監督 河森正治
『イーハトーブ幻想 KENjIの春』
1996年 日本
執筆日:2004年 11月14日
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■第一章 『トシたん ハァハァ』
『イーハトーブ幻想 KENjIの春』は、
日本を代表する童話作家
「宮沢賢治」の半生を描いたアニメです。
地元の学校で教師を営むケンジが、理想と現実の中で揺れながらも、
その感性のおもむくままにあふれるイメージをメモにしたためていく…
そんな生き様を、
幻想的で斬新な映像で表現しています。
僕は「宮沢賢治」がけっこう好きなので、底々の知識も持っています。
なので、作品中で断片的に映る映像が、例えば
「どんぐりと山猫」や
「ヨダカ」などを表現している事は分かるのですが…
逆に、『宮沢賢治』について何も知らない人がこのアニメを見てしまうと、
一体何が起こっているのかも分からないまま、ドラッグビデオのような
不思議映像を延々と見せられてるような心地になるかもしれません。
この作品の特殊な表現方法を受け入れ、
かつ、宮沢賢治の
「生涯」や
「作品」に関するある程度の前知識無しでは、
このアニメを存分に楽めないかもしれません。
でも、
だからこの作品が失敗作か?
というと、それは
違うと思います。
このアニメが、ケンジが童話として残した
「文章」を、
恐らく彼自身がメモをしたためたときに見た『イメージ』そのもので
表現しようとした作品だ
(と思う)からです。
イメージが画面に展開するとき、
視聴者は
「ケンジの人生を客観視する第三者」ではなく
『まさにケンジ自身』となる。
それが、この作品の見方ではないでしょうか?
総合的には、
『まぁまぁ、とにかく一度は見て下さいよ』という感じで、
僕個人としては他人に薦めたい出来でした。
もし機会があれば、皆さんもぜひ。 ファンの方は、特に。
蛇足ながら、ケンジの妹
『トシ』が、
「儚げな猫少女」として描かれており大変
萌えですので、
そこらへんの嗜好の方もぜひ御視聴ください。
(ピンポイントな…)
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