監督:
三池 崇史
『着信アリ』
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2004年 日本
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執筆日: 2005年 12月02日
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■第一章『ケータイと飴』
『着信アリ』は、
ホラーです。
どこにでもいる学生たちが、ケータイを辿ってやって来る「何物か」に、
1人、また1人と
殺害されていく物語です。
殺害の流れは、まず被害者となるべき人物のケータイに、
どこからともなく電話がかかってきます。
その着信音は、自分の設定したものとは異なる、聞き覚えの無いもの。
留守電を確認してみると、発信日は
「未来の日付」で、
内容は
『周りの音声に混じった、何者かの悲鳴』。
そして被害者は、その「未来の日付」が訪れた瞬間、
留守電に録音されていたとおりの断末魔の悲鳴をあげつつ、
得体の知れない何物かに殺害されていきます。
謎の留守電は
『殺害予告』なわけですね。
しかし恐怖はココで終わらず、
死亡した人物のケータイの『電話帳』の中から、
次の被害者をランダムに1人選択して、
この殺害予告は1対1で伝染していくのです…
そして、なぜか被害者の口の中から発見される
「飴玉」。
主人公の
女子高生と、妹を殺された
青年の2人による、
「殺人予告電話との戦いの日々」の幕が切って落とされました。
■第二章『良し悪しなど』
ケータイという、これ以上は無いというほど
身近な道具にとりつき、
しかも「電話帳」を辿ってやって来るので、
『誰にでも起こりる可能性』をにじませる意味で
なかなかイイ感じのストーリーアイデアです。
内容は、「怪談」というよりは
『都市伝説』的な味を持った映画、という感じです。
見せ方がかなり秀逸で、
『画面をかなり暗く』して視聴者の想像力をガンガンかき立ててくれたり、
『心理の裏をついたマジックのような画面作り』で楽しませてくれたりと
(例: 合コンで怪談を聞く場面で、主人公にカメラが移動したとき、
主人公の肩の上に普通〜に「白い手」が乗っている。
最初から乗っているので、服の模様のように見え、
ズルリと動き出すまでそれがそこにある事に気がつきにくい。)
実に見てて楽しいです。
音声に関しても、主人公たちが
「え… これってどういう事…?」と、
事の不可解さに呆然として画面が静かになり、
ジワジワと恐怖がにじみ出てきた絶妙なタイミングで
『大きな音声』(カラスの鳴き声とか)が挿入されるので怖いのなんの。
被害者に届く着信も、回を増すごとに
『恐怖画像が添付』されるなど
細かなグレードアップがなされる気の利きよう。
「電源を切っておけばイイ」
「解約すれば大丈夫」
「もう、(インチキ)霊媒師でもイイから頼りたい」
という、普通に思いつく回避方法をあざ笑うかのように、
無造作に近づいてくる「死の電話」の恐怖。
「傑作!」では無いですが、
視聴1回目の恐怖は高確率で保証される、
『良質のお化け屋敷』の魅力がこの映画にはありました。
一方で、結末の分かりにくさが本当に惜しいです。
もちろん、
『母親が幽霊となって、自分の死体を見つけてほしくて云々』
みたいな、何の工夫も無い、そもそも
矛盾している結末
(自分を探してくれるかもしれない人間を殺してどうする…)
はフェイクであるとすぐ分かったのですが、
そこからエンディングまでのドンデン返しが
唐突過ぎて…
一応、観たかぎりで推理すると、
『母親の死体の持っていたケータイは、隠れ蓑として使われていた。』
『最後の被害者である女子高生は殺されなかったが、女の子に乗り移られた。
これからはケータイではなく、世間の人たちに直接包丁ブッ刺して、
後でちゃんと看病してあげるからねフフ〜ン。』という所でしょうか??
あの青年が助かったのは、
『初めて看病がうまくいっちゃった。 ラッキ〜、てへ。』て感じ?
なんかよく分からん。
まぁ、
「2」があるそうなので、
そちらで謎が解決されている事を祈ります。
僕も見てみるつもりです。
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