監督「ジョー・ダンテ」

スモール・ソルジャーズ


1998年 アメリカ        執筆日:2003年 3月26日





■第一章 『ストーリー』


…あやまって「軍事用マイクロチップ」を搭載した
兵士型おもちゃ『コマンドーエリート』が流通してしまい、
たまたま真っ先に入手した主人公の少年『アラン』一家と
そのお隣さんを巻き込んでの
『人間 VS おもちゃ』の戦争が勃発する
ファンタジーアクションコメディ(微妙ーにホラー仕立て)です。



…このおもちゃ達は人間のような複雑な思考ができ、
『コマンドー〜』と同系列のモンスターおもちゃ『ゴーゴナイト』
リーダー『アーチャー』と主人公はふとしたことから友達になります。

しかし、
「ゴーゴナイト」を滅ぼす思考をプログラムされた「コマンドー」たちが、
「アーチャー」に味方する「アラン」の家族ともども、
これを滅ぼそうと戦いを挑んできたからさあ大変。


台所用品大工道具を駆使して作った、
『ナイフ射出バギー』『濃硫酸散布ヘリコプター』
『火炎瓶射出戦車』
などなど、
工夫と殺意にあふれたウェポンで、
主人公たちの命を狙います。




…追い詰められ、家を半壊にされながらも、
電柱の上に取り付けられた電子機器で強烈な電磁波を発生させ
マイクロチップを破壊するという一発逆転によって、
辛くも勝利する人間とゴーゴナイトたち。


戦い終えたゴーゴナイトたちは、
インターネットの画面で見た『故郷ゴーゴン』を求めて、
(本当は国立公園の写真だったんだけど)
主人公と別れ、小船に乗って旅立つのでした。






■第二章 『特撮』


…多分、CG実写(人形)を交えて、
おもちゃたちが自分で動いているように
見せているんだとは思うんだけど…

おもちゃ達の動きが驚くほど画面に溶け込んでいて、
どこが特撮なのかほとんど分かりませんでした。

すごいんですなー、最近の特撮技術。



…登場キャラたちの性格もそれぞれ個性があり、
一見不気味な『ゴーゴナイト』たちも見慣れれば愛らしく、
アクションシーンでの家庭用品を材料とした兵器群など
見所も多彩です。


『カツラのとれたバービー人形(?)が
10人ほどで踊り狂うシーン』
は、
ライトアップの効果も手伝って、
人形が持つ独特のブキミさをうまく表現していました。


また、この事件をキッカケとして、
主人公たちの『親子の確執』 『小さな恋物語』にも
一応の決着を付けてたりもするなど、
盛りだくさんの内容です。





…ただ、一方で、
『これだけの大事件でありながら、被害にあったのが
主人公を含む2家族だけという都合良すぎる展開』

だったり、
『ゴーゴナイトがコマンドーへの反撃を決意するのが
最後の最後なので、「いまさら感」が強かったり』

といった不満も、些細ながらチラホラ見られます。



『一気に最後まで見せてくれるけど、残るものは少ない、
でも見所は実に多彩…』
 という作りは、
雑誌のソレに近い印象を受けました。
(僕個人としては、人間との関わり部分を省いて、
家庭用品などを材料としたウェポンで武装した
人形たち同士が戦う話だったら良かったなー、と思いました。)






…なんというか、あの終わり方を見ると、
『全50話の大作アニメ「ゴーゴナイト」の第1話を
2時間スペシャルで一挙公開!』
といった風にも感じました。

終わったのではなく、これから始まるような… そんな話に。


後味はイイですね。 この映画。




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