆらしの入力を許可しない時間」
が存在する仕様
のようなのです。


あえて制限をつけているのだとは思いますが、
「画面ゆらし」は一度に大量のピースが動くため
予想しきれない… などのリスクも伴う動作


無制限でポンポン使えても、OKのような気がするのです。





『消去アニメーションを早くできないか?』


ピースの消去アニメーションによるタイムラグも、
当モードにおけるプレイヤーの思考要素として
織り込まれているとは思うのですが…


何かの操作で、これをカット・早送りできると、
さらにアクティブでスピーディな
ゲーム展開になるのではないでしょうか?






『大きなピース』


所々に、『通常のピースと大きさや形状の異なるピース』
を混ぜてみてはどうでしょう?

消し方などは、通常ピースと同じで
「ワクグミ」の一部として使用すればOKなのですが、
当然、一工夫が必要になります。


移動先にピースが収まるだけの範囲があれば、スワップOK。
細い通路は、タッチペンが壁にぶつからなければ成功と見なす

という感じでどうでしょう?

優先して消さないと、
周りのピースが少なくなったときに不利なので、
プレイの志向性も生まれやすいと思います。





『爆弾』


たしかに面白い『ワクグミの時間』ですが、
『蓄積』の要素がやや希薄にも感じられます。


そこで、ときどきピースの中に混ざっていて、
ダブルタッチで発動し、付近のピースを消去してくれる

『爆弾』という新ピースをお勧めします。

この爆弾は、もちろんすぐに使ってもいいですが、
あえて使わずに下へ下へと運んでいくことで、
爆発範囲が拡大していきます


がんばって、深いところまで持っていけば、
ついには、画面内のピースを全て消去するほどの爆発範囲にも…


苦労して蓄積した人が、後々報われる「爆弾」。

新要素として、いかがでしょう?





モード追加案1 『エンドレスレース』


「タイムアタック」の基本システムを使った、
モードの追加案です。


ゴールは無く、どこまでもどこまでも
下へと掘っていけるモードなのですが…

同時に掘り進んでいる「ライバル」(CPU)に
「100メートル」差をつけられたら
その時点でゲームオーバーになります。



「たまに休む者」
「スピード頼りな者」
「地道に大きな消去を狙う者」


…など、さまざまな性格のライバルを相手に、
どこまで深く掘り進めるかを競います。



また、高難度のテクニカル消去を行うと、ゲージが蓄積

ゲージを一定量消費することで、
『自分のフィールドの有利な消去』
『相手のフィールドへの邪魔行為』

などの特殊行為を、任意に発動させることができます。



ちなみにこれ、
人間同士の対戦モードにも使えそうですね。

その場合は、延々決着がつかない可能性があるので、
一定時間が経過した時点で「より深くまで進んでいる側」が
勝利者になるなど、プラス1のルールが必要となるでしょう。





モード追加案2 『ジュエルブレイク』


同じく、「タイムアタック」の
基本システムを使った、モード追加案です。


このモードでは、
地下へと掘っていくと所々に出現する『宝石』を、
ワクグミで囲んで消していき、
どこまで深く掘り進めるか?を競います。


宝石の消去は1個ずつとは限らず、
大きなワクグミで「複数の宝石をまとめて消してもOK」です。


通常のタイムアタックと異なるのは、
『白黒ピースが残ってしまっていても、下へのスクロールがなされる点』と、
『自動スクロールな点(一定時間ごとに、1段ずつスクロールする)』


消せずにスクロールアウトしてしまった宝石は、
ミスとしてカウントされ、
一定回数以上ミスしてしまうとゲームオーバーです。



逆に、すばやく宝石を処理して、
自分で「下スクロール加速ボタン」を押して、
スクロールを早めた場合は、
テクニカルボーナスとしてゲージが上昇

このゲージがいっぱいになるたびに、
ミスが1回帳消しになります

(ノーミスだった場合は、内部で蓄積され、次にミスしたときに自動的に適用されます)


つまり、少しでも早く宝石を処理して、
少しでも早く「自分で」スクロールを進めることで、
長生きの確率が上がる
モードです。







■第6章 『全体に関して』



次に、総合的な感想などにつきまして。



2色のピースを使ってワクグミを作る
(ピースを隣接させていって、環状のワクを作る)
という、シンプルな目的

それでいて、その達成には無限の手段があるため、
自分なりのコツを追求できる楽しさを持つシステムです。



特に、『タイムアタック』モードは、
このシステムのベストな料理方法の1つ
と断言できるほど見事なアイディアと感じました。


最初の頃こそ、
「たしかに面白いんだけど、マップを憶えちゃったら、
その対処もある程度固定化しちゃうんじゃないの?」

と思いつつ遊んでいたのですが…

実は、使用されている通路は「総合的には」同じなのですが、
『区画の出てくる順番』がランダムになっており…

前回は通路後半で出てきた狭い通路は、
2回目のプレイではいきなり最初に出てきたりするのです。

たったこれだけのことですが、
心の準備ができていなかったり、
付近のピースのランダム具合にも左右されて、
意外にもその対処にアセリが生じて、
良い意味でプレイがパターン化されず


ついつい『次こそは!』と
再プレイを繰り返している自分に気がつきます
(笑)




また、『チュートリアル』1つ1つにまで、
きちんと「プレイ評価」がついているので、
練習と分かっていてもついついより上を目指して
再プレイを続けてしまう
など、実に細やかです。

(たしか、Nintendo64 の『罪と罰』でも、
チュートリアルでのプレイのハイスコアがちゃんと記録される、
という要素があったと記憶します。
こういう要素は、さりげないけれど大切ですね。)





あと自分、実は『ぱねわっ!』当作品を同時購入しており、
最初の頃こそ前者のほうの評価が高かったのですが…

『タイムアタック』を遊びこんでいるうちに、
その評価が逆転した、という経緯があります。



たしかに『ぱねわっ!』は、ピースカラーを3色にし、
ステージごとに「目標とすべきテクニカルボーナス」を指定
することで、
僕が当作品の『ピースアタック』で感じた
「プレイヤーが志向性を見出しにくい」という弱点を解消しています。

…が、3色に増えているために、
最初の難易度が少しだけ『ワクグミ』より高く感じるのと…

ゲームフィールドが「平面見下ろし」オンリーである限界か、
ある地点まで来ると面白さが頭打ちになってしまう

という弱点が、払拭できていないと感じるようになったのです。



『ワクグミの時間』は逆に、取っかかりはスムーズなのですが、
直後に「そこからの上達の道がアイマイになってしまう」
という難点があります。

が、『黒ピースは床ではなく、これも1つのピースとして扱うのだ』
という1点の気づきによって、
一挙に壁が破れ、プレイの視界が開けます



掴みはOK、中間も十分。
しかし天井に行き当たりやすい、『はねわっ!』

掴みはOKだが、中間で迷い…
それを越えれば広い空が見えてくる、『ワクグミの時間』


そう考えたとき…

『ワクグミの時間』に
『中間を牽引する何か』があれば、
当作品の魅力をプレイヤーに、早い段階でより的確に
アピールされるのではないか?
と思うのです。




その意味でも、
非リアルタイムの『パズルモード』が、
ぜひとも欲しいところです。


その中で、白黒関係ないさまざまなワクグミを作らせれば、
早い段階でプレイヤーから
『黒は床ではないのだ』という気づき
を、引き出すことができるでしょうし…

リアルタイム主体の当作品なので、
非リアルタイムによる「じっくり1手を考える楽しみ」が、
かえって新たな魅力として利いてくる点を
期待できるのではないでしょうか?







■第7章 『薦めます』



以上、当サイトとしては異例の、
『トコトン改良案を主体とした批評』
いかがでしたでしょうか?


本当は自分、ゲームをプレイしていて、
批評よりも改良案に目が行く性格なのです。

ただ、それを文章化してしまうと、
世の中のゲーム企画者に、
あるいは塩を送ってしまう事になるのでは?

と心配して(笑)、極力批評のみにとどめていました。

が、今回は思うところがあって、
あえてこうした形でまとめてみました。




最後に、商品としての『ワクグミの時間』の評価ですが、
ゲームモードの幅自体はやや少ないですが、
これだけの内容のものが500円で入手可能なのは、ちょっと驚きです。

DSi をお持ちの方は、とにかく購入して、
黙々と『タイムアタック』に挑戦してみてほしい。


最初こそ、爆発的な面白さは見えないかもしれません。

が、小さい頃、自転車に乗る練習をしているときに、
「今までどうして乗れなかったのかが分からなくなるほど、
自然に乗りこなせる瞬間が訪れる」
ように…

突然このゲームシステムの魅力が眼前に広がる瞬間を
体験してもらえるのではないかと思うのです。






(書き終わって気づいたのですが…
今回の批評、当サイトで10年間・200本以上書いてきたものの中で
最大のテキスト量になったようです。

今までは、ドリキャスの『グランディア2』がおそらく最大でした。
7年ぶりに、記録更新です(笑))







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